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峰崎直樹君 地方債がもう百八十八兆近くまで行っているわけですね。今は一体に物を考えなきゃいけないというふうにおっしゃっていたんですが、私はむしろ逆に、地方自治体は自治体で自分たちの税財源を充実させながら、自分たちのところは自分で責任を持ってやっていくという本来の、それこそよく
宮澤大臣がおっしゃっています受益と負担の
関係、できる限りそれに近づけていこう、こういうところに私はやはり持っていくべきだろうと。
その
意味で税源も、ある
意味では、国の収入は二対一、いや、今もう三対二になっているんですか、国対地方は。これを支出ベースで見れば一対二だと。じゃ、支出ベースと同じように税源を移せるかといったら、これは移せない。だから、例えば歳入ベースで一対一にしたらどうだと、こういう
議論というのは出てくると思うんですね。それでなおかつ足りないものはある
程度の
財政移転をするという考えは出てくると思うんですが、しかしいずれにせよ、そういう形へ持っていく。
要するに、今の地方自治体の首長さんは、あるいは議会の
関係者は、霞が関あるいは永田町へ行ってとにかく補助金を取ってくる。そうすると、補助金を取ってきたら、起債をしたらそれに交付税をつけてもらえる。とにかくあれもこれも持ってくればいいという仕組みになっていることを、早く、いや、そういう時代ではもうないんですよと。自分たちの分権というのは、自分たちの税財源をやはり自分たちでつくり上げながら、そして負担と受益の
関係をしっかりと自覚できるようなものに持っていく。
そういう観点に持っていきながら、場合によったら、この地方債のリスクウエート、それは銀行が持っているかもしらぬ、郵貯が持っているかもしれない。これはやはり、国よりも地方自治体の方が一〇%高くしてあったということはそれなりの根拠はあったんじゃないだろうかというふうに思えてならないんです。逆に言えば、ある
程度の
市場からの規律というものが、私はその地方自治体にとってみると大変大きな
影響を与えるのではないかと思うんです。
そういうやり方がいいかどうかというのは
議論はあるかと思うんですが、私はやはりそのことも将来
一つの大きな、私の住んでいる北海道なんかは交付税に一番依存している県でございますから、率直に申し上げて、こういう発言をしていると後でとんでもない仕返しを、厳しい御
指摘を受けそうな気がするんですが、そうしないと、北海道や島根やそういうものがたくさんあるところで
経済がじゃどんどん強くなっていくかというと、率直に言って逆なんですね。こういうところに交付税、そういうものに依存し過ぎるとかえって
経済が力を失ってしまったというこの間の歴史があるものですから、その
意味で、やはりもうそろそろそこはしっかりと。私は先ほど、
宮澤大臣、これからだけでもという
意味じゃないんですよ。特に地方
財政は、あの中期展望で見ても自動的に実は交付税のところが伸びるような仕掛けになっていますよね。そこはもうそろそろ早くそこのところへストップをかけていかないと、もうこの状態は限界に来ているな、あるいはもう限界を超えているのかもしらぬと、私はこういうふうに考えているわけなんです。
さて、そのことに対する答えをいただく前に、
財政の問題まだあるんですが、今度は歳入のところをちょっと考えてみたいんです、税制のところなんですが。
先ほど租税弾性値一・一とおっしゃったわけですね。
景気が今こんな
状況ですから十分税収が入ってくる
状況ではありませんけれ
ども、今の時期にやっておかなきゃいけないのは、将来
景気が好転をしたときに、税収がある
意味では非常に安定的に入ってくる、あるいは
景気が上昇すればそれ以上に税収が入ってくるという、そういう仕組みを今、税制の中に組み込むべきじゃないか。
よく学者が
指摘されているのは、
一つは法人税ですね。それから、所得税の中でも累進税率をかなり緩和いたしました。率直に申し上げて、減税をやった効果というのは一体どうだったのかなというのが、この間の特別減税、今たしか税率が八掛けになっておりますが、こういうものが、とにかく歳入を大きく減らすけれ
ども、決して
消費性向を上げておりませんね。むしろ、
消費性向は横ばいもしくは低下しているわけですね。将来不安もあるんでしょう。
そうすると、今やらなきゃいけないのは、レーガンのときのやり方ではなくて、ブッシュ、ジュニアじゃなくてかつてのブッシュですね。それから、クリントンのときに二段階の税率を最終的には五段階まで上げたんです。これが
景気が上昇したときのいわゆる増収効果になって出てきているわけですね。そういう
意味で、直ちに五段階に上げるということがいいかどうかというのはまだ
議論はあるにしても、この問題が
一つあるし、納税者番号制度の問題もかねて申し上げました。
それと、キャピタルゲインという問題も、実は私
どもは有取税しかあの段階ではなかったと、実質上は、あの八〇年代のバブルのときに。そのときにあれだけの税収があったわけですが、もしあれが、売買高の一%じゃなくて、二六%とは言いません、二〇%の源泉分離課税であったとしたら、一体どの
程度の税収増になってはね返っていたんだろうか。
このことを考えたときに、私は、
景気が上昇するとともに歳入が上昇してくるという仕組みをもうそろそろ
財務省としては考えておくべきときに来ているんではないんだろうか。直ちに上げるということではないんですよ、税収をふやすということではない。
景気が上がってきたときにふやすべきじゃないのか。
それから、もう少し税の話をさせていただきたいんですが、これまた来週になるんでしょうか、租特の話もありますが、住宅税制のところなんか見て、率直に申し上げて、二年、住宅の減税やりましょうということでやりました。半年延ばしました。最近における住宅着工件数というのは、率直に言って、このことによって
最初はちょっと上がったと思うんです。私が統計を見る限り、ずっと横ばいもしくは下がりぎみですね。
ということは、住宅減税というものがありながら、民間の住宅着工というのは率直に言って下がってきているということは、
景気対策としてやるというのは、二年なら二年、二年半なら二年半、その間に集中的にやるから
景気対策になったので、それをちょっと額は下がったけれ
どもまたもう二年間延長する。ほとんど五百万円近い、五百万というのはほとんど僕は実際ないと
思いますけれ
ども、しかし相当な金額のいわゆる住宅税制をやると言っているけれ
ども、こういうのはずっといくと野方図にいって、ほぼ半永久的にいっちゃうんじゃないかという
心配があるんです、この間の税制を見ていると。二年半の特別
措置ですと言っておりながら、これが四年半に延びていく。そうすると、四年半でもだめなら六年半だ、いやもう半永久的だと。
そうすると、平年度たしか一兆円の減税ですよね、これ。住宅
関係では住宅
金融公庫の利子補給もやっている。そしてこういう形での減税もやっている。私は、そこはめり張りをつけなきゃいけないにもかかわらずこういうふうになっているのはいかがかなと。
ある学者はこう言っています。要するに、失業率を
一つの目安にして、ある失業率を超えたらもちろんこれを発動していいけれ
ども、これを下がったらやめるべきだというような、そういう
景気の動向といわゆる
景気対策と称する税収の減税
措置を結びつけたらどうだというような意見も出ているわけですね。
こういったことに対して、
財務大臣、そろそろお考えになって、システムというものを、インフラをきちんと整備しておく、こういうふうにお考えになりませんか。