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2001-02-27 第151回国会 参議院 農林水産委員会 第3号
公式Web版
会議録情報
0
平成
十三年二月二十七日(火曜日) 午後零時十分開会 ─────────────
委員
の
異動
二月十五日
辞任
補欠選任
木俣
佳丈君
羽田雄一郎
君
菅川
健二
君
和田
洋子
君
谷本
巍君
三重野栄子
君 二月二十日
辞任
補欠選任
三重野栄子
君
谷本
巍君 二月二十六日
辞任
補欠選任
和田
洋子
君
佐藤
雄平
君 二月二十七日
辞任
補欠選任
谷本
巍君
渕上
貞雄
君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
太田
豊秋
君 理 事 金田 勝年君 岸 宏一君
郡司
彰君
谷林
正昭君 委 員
岩永
浩美君 国井 正幸君
田中
直紀
君 中川 義雄君 森下 博之君 小川 敏夫君
佐藤
雄平
君
羽田雄一郎
君
風間
昶君 渡辺 孝男君 笠井 亮君
須藤美也子
君
渕上
貞雄
君
岩本
荘太君 副
大臣
農林水産
副
大臣
田中
直紀
君
事務局側
常任委員会専門
員 山田 榮司君 ───────────── 本日の
会議
に付した案件 ○
農林水産
に関する
調査
(
派遣委員
の
報告
) ─────────────
太田豊秋
1
○
委員長
(
太田豊秋
君) ただいまから
農林水産委員会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御
報告
いたします。 去る十五日、
菅川健二
君及び
木俣佳丈
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
和田洋子
君及び
羽田雄一郎
君が選任されました。 また、昨二十六日、
和田洋子
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
佐藤雄平
君が選任されました。 また、本日、
谷本巍
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
渕上貞雄
君が選任されました。 ─────────────
太田豊秋
2
○
委員長
(
太田豊秋
君)
農林水産
に関する
調査
を議題といたします。 先般本
委員会
が行いました
有明海ノリ被害等
の
実情調査
のための
委員派遣
につきまして、
派遣委員
の
報告
を聴取いたします。 なお、本日の
報告
を
農林水産大臣
にお伝えいただくために、
田中農林水産
副
大臣
には特に御
出席
をいただいております。 それでは、
派遣委員
から
報告
を願います。
郡司彰
君。
郡司彰
3
○
郡司彰
君
委員派遣
の御
報告
を申し上げます。 去る二月十九日、
佐賀
、
長崎
両県におきまして、
有明海ノリ被害等
の
実情
を
調査
してまいりました。
派遣委員
は、
太田委員長
、
岸理事
、
三浦理事
、
谷林理事
、
岩永委員
、
風間委員
、
須藤委員
、
三重野委員
、
岩本委員
、そして私、
郡司
の十名でございます。なお、
陣内孝雄議員
が
現地
参加されました。
有明海地域
は
全国ノリ生産
の約四割を占め、その
生産高
はおおむね四百五十億円程度となっております。 ところが、今シーズンの
ノリ養殖
の
生産状況
は、本年二月八日までの
共販実績
の累計で見ますと、二百三十億二千万円となっております。これは対前年同期と比べますと四一%の
減収
であり、かつてない
不作
となっております。
不作
の
原因
は、
珪藻プランクトン
の
大量発生
による
栄養塩不足
に伴う
色落ち
とされております。
色落ち
は、
ノリ
の黒い色調が
黄褐色
にあせる状態になることですが、
珪藻
の
大量発生
の
原因
については、現在、
緊急調査
が進められており、三月中に暫定的な
取りまとめ
が行われる
予定
であります。 まず、
水産庁
による第一次
調査
