○水野誠一君 今、情報公開についても上場会社並みの情報公開をするというようなお話もございました。ただ、私はこの財務諸表、これを公開しても恐らく一般の方というのはほとんどそれから読み取る、からくりといいますかその仕組みを読み取ることというのはほとんどできないと思うんですね。
堀内さんのレポートの中にも、例えば
一つの例としてアブダビ
石油とムバラス
石油という二つの会社の不透明な
関係というのが書かれておりまして、このアブダビ
石油というのはアブダビで
石油を生産するために
民間会社がマジョリティー、つまり大半の株を持って設立した会社であって、
平成十年度の剰余金は三百六十六億円という
石油公団自慢の優良会社であるともされているわけであります。ところが、アブダビ
石油の子会社としてムバラス
石油という、これはまさに従業員三名という子会社、ペーパーカンパニー、これがあると。こちらは
石油公団が四四%の株を持つという、まさに株式
構造が入れかわっているわけなんですが、ムバラス
石油というのは、まさにアブダビ
石油が本来持つべき経費をほとんど肩がわりしている。
石油の採取コストのほかに一般管理費や利権料まで、こういうものを全部かぶってこちらの
企業が大変な大きな赤字を生み出している。累積赤字も大変な巨額になってきているわけであります。
恐らく、これは二〇一二年には利権が切れるわけでありまして、これはムバラス鉱区の期限が来るということで、恐らくそれ以降の継続が難しいということになれば、そこで会社の清算に入るということになると、ここでまたムバラス
石油に対して
石油公団の出資分の棒引きであるとかそういうことも含めて巨額な減免措置がそこでとられることになるであろう、こういうふうに書かれているわけです。
これなんかもある
意味において、話を聞けば非常にわかりやすいペーパーカンパニー活用のテクニックなんですね。やはり、言ってみれば情報公開というのはこういうところまでされていく中で、それでも
日本の
石油行政のために、
政策のためにこれはしようがないと国民が
判断するか、あるいはやはりこれはちょっとおかしいじゃないか、もっと透明な公明正大な資金の投入の仕方というのがあるんじゃないか、あるいは指導の仕方というのがあるんじゃないかと。こういうことを堀内さんがこういうところで発表なさらないでも国民が
判断、診断できるような仕組みというのがつくれて初めて
石油公団の業務改善、
構造改革というものができていくんじゃないかなと私は思うんですね。
そういう視点から、私はこの問題の本質の中に、堀内レポートの中でもおっしゃっていますが、いわゆる天下り
構造、つまり
石油公団自体にも通産省OBの天下りがあるわけですが、さらに
石油公団の出融資先
企業ですね、ここにも多くの通産省OBが天下っておられると。
こういう中で、通産省、
石油公団、そしてさらにその先の
民間企業というところでの相互チェックがきかない仕組みになっているんだと、この問題があると思います。これは
石油公団だけではない、本当に特殊法人に共通する問題点でもあると思うんですが、最後に私は、天下りの
実態、そしてそれがこういった
指摘以降改善されてきているのか、あるいは今後どういうふうにしようとお考えになっているのか、
経済産業省の
認識を伺いたいと思います。