○中川義雄君
大臣、大変朝から御苦労さまでございます。
先ほど、
予算の
委嘱審査を聞いておりましたが、ほとんど
予算の内容がなくて、いろいろと一般的な
質疑に終始しまして、本当に御苦労さんだったと、こう思っております。
委員長も
委員長報告をどうやってつくるのか、非常に困難なことかもしれませんが、よろしく
お願いしたいと
思います。
それで、私は今ちょうど本議会におきまして、昨年の
農業基本法に引き続いて
林業そして
水産業の
基本法が上程されていると、こう聞いておりますので、その点に主に話題を引きながらやっていきたいと
思います。
最初に、これは
農業の問題でありますが、一点だけ聞かせていただきたいと
思います。
昨年新しく改定されました
食料・
農業・
農村基本法において、
食料の自給率を
向上するということを非常に大切にしております。これが特徴的だったと思っています。そのため、策定されました
基本計画においては、
平成二十二年をめどに四五%まで、大体五ポイント
向上させたいという計画ができ上がりました。
向上を旨とするというようなそのために、特に小麦、大豆といった非常に輸入に依存度の高いものを
重点的にやる、特に米の転作のためにそれを
重点的にやるということはわかるんですが、それが北海道では大変困難な問題に
発展していっているんです。
その
一つは小麦の問題ですが、どうしても米地帯、これは非常に湿地帯でございまして雨も多くて、小麦はどちらかというと雨が少なくて乾燥地帯で盛んになって、ですから穂も上に向いていて雨を全部受けるぞというような形になっているわけです。それに対して稲穂は、実れば頭を垂れるというような形で、雨が降ってきてもみのかさがそれを守るというような形になっていますから、それが雨に強いわけでございます。その水田地帯に小麦をつくるわけですから、これはいろんな問題が起きているわけです。
そしてしかも、水田の小麦と大豆、二作を
中心にした連作体系ということになりますと、初めのうちはいいんですが、年数が経てくると、二作で輪作体系というのは非常に無理なわけです。しかも、北海道の場合は、他の
地域の畑作地帯というのは相当大型機械を駆使して、また施設も相当それに合った施設がされているわけです。それに対して水田地帯は非常にまだいわば畝などがあったりして、そこへ
農業機械を入れながら畑作するというのは非常に難しいんです。
それが、それだけならいいんですけれ
ども、最近はそれが水田地帯と畑作地帯の
農家同士の感情的な対立にまでなりかかってきているんです。
一つは、大豆が、何十年と厳しい自然、風土の中でつくってきた畑作地帯の大豆、それがやっぱり国内では銘柄品として一定の評価を受けて、価格もそれなりの価格だったわけです。それに対して、輸入大豆は相当食用としては非常に評価が低かったわけです。ところが、転作のために大豆をたくさんつくり出しますと、国産の大豆というのが相当流通に入ってきますと、それが価格に転嫁されて、畑作地帯の、これまで苦労した畑作専業の大豆
農家が大変苦しくなってきているというのも事実なんです。そこで、今度は大豆交付金に畑作専用に五百円プラスしたというのはそれなりに評価されていい、本当にありがたいことだと、こう思っているわけです。
その一方、小麦ではこういう問題が発生しているんです。小麦はつくってもなかなかできないものですから、御承知のように小麦は共済に加入することが義務づけられているわけです。そうすると、どういうことになっているかというと、この二、三年は極端に水田地帯の被害が多くて、畑作地帯は努力するものですからほとんど被害がない。それがどういう形になっているかというと、最近の数字では、十勝のような畑作
中心のところは、みずから掛けた掛金の支払い、受取共済金が約一割なんです。〇・一倍ぐらいなんです。それに対して、空知だとか、北海道の、それから石狩といった水田専業地帯では五倍から八倍受け取っているんです。
それが昨年の暮れ、私
自身、共済組合長といろんな打ち合わせをしたときに、何となく不穏な雰囲気になる、北海道で。それで、それはどういうことかというと、十勝の共済組合の幹部がひそかに収穫期に空知だとかそれから石狩といった水田地帯の小麦の収穫をどのようにしてやっているのか見に行ったんだそうです。そうすると、暗くなったらすぐやめてしまったと、作業を。ところが、十勝などは、私もよく知っていますが、収穫できる雨降る前に、なるべく被害を受けたくないということで、二十四時間でも三十六時間でも収穫できる間は寝ないでみんなして作業しているという実態なんです。それが、暗くなったらやめる、そして共済金でということになると、我々が払った共済金で水田地帯の小麦
農家がやっていくのかというと、非常に感情的になってしまう。
しかし、私もわかるんです、水田地帯の人
たちのその気持ちも。合わないところに転作を強いられて、しかも連作体系がきちっとしていない中で、やっぱりすぐだめになってしまう。だから、どうしてもおのずと人間の弱さで共済金に頼ってしまう。これでは、私は、将来大きな問題になると思う。
そこで、私は
大臣に対して提案したいのは、北海道のようなところでは、転作は無理して小麦、大豆にするんじゃなくて、やっぱりその
地域に合った転作をさせるべきだ。その
一つとして考えられるのは、今飼料もほとんど海外に依存しているわけですから、北海道では幸いたくさんの家畜が飼われておりますから、粗飼料じゃなくて、えさ米を専門につくっていただいて、そして畜産地帯の
農家にそれを供給することによって自給率にも貢献する。そしてまた、そのことによって水田
農家も安心してえさ米をつくれる。そういうことも頭に入れてやっていただきたいものだと。しかし、ここでは
大臣も、いかに
大臣といえ
どもすぐ答えられないと思うんです。いろんな技術的な問題だとか何か、検討が必要だと
思います。
どうか
大臣の方から
事務当局に技術的な検討、私も北海道庁だとか北海道
農業団体、そういったところには提案しておりますので、国でも真剣にこの問題に考えていただきたいと、こういう
お願いですが、
大臣、いかがでしょうか。