として、一月二十三日から二月一日にかけて、
有明海
の
漁場環境モニタリング調査
が
実施
され、第二次
調査
として、二月二十三日に
水産庁
と
関係
四県による
共同
一斉
調査
、その前後に
水産庁
による
漁場環境モニタリング調査
が行われております。
ノリ養殖
の
漁期
は十月から翌年の三月までであり、また、
色落ち
により
生産
の見込めない
ノリ網
の撤去が進んでおります。このため、できる限り
早期
に
有明海
の
ノリ被害
の
実情
を把握するには、
現地
を視察する必要があるということで、
派遣
を行いました。 以下、
調査
の
概要
について御
説明
申し上げます。 まず、
ノリ被害
の
状況
であります。
佐賀
県
有明水産振興センター
の案内により、
佐賀
県
沖合
にある
芦刈漁協
の
ノリ養殖漁場
を船上から視察しました。
ノリ網
の
状況
を確認した
地点
は、
佐賀
県
芦刈
町の
沖合
の
被害
の激しいところと、
沿岸部
に近い比較的生育のよいところの二カ所であります。
沖合
ほど
色落ち
の
被害
が大きいということでありました。
被害
の大きい
地点
の
ノリ網
はほとんど撤去されており、現在残っている
ノリ網
は比較的
生産
が見込めるものということでありましたが、
ノリ網
を引き上げてみると、
色落ち
、成長の悪さが確認できました。 下船後、同
センター
の
標本室
におきまして、
有明海
に生息するタイラギ等多様な
魚介類
の
標本
をもとに、その
生息状況
の
変化等
について
説明
を受けました。 次に、
佐賀県庁
におきまして、
福岡
、
佐賀
、
長崎
、
熊本
四県の
県庁
、
県議会
、
漁業関係者
及び
共同緊急調査担当者
とが一堂に会し、
ノリ被害
に関する
状況報告
と
意見交換
を行いました。 最初に、四
県知事
を代表して、
井本佐賀県知事
から、四
県知事
の連名による
要望書
が提出をされました。この
要望書
は、
①ノリ等不作緊急対策
の
実施
、
②ノリ
・
貝類等不作原因究明
のための総合的な
漁場環境調査
及び
資源変動要因
の解明並びに
調査研究体制
の強化、
③水産資源回復
のための「
有明海再生計画
」の
早期策定
及び
総合的対策
の
実施
の三点を
内容
としております。
地元
も力を尽くすので、国においても万全の対応をお願いする旨の
要望
がありました。 次に、四県の
県議会
を代表して、
藤田福岡県議会議長
から、
ノリ
の
生産状況
の
報告
が行われました。現時点では五〇%以上の
減収
が予想され、特に
福岡
県では約七〇%の
減収
となっており、
漁業経営
が極めて苦しく、生活不安が生じているとのことでありました。また、
地元
も最大限努力するが力不足であり国の
支援
をお願いしたい、来
漁期
も
漁業者
が努力できる
環境
を整えてほしい旨の
発言
がありました。 次に、
福岡
県
有明海漁連
の
荒牧会長
から、
漁業生産
は厳しい
情勢下
にあり、あすが見えない、また、一日も早い
有明海
の
再生
をお願いしたい旨、
佐賀
県
有明海漁連
の
山崎会長
から、四年前に
九州農政局
に
有明海漁業
に及ぼす影響についての
調査
を要請したが、その心配があらわれた、我々が求めているのは、昔の宝の海に戻すための
環境調査
である、また、本格的な
原因究明調査
の
中間取りまとめ
が九月に
予定
されているが、来
漁期
に間に合うか心配している旨、
長崎
県
漁連
の
川端会長
から、同県の
有明海
における
漁獲量
が約七千トンと四年前の四〇%減で死活問題となっている、
調査海域
を橘湾にも拡大してほしい、常時、
調査情報
を
漁業者
に伝達することをお願いしたい旨、
熊本
県
漁連
の
植村専務理事
から、山、川、海の連携により自然豊かな漁村を目指すため、国、県において
沿岸漁業資源
の
悪化原因
の徹底的な
調査
、来
漁期
に向けての
ノリ養殖
の
技術指導
を願いたい旨の
報告
が行われました。 次に、
福岡
県から、四県を代表して、行政の
ノリ養殖事業者
