○井上美代君 私は別の法律をつくってほしいと思っておりますけれども、
通達を四月の初めに出されます。その
通達の中に私はこういう問題について明確に入れていかなければいけないんだというふうに思っております。だから、ぜひ私は
通達の中身に入れていただきたいと。
私は重ねていかに大変かということをお話ししたいと思いますけれども、
労働時間の管理も
把握もしていない、それどころか、今月は○○時間以内でとか、そしてまた
労働者になぜ残業をやったのかの理由を書かせて自己申告させることで自重させるという、こういう実態も調査の中では浮かび上がってきております。
私、ここに静岡のスルガ銀行の資料を持っています。昨年十一月、磐田支店において恒常的長時間残業が行われ、相当額の残業手当が不払いになっているということで、
労働者が労基法違反の申告を労基署に出しています。九月だけでもそれぞれの
労働者が三十二時間、二十一時間、十九時間など不払い残業があるということを出しているんですね。このスルガ銀行というところは、この三
年間に各支店で労基署調査が四回も入っているところです。それでも
サービス残業があちこちの支店で起こっているという非常に悪質な銀行です。
ある女性社員が比較的早く帰った翌朝言われたんですけれども、要領ばかり言うのが
仕事じゃないとほかの
従業員の前で厳しくしかられて、また今度は支店長が支店長代理を呼び出し、そして時間外手当の請求が多いことについて、権利を主張する前に成果を上げるようにと、こういうふうにしかりつけたということなんです。
従業員がもうとても時間
外労働をやったことを請求できないと。そういう抑制心理状態に追い込まれ、そういう職場につくられているということですね。毎日八時ごろに帰る支店長より先に帰ると熱意がないと、こういうふうに注意をされるということなんです。
私は、ここについても、勧告がどうなったのか、またバックペイがどういうふうになっているのかというのは、きょうは時間がありませんので、またお聞きしたいというふうに思っております。
先日からいろいろ
答弁の中に
通達というのが出てきているんですけれども、
サービス残業については我が党の追及によって五年前の
平成八年に当時
労働省の
労働基準局長の松原亘子
局長が出したのが初めてなんですけれども、根絶どころか広がっている事態というのはおかしいと思うんです。既に
通達を出していたんです。
松原
通達は、
事業主に「御協力をお願い申し上げます。」と、こういうふうに言って終わっているんです。私は、お願いするという
通達ではだめなんだというふうに思うんです。明らかに法律違反を目の前で行っている者に対してお願いしてどうすることができるんでしょうか。私は、きちんとやっぱり
指導をしなければいけないと思うんです。
今度出される
通達の
内容ですけれども、
労働時間の
把握ということで、タイムカードだとかICカードの適切な利用などの方法を示すということをお聞きしておりますけれども、私は、改ざんや不実記載を許さないことが
サービス残業を根絶する上でのもう決定的な条件だというふうに思うんですね。
だから、
衆議院で二十二日に我が党の木島議員に答えられたのがあるんですが、
労働者がチェックできる仕組みをつくることを求めたのに対して、
労働基準局長が、
労働者がチェックする仕組みをつくらなくても問題は起こらない、それぐらいの責任を
使用者に果たしていただくのが基本だと、こういうふうに
答弁をされているんですね。
でも、これで、じゃ今申し上げましたこの大変な
状況が根絶できるかというと、私はできないというふうに思うんです。そのことは私どものこの調査の中でもはっきりしているわけです。その一カ月の手当額が決まっていて、その範囲内で申請しているのに、早朝はだめだとか三十分程度はだめというふうにして受け付けてもらえず、そして
サービス残業になっているとか、それから残業代が五時間で打ち切り、特別な事情のときは請求すれば出るということで
仕事をしていますが事務の係のところで打ち切られてしまうんですと、そういう声がもう
本当にさまざま、各地から上がっているんですね。これは六百三十三人の、自分が書いたそういう記録も一緒に上がってきているんです。
だから、そういう
意味でも、こういうのがいろいろ出てくるんですけれども、
労働者の自己申告ではだめだし、申告しても改ざんされるという事実があるわけですね。そのためには事業所が
労働時間の始まりと終わりなどについて時間管理を行うことを義務づけ、せめて
労働者がその時間管理台帳について自由に閲覧ができるようにする、これがやはり改ざんを許さない仕組みをつくるということになるんだと思うんです。だから、私は、ただこの
始業と
終業の時間をきちんとするだけではなくて、改ざんを許さない仕組みを
通達に盛り込んでいただきたいというふうに思いますが、
大臣、いかがでございましょうか。