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国務大臣(
片山虎之助君)
地方交付税制度というのはもともと、本当は地方税で与えればいいんだけれ
ども、地域的に経済力が違うんで、当然それによる税収入がアンバランス、でこぼこになっているから、税源を与えても、例えば所得という税源を与えても東京や大阪や神奈川や愛知県
ばかりふえて、申しわけないのですけれ
ども、鳥取県や島根県、そういうところは税収入は余りふえない、差が開くだけになると。そこで国税という形で一定のものを取って、それを均てんするように配分しようというのが
地方交付税なんです。それと同時に、全国のいわゆるナショナルミニマムを確保できるだけの
財源は与えてやろうと。
だから、ここでも何度も申し上げましたが、
地方交付税というのはもともとは地方財政平衡交付金
制度だったんですよ。地方全部の足りない金を補てんするという
制度で毎年決まっておったんです。そうしたら、毎年は大騒動で大変だというので、昭和二十九年に今の
地方交付税制度のはしりができて以降、今日に来ているんです。だから、最初は国税の二〇%か何かから始まって、三税の、次第にこうふえていって、こういうことなんですね。だから、あれ
自身は
財源調整と
財源保障なんですね。
ところが、今
考えてみますと、例えば都道府県四十七ありまして、不交付団体は東京都だけなんですよ。東京都以外は全部交付税もらっているんですよ。それで、市町村が三千二百二十四ありますけれ
ども、私、正確な
数字知りませんけれ
ども、恐らく百五十ぐらいじゃないでしょうか、不交付団体は。残りの大多数はみんな交付税もらっているんですよ。これはいかにも私は地方財政
制度のあり方としてはおかしいんで、やっぱり基本的には地方税の充実ですね。
だから、そこで工夫が要るんですよね。例えば、所得なんというのを与えるとこんなアンバランスになりますからね。だから、そこは所得と消費と資産のバランスのとれた形で税源を与えていって、なるべく偏在がないように安定的なようにまず地方税を与えていく。しかし、地方税では限界がありますから、財政力に差があるから、経済力に差があるから、そこは
地方交付税で補おうと。そして、その他はどうしてもというものだけ国が補助金を出すと。こういう
制度にした方が一番わかりやすいと、こう思っているんですよ。
ところが、今はそうなっていないんで、それからもう何度も言うように、歳出全体を見ると、公の歳出全体を見ると、国が三分の一で地方が三分の二ですよね。ところが、税は国が六割で地方が四割。だから、実際使うところがそれだけの収入を得ていないんで、それは国からもらってくるという形ですね、税が四割ですから、実際は六七%やっているんだから。その二七%は交付税と国庫支出金でもらってきているんですよ。したがって、そこで、負担と給付の、サービスと負担の
関係があいまいになって、いい首長さんは国からたくさん金を持ってくる、補助金を取ってくる、交付税を持ってくる首長さんが偉い首長さんで、それを応援する議会が大変いい議会だと、こういうふうになっているんですね。
だから、そこはなるべくサービスと負担というものが均衡するようなことをやると、そこに一種の何といいますか抑制効果が生まれて、今はやっぱり離れているから、モラルハザードでもないんだけれ
ども、やっぱりそういう感じがあるんで、そこは今後直していかなきゃいかぬと私は基本的に思っておりますが、交付税
制度はなくなりません。また、なくしたら困ります、地方財政が。
そういう意味で、経済財政諮問会議でも十分そこは認識しているんですよ。ただ、今のままでいいのかなと。できるだけ地方税中心でいこうというのと、それから交付税がいろんなことをちょっとやり過ぎているじゃないかと。何度も言いますけれ
ども、裏負担の起債の元利償還もほとんど見たり、単独
事業もかなり見たりでしょう、起債の。だから、そこまで交付税がやるのはいかがかなと。歴史的な意味は全部あったんだけれ
ども、それをもう一遍整理してみようと。
こういうことで、交付税
制度の
見直しということを経済財政諮問会議では私も言っていまして、ほかの方も言っていますからね。ぜひこの
議論をいろいろとやっていきたいと、こういうふうに思っておりますし、私はもう何度も
国会でも
答弁しておりますが、地方税を充実すること、それによって
地方交付税を縮減する、国庫支出金はもっと縮減する。特に、補助金は、負担金は別ですけれ
ども、補助金は私はもう全部一般
財源に振りかえてもらった方がずっといいと思っています。負担金は別ですよ、負担金は。
だから、この辺は大いに今後の国と地方のあり方、あるいはいろいろな分担ですね、そういうことを踏まえて、もう一遍しっかり、二十一世紀ですから
考え直す必要があるんではなかろうかと。
それから、水膨れの地方歳出は私はカットすればいいと思っているんです。単独
事業は二十兆だとか二十二兆だとか、本
年度も十七兆五千億ですよ。公共
事業は九兆四千億ですよ。これが私はいいのかなと本当に思っているんで、この辺は役所の
皆さんとは
意見が違うところかもしれませんけれ
ども、大いに調整をしていきたいと思っておりますので、御指導、御支援を賜りますようにお願いいたします。