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松岡滿壽男君 先ほど来、山本
議員のお話を聞かしていただいておったんですけれ
ども、今の我が国の状況は、確かに政治もそうですけれ
ども、外交とか
行政ですね、官僚の方の問題、それから
社会全般もそうですし、金融経済、あらゆる分野がもうぎくしゃくときしんできている、いろんな面で不協和音が出てきて非常に難しい
時代に入ってきている。
予算
委員会で森総理と失われた十年ということでちょっとお話ししたんですけれ
ども、何しろ私に与えられた時間は二分とか三分とか四分とか、信じられないような短い時間ですから十分にお話ができなかったんですが、きょうは珍しく四十分も時間を与えていただいていますので、若干その問題も触れながら、まさに最後に山本先生おっしゃったことは私も大賛成でありますから、
地方自治体に頑張ってもらわにゃいかぬという立場から
質疑をいたしたいと思うんです。
ただ、先ほどのお話の中で、確かに処方せんを変えて薬を飲んだらという話でした。ブッシュ大統領も森さんに、苦い薬は早いうちに飲んだ方が効くんじゃないかと言われたということですけれ
ども、私は、もう薬なんて飲んでいるときじゃないと思うんですね。やっぱり大手術をしないとどうもだめなところに来ているんじゃないかと。
明治維新が黒船から始まって、それから戦後がアメリカの占領という形からスタートしておるわけですけれ
ども、結局、戦後のいわゆるいろんな分野でのソフトというのは、意外に私はうまくいったんだと思うんですね。ソフトがうまく機能した、十年ぐらい前まで。だから、何やかんや言いながらうまくいったんだけれ
ども、その惰性で来ているけれ
ども、ここらでばっさり全部切らなきゃいかぬと。
私は三つぐらいあると思うんですけれ
どもね、手術する部分が。
まず一つは、やっぱり政治が劣化して機能していない。だから、やはり政策とか理念で政党というものはできなきゃいかぬのだけれ
ども、みんなばらばらな人が権力闘争の中で集まっちゃっているということ。これをやっぱり一つすっきりさせる。それで、政治がメスを持てるような状況にならなきゃいかぬ。いわゆる政界再編ですよ。だから今、無党派がふえて、長野県知事、栃木県知事に続いて千葉県知事がああいう形で誕生したというのは、やっぱり国民の政治に対する不満というものがああいう形であらわれていっている。新聞、マスコミの世論
調査でも九割を超す人が政治に不満を持っている。だから、これにやっぱり我々政治家はどうこたえるかというのが一つと思いますね。
二つ目は、せんだってもここで片山
大臣とお話ししましたけれ
ども、国の形と
地方の形をどうするんだと。私は、最終的にはやっぱり道州制の問題、それから中央省庁がもう四省庁ぐらいになっていくんだろうと思いますが、受け皿をやはり、とりあえず千と言っておられるけれ
ども、三百ぐらいの受け皿へ私はなっていくんじゃないか。スリムで効率的な
仕組みをどうやってつくっていくのかと、
日本全体の知恵で。だから、それだと思いますね。
それと、三つ目は規制の撤廃といいましょうか、グローバリゼーションの波でだあっと洗われちゃって世界じゅうが一つになってくる。最終的に
日本の個性というのは、文化とか精神的な面では残り得るかもわからぬけれ
ども、産業経済の分野では全部洗われちゃうと思いますよ。だから、
日本独自のシステムというのは、今非常に商社が苦労していますよ。三菱とか三井とか、かつて世界に冠たる
仕組みだけれ
ども、世界にないんですから、ああいう
仕組みは、
日本しか。それが一体どうやってなっていくのかという問題が私は一つあると思うし、先ほど来、郵貯の
議論もありましたけれ
ども、そういう
日本だけのシステムというのは私は残れなくなっていくんだろうと思うんですね。それをどうしていくんだというところだと思うんです。
さて、予算
委員会の欲求不満の演説はこのぐらいにしまして、
地方の単独
事業、これも
政府の景気回復策の犠牲になって、犠牲といったらあれですけれ
ども、一生懸命やってきたんだけれ
ども、もうもたなくなっちゃっているんですよね、御存じのように。それで、
自治体がもうそっぽを向き出しているということですよ。だから、この景気対策もやっと、二兎を追うということを
大臣言われたけれ
ども、早くから私
どもは予算
委員会なんかで去年も言い続けてきているわけですよ。ところが、きょうの読売か朝日の世論
調査を見たら、国民の方がわかっているんですよ。何をやってほしいかと、トップがやっぱり
財政再建です。それで二番目が景気対策です。だから、それを早くとっているのが
地域の国民と一緒に住んでいるやっぱり
自治体ですよ。だから、もう軸足を移してきているんですね、
財政再建の方に。
こういう状況で、いろいろと
地方債の発行やその返済の一部を交付税で手当てするなど後押しをしてきたけれ
ども、もう百八十何兆円という、これはもうたまらぬと。それで、首長の場合は、もう最後は何だ赤字つくったと、今度の
改正で全部ガラス張りになっちゃっているんですから、そうしたらもう全部市町村長の選挙のときにやられちゃうわけですよ。だから、それは当然、しり込みするのは当たり前ですよ。
この問題についてどのような認識を持っておられるのか、お伺いいたしたいと思います。