○大島慶久君 今、
大臣から極めて前向きな御
答弁をいただけたと私は承知をいたしましたけれども、今、
大臣のお言葉にもございましたように、この色覚異常というのは、そういった遺伝子を持っている方たちにとっては我々健常者ではもう想像のつかないぐらいの、特に就職時あるいは結婚という場合、女性が因子を持った場合はほとんど遺伝をしていくわけでありますから、そういう観点から、今、雇用というものが社会問題になっているときに検査項目の中にこういったことが入っているということは、むしろ人権問題、社会的差別につながる大きな要素を持っているんじゃないかと、こんなことを危惧してきょうは質問をさせていただいたわけでございます。
どうぞ、その項目をどうするかということも含めまして、今、
大臣に御
答弁いただきましたように、これからも真剣に取り組んでいただいて、近い将来どうしても必要な場合は、それは雇用される方とする側がよくお互いに話し合って納得ずくでそれを判定するに値する検査方法で検査をされるべきことでありまして、すべて過去がそうであったからこれからもそうするんだというふうなことは、ぜひ私は改めていただきたい。
きょうのところはこの件に関しましてはこの
程度で質問を終えたいと思いますが、どうぞ
大臣、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
それでは、最初にしたかった質問でございますけれども、
大臣にまず総論的に
お答えをいただきたいと思います。
二十一世紀を迎え、我が国の
社会保障制度は、これまでの歴史で
経験したことのない大きな転換期を迎えております。人類がかつて
経験したことのない、しかし世界に誇るべき長寿社会を迎える一方、経済成長の鈍化、現下の厳しい財政
状況、家族形態の
変化、雇用形態の変貌、
国民のニーズの多様化など、目まぐるしい社会形態の
変化のうねりの中でいかなる
社会保障制度を築いていくかということが問われている、私はこう思うのであります。
この課題をいかに克服していくか。そして、今世紀の
国民生活、そして我が国の将来を決すると言ってもいい
社会保障制度の問題を、しっかりと
大臣は先頭に立ってお取り組みをいただきたいと思うわけでございます。
このため、全力をもって、将来にわたって安定的な
年金制度、
国民が安心して生命と健康をゆだねることのできる
医療制度、老後においても人間として誇りと喜びを持って暮らせる
介護制度などを構築し、
国民の安心を確かなものにすることが求められていると思うわけであります。
また、このような
制度を構築していく過程で忘れてならないのは、
社会保障制度がその受益と負担の主体である
国民のために存在するということであります。いたずらに財政事情からのつじつま合わせに目を奪われることなく、
国民の視点から
国民の幸せのため粘り強く論議を重ねる必要があると思います。
社会保障制度は、時に既得権化したり、時にはモラルハザードを引き起こしたりする危険性をはらんでいることは否めませんが、二十一世紀の
社会保障の展望を開くため、私たち政治家は、党派やあるいは利害の枠を超え、我が国の未来を切り開く決意を持って改革に取り組む責任を負っていると
考えるわけであります。
さらに、重要なことは、
社会保障の未来を形づくるために
社会保障の原点に立ち返る、そういう必要があるということであります。
社会保障は、人間の生涯で直面する疾病、老齢あるいは障害などの困難に陥った人を社会全体で支えていくセーフティーネットとして、また
介護や育児のサービスを家庭から社会全体で担うための社会装置として機能しているものであります。まさに人と人とのつながりを形にしたものであります。このような
社会保障の役割をしっかりと見据え、確固たる信念のもとに改革を断行することこそ、
国民が
社会保障を担う
厚生労働大臣に強く期待しているものと
考えるわけであります。
そこで、
坂口大臣は、長きにわたり
社会保障に携わってこられた
経験をお持ちであります。改めて
坂口大臣自身の
社会保障に対する哲学あるいは基本理念をお聞かせいただくとともに、その哲学、基本理念に基づいて今後どのように
社会保障制度に取り組まれるおつもりなのか、
大臣の御決意を承りたいと存じます。