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国務大臣(
扇千景君) 私が、御存じのとおり、昨年でございますけれども、七月に初めて建設
大臣に任命されました。建設
大臣というポストを
衆議院が参議院に
渡したのも初めてでございました。まして連立の一党でございまして、そこから入るということも初めてでございますし、言いたくないですけれども、女というのも初めてでございます。
それはさておいて、少なくとも私はその
公共事業の見直しをするという一番大事なときに重要な役目をいただいた。私の力ではとてもできないなと思っておりましたけれども、多くの
皆さんの御支援等々、昨年、まず与党三党による
公共事業の見直し、それを断行させていただいて、しかも与党三党のみならず、私は旧
建設省で就任以来、みずから
建設省も見直すべきということで三十四の
事業を出していただきました。そして年末、九月から十二月までかけまして、全国の
事業評価委員会を三百回開きまして、百八十七の
事業を中止いたしました。中止したことは恥ずべきだと、褒められるべきではない、中止せざるを得ないようなものを
事業認可していること自体も私は恥ずべきことであると申しました。
まして、今回の
公共工事という今の
先生のお言葉の中に、私が就任しましたときも、あらゆる野党の
先生にもマスコミにも、
公共工事というものの上に全部冠がついておりました。丸投げ、談合、ばらまき、
むだ遣い、必ず言われまして、
公共工事というものは
国民に喜ばれる真にありがたいと言われるようなものが
公共事業であるはずなのに、私が就任したときにはすべて冠がついて、よくない冠で言い続けられるということが本当に残念だったんですね。
そして、まず就任で私は調べましたところ、少なくともフランス、ドイツ、イタリーには
公共工事の基本法があるんです。悪いと言われるのにその
公共工事の基本法すら日本には一度も
論議されたことがないということが初めてわかりまして、本来であれば、
山下先生御専門で今までここにずっといらっしゃるからおわかりでしょうけれども、閣法で、しかも
公共工事はあらゆる省庁がしょっていますから、これ閣法で出そうと思ったら最低五年はかかると私言われました。
私は就任させていただいて、非力な者がなった以上、私素人ですから、やると言ったらやりたいとわがままを申しましたけれども、その当時の森総理は本当に協力してくださって、総理の命令で全省庁が協力しろと御命令いただいたために、私はわずか三カ月で
公共工事の入札と契約に関する適正化法、まさかと思ったのができ上がりまして、
皆さんに御
論議いただきました。
そして何よりもありがたかったのは、十二月の最後の臨時国会で、この
公共工事の入札と契約に関する適正化法を自民党から共産党まで賛成していただいて、全会一致で
法案として成立させて、これ日本で初めてでございます。
皆さん方に私は納得いただき、それがこの四月の一日から施行されるようになりました。
ただ、残念ながら、全国の市町村にこの網がかかるんですけれども、まだ市町村ではこの
法案の
中身についてきちんと把握していないところがあるものですから、私は、この二月から四月にかけて、全国十ブロックに分けて、この
法案の施行に関しての地方の認識と、そして二度と丸投げ、談合、ばらまき、
むだ遣いがないというふうにしていきたいと。
そして、もしそれを見つけた人は必ず通告しなければならないという、
法案の中に明記してありますので、これは公取にも全部通知しなければいけないという通知義務も課してございますし、
法案の中には
先生御
論議いただいて御存じのように、電子入札というものも書いてございます。電子入札するようになったら、全く
透明性があって、もうそういう丸投げ、談合ができなくなるようなことになってしまう、自動的に。
ですから、現
段階では、四月一日からですから、まだまだ丸投げ、談合が新聞記事に載ることもありますので、徹底はできていない部分はあるかもしれませんけれども、原則的にいえば、この
法案によってすべてそういうものを排除するための、あるいは公正中立、そしてだれが、いつ、どこへ、どんな
金額で受注したかも明記しなければならないようなものにさせていただいた。これだけで私は
公共工事の適正化ができたとは思っていませんけれども、少なくとも根本というものを御審議いただいたことで本当に私は
委員会の
皆さん方に心から御礼を申し上げておりますし、まさに二十一
世紀型の
公共工事の基本法を御認識賜って、今後、
皆さん方の、
先生のお地元でもぜひこの
法案の御
説明をしていただきたい、できれば私はそれが一番ありがたいと思っております。
先ほど、
先生が私が今までのことを捨ててとおっしゃいましたけれども、私は二十
世紀の
公共工事を捨てろと言っているわけではありません。二十
世紀は
公共工事で今日の日本ができたんです。それを二十一
世紀にも使えるように品質保持をする、新しいことには着手しないまでも、二十
世紀につくった
国民の財産は大事に使う方法を考えましょう、それに環境問題とバリアフリーを加味しましょう、そういうふうに申し上げているんで、せっかく税金でつくった
公共工事を捨てるという意味ではありません。大事に使おうというふうにぜひ御
理解賜りたいと思います。
今回のこの
土地収用法によりまして、先ほども
松谷先生の御
論議にありましたように、よりスピーディーに、より
国民に喜ばれる
公共工事をしていきたいというのが基本的な線で、むだを省くというのは当然この
法案の
趣旨に入っておりますことなので、ぜひ御
理解賜り、またいろんな点で、緑のダムというお話がございましたけれども、河川も日本は直流でいくと傾斜が多いので、これは昔のように蛇状と言っちゃ悪いでしょうか、曲がりくねった川にして、それぞれの特徴を大事にしていこうというふうには考えております。
ただ、問題は、一点だけ申し上げます。昨年、名古屋の集中豪雨がありました。あのときに新川、庄内川のはんらんによってあっという間に名古屋の住宅地が浸水いたしました。これがまさに都市型の浸水でございました。ですから、そういう意味では、
先生も治水、利水とおっしゃいましたけれども、利水は工場が開かれなかったので減ったところもありますけれども、治水に関しましては国として万全を期すというのが
国民の安全生活のためには大事なことであるので、ただ見直すというだけではなくて、治水だけは私はぜひ大事に考えていきたいと思っております。
また他のことに関しては、長くなって済みませんけれども、御質問に答えたいと思います。