○井上美代君 私、
大臣の今の答弁をお聞きしまして、
大臣のリストラに対する
現状認識というのは甘いんじゃないかなという気がするんです。経済
動向と
年金とは別だというふうに言われたんですけれ
ども、それは今つくっているところでは別に
考えながらつくっておられるというふうに思いますけれ
ども、これはいつの時代でもやはり経済と密接にかかわっていくというふうに思うんですね。
だから、やはり
企業の側が今生き残るために物すごいコストダウンをやっているでしょう。そしてまた、それが必要だということで、首切りだとか賃金カットだとか、そういうものをどんどん進めているわけです。だから、
企業年金についても、
厚生年金基金それから適格退職
年金の解散、
給付切り下げが非常に急増している。これはまた私、先日この
委員会で
質問いたしましたときに明らかにいたしました。
こういう中でこの
確定拠出年金が
導入されれば、
企業の側というのは、
確定給付の方は切り下げるけれ
どもかわりに
確定拠出を
導入するから我慢しなさいということで、結局、言ってみればそういうふうに
労働者に迫っているということになるのではないか、
確定拠出年金は
確定給付切り下げの言ってみれば手段になっていることが明らかではないかと、こういうふうに思うんですね。やっぱり推進しようという頭をちょっと
考えを変えてほしいと思うんですけれ
どもね。私はそういうことだというふうに思うんです。
結局、
企業がリストラの手段を新たに得るという、そういうことだというふうに
考えます。だから、
労働者にとっての
選択肢とはなり得ない、このことをもうはっきりと申し上げておきたいというふうに思うんです。ぜひ
労働者のことをまず
考えていただきたいというふうに思います。
次に進みますけれ
ども、
確定給付型の
企業年金から
確定拠出年金への移行についてなんです。その移行する場合について
質問をしていきたいというふうに思うんです。
移行の仕方にはさまざまなケースが
考えられますが、大きく分ければ、
確定給付型の
企業年金を解散して全部丸ごと移行する場合、そしてもう
一つは
部分的に移行する場合があると思います。
この
部分的に移行する場合についてですけれ
ども、これは関西経営者協会が昨年の九月に「
日本版四〇一k
制度のあり方
導入における留意点と
制度普及のための視点」という、そういう報告書を出しておられますが、そこに詳しく書いてあります。
それによりますと、大体次の三つがあるということなんですね。
一つは、新規採用の
従業員からの
導入をさせる。これは意外に簡単なわけですよね。そして二つ目が、各
従業員について今後の将来期間分からの
導入。だから、将来、これからですね、今後の将来期間分からの
導入をする。三つ目が大変なんですが、
企業年金などの過去期間分に係る
年金資産等を
個人ごとに分配し
日本版四〇一kに
移換する場合。この三つがあるというふうに関西経営者協会は言っておられます。
そして、アドバイスとして、新規採用の
従業員からの
導入は既得権などの問題が発生することがないために
労使合意が容易である、こういうふうに述べて、その一方で、現行
制度を廃止して移行する場合は
労使交渉がかなり難しくなるので
部分移行の方がまとまりやすい、こういうふうにアドバイスとして言っているんですね。
私は、
労働者が既得権と
考えるのはもう当然のことだと思います。過去の期間分の
年金資産というのは、将来その分は約束された
給付をもらえるものとして積み立てられてきたものだからなんです。この
部分、過去の期間の
部分、その
部分については
給付の引き下げを私は禁ずるべきだというふうに思うんです。もう約束違いなんですね、約束違反なんです。だから、これは禁じるべきであるし、
確定拠出年金への移行も禁ずるべきだというふうに思うんですね。この辺をお聞きしたい。
ところが、政府というのは、移行を禁ずるどころか促進する仕組みを
導入しようとしております。積立金を移行する場合の税制上の優遇措置ですけれ
ども、これはどういう仕組みか、仕組みも含めまして参考人にお聞きします。