○山本正和君 財務省、どうもありがとうございました。これで結構ですから、財務省の方。
今のような数字が出て、これは
大臣、どうですか、現在の価格に直したら五兆八千億のお金のものを、今まで上手に売ってきたものだから十三兆五千八百億円というお金が国庫に入っているわけですね。そうすると、八兆からのお金が、現在は五兆八千億しかないものから八兆、現在の価格よりも多く国庫に入っているんですね。こういうことになるんですね。そうすると、この八兆五千億という金は
一体だれが買ったのかと、それはもちろん
企業で買った人もいますけれ
ども、何と国民が、これはあらゆる
企業の中でこれぐらい一般株主の多い
会社はないんです。百五十万人買っているんです、百五十万人。個人株主百五十万人なんという大
企業はないんです。この個人株主百五十万の人がみんな政府に献金したのと一緒ですよ。もし政府と同じように上手にやっておれば損していないわけだからね。だけれ
ども、それはもう政府にみんな
日本国民として国策に協力したといってあきらめてもいいと私は思うんです、場合によっては。
しかし、あきらめるにしても、この
NTTの八兆が、今は何か情報社会、IT革命と言っておる中で何で
アメリカやヨーロッパに負けるの、こうなってくるんだ。
NTTという金、この
NTTというものの財産は、先ほど宮本さんが言っておられたけれ
ども、明治以来、
日本人がずっとつくってきた大切な財産です。それを株式にした。そのお金をなぜ今IT革命のときに使えていなかったんだろうかと。せめてこれの三分の一、五兆でも今から、売却したときからずっとこういうIT革命に対して準備してどんどん金を入れて、研究は今
NTT持ち株会社で世界トップ段階に立っているというんですけれ
ども、そういうものが背後にあるんだから、やっていけば、何で
アメリカや何かからくしゃくしゃ言われるんだと。
日本が明治維新以来ずっとやってきて、一流国になってきたときの背景には何があったか、通信なんです。これから始まって、ぱたぱたから始まって、
電話にかわって、それで
電話がアジアで一番普及した、世界で一番。そして、ヨーロッパには負けぬぐらい
電話の普及がいった。もちろん電信もそうですよ、電信も電報も。そういう中で近代国家ができたんですよ。
NTTがあれだけ豊かで、何で株式を売ったときに二十一世紀を展望してやれなかったんだろうか。これは私
ども政治家の責任なんです、実際の話は。私
どももかつて村
山内閣のときは与党だったから、これは責任があるんです。政治家の責任なんです。
だから、金がないというような話だったけれ
ども、使い方がまずかった。やっぱり少なくともこういうものに金をほうり込まなきゃいけないんです、本来からいったら。そんなことを思うんですが、どうですか。また新しく株を売却するとか言っておるけれ
ども、そうするとまたつまらぬところへ金が行って、今の何か
法律でいくと国は三分の一保有しなきゃいけない、売った場合には国債の償還に充てなきゃいけない、こうなっているんですけれ
ども、実際は必ずしもそうなっていないんですよ、実際は。一般のところに行っておるようだけれ
ども。
そういう、今後の
NTT株を売却するについても、今お金がないという話が出たから私は言うんですよ。こんなもの、借金の返済を何で
NTTがやらにゃいかぬと。それこそ田舎でひとり暮らしのおじいさん、おばあさんが苦しいといったところに対するきちんとした、まさにユニバーサル
サービスに使いましょうと言えば私は金が出ると思う。こんなことを思うんですが、
大臣、お
考えどうですか。