に対する
支援対策状況
の
報告
が行われ、国の
緊急対策
の活用や
生活資金
の
融資等
の取り組みが示されました。 次に、
水産庁
から、
有明海ノリ不作対策緊急調査計画
について
報告
が行われました。第一次
緊急調査
及び第二次
緊急調査
の
内容
と、この
緊急調査
の結果は、
平成
十三年四月以降の
本格的調査
の
基礎データ
になるものである旨の
説明
がありました。 その後、
意見交換
に入りました。 特に、
緊急調査
の
内容
に関し、
調査項目
に
底質
を入れるべきであり、四月以降暖かくなると
状況
が変わるので
調査
の意味がなくなる等の
意見
が出されました。 なお、
底質調査
につきましては、この
意見交換
の後、
水産庁
と各県で協議し、第二次
緊急調査
の対象に加えることにしたということであります。 その他、
有明海
には多数の
河川
が流入しているので、それら
河川
の
環境調査
が必要である、
ノリ不作
が
後継者
に不安をもたらしており安心して
漁業
を営めるようにしてほしい、
漁業信用基金協会
の拡充の
必要性
、
三井三池炭坑
に係る
海底陥没対策等
の
意見
、
要望
が出されました。 次に、
諫早湾干拓事業
についてであります。
諫早湾干拓事業
は、昭和六十一年に
事業着手
、
平成
九年四月に潮受け
堤防
を締め切り、十一年三月に潮受け
堤防
が
完成
しています。
事業
の
完成
は十八年度の
予定
であります。
九州農政局諫早湾干拓事務所
から、潮受け
堤防
の役割、
中央干拓地
における
工事
の
進捗状況
と
試験栽培
の
実施状況
、
入植者
への農地の配分及び
負担等
について、
概況説明
を聴取しました。 その後、海上から潮受け
堤防
及び
北部排水門
を視察し、
中央干拓地
の
整備状況
を視察しました。 その後、諫早市の小野ふれあい会館におきまして、
長崎県知事
、
県議会
副
議長
、
地元市町
及び
議会関係者
と
意見交換
を行いました。
金子長崎県知事
から、
有明海
の
漁業環境
の
悪化
について徹底的な
原因究明
を行い、
有明海
を
再生
してもらいたい、
諫早湾干拓事業
により高潮や大雨の
被害
を免れるようになったことを理解してほしい旨の
発言
がありました。 次に、
大石長崎県議会
副
議長
より、潮受け
堤防排水門
の
開放
について、
地元住民
は、
背後地
の排水不良が再発することを懸念し、
湾内漁業者
は、速い潮流の
発生
により
漁場
が荒廃するとして、反対している
状況
がある旨の
発言
がありました。 次に、
田中森山町長
より、潮受け
堤防
は、自然の猛威から
住民
の
生命財産
を守るために必要と考えているが、潮受け
堤防排水門
の
開放
の是非は予断を排除して
調査
を行ってほしい旨、
古賀小長井町長
より、潮受け
堤防北部排水門
の正面で
漁業
を営んでいる四
漁協
の漁民は、
早期
の
工事
の
完成
による
漁場
の安定を望んでいる旨の
意見
が述べられました。 以上が
調査
の
概要
でありますが、四県から提出されました
要望書
につきましては、本日の
会議録
の
末尾
に掲載していただきますよう、
委員長
のお取り計らいをお願い申し上げます。 最後になりましたが、
有明海
の
ノリ被害
を受けられた
ノリ養殖事業
の方々に心からお見舞いを申し上げますとともに、
ノリ被害
の
発生
以来、
応急対策
や
原因調査
に取り組まれている
関係各位
に深く敬意を表します。また、当
委員会
の
調査
に当たりまして、繁忙の中、格別の御協力を賜りました
現地
の
皆様方
に厚く御礼を申し上げまして、
報告
を終わります。
太田豊秋
4
○
委員長
(
太田豊秋
君) 以上で
派遣委員
の
報告
は終了いたしました。 なお、ただいまの
報告
にありました
現地
からの
要望書
につきましては、本日の
会議録
の
末尾
に掲載することといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十二分散会