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国務大臣(
田中眞紀子君) 来ておりません。
それで、私はそのことを、今回ずっとこの経験をしていて、きのうの朝になりまして、週末で頭がやっと少しゆっくりしたものですから、よく全部プロットを自分で
考えてみまして見直した結果、そうだと、その決裁が私に来ていないということに気づきました。
いろいろな局面がありますから、まずこのASEMの問題ですね、北京でのこと。これが一番象徴的なことでして、その中でイタリアの
外務大臣と何を言い、次はドイツと何を言い、そのほかいっぱいあったわけですけれども、これを初めから、ワーキングランチというのがあります、ランチもディナーもあったんですが、そのときに、各国がミサイル防衛について、どことは申しません、相手の都合がありますから、そういう話が出ました。それに中国が答えました。
そのときに、通訳は私は必要ないと言ったのに、中国の方には女性の通訳がいましたが、
あと全部、こういう円卓で御飯を食べて、お料理が出たので、二時間もおくれたんです、前の会場で機械の故障があって、バスで全員がその食事をしに行ったわけです。そして、そこで私は通訳は要らないと、食事でこの程度だったら私でも大丈夫だからと申しましたんですが、振り向きましたらちゃんと後ろにおりまして、いや、ノートテーカーですから気になさらないでくださいと。課長補佐だそうです。そのときに私は何度もいいと申しましたんですけれども、とにかく絶対要るんだから気にしないでほしいと言われて、ああ、これよくないと思ったんです。
そこで私が発言したことというのは二つしかありません。それはジョークです。ミサイル防衛については、ある国の方がおっしゃったのは、これはたまたまASEMというのは、
ヨーロッパの
外務大臣及びアジアの
外務大臣が出ているのであって、
アメリカが来ていない。そして、今回三回目でしたか、今回のASEMはたまたま北京である。この問題が、中国であるから中国の幹部もおられるので、これだけごちそうをいただいて歓待をしていただいているけれども、みんなが仲よく平和で暮らすために
意見を言いたいといって複数の国の方
たちが話されました。私はそこでは発言していません。
その記録を全部きのう出してくれと言いました。なかなか出しませんでした。出てくるのは、
委員会があったりしますから、短い時間でもうみんなで右往左往する。私とディーニのものばかり持ってくるんです、ディーニ
外務大臣ばかり。それも全部が事実じゃないんです。なぜそればかり出てくるのか、トータルのものが、ノートテーカーがいたじゃないかと。今も完璧なものは来ておりません。
大変なせめぎ合いをやっています。これはほかのだれが言ってもだめなんです。
国務大臣が言わなきゃ出さないんですから、
国務大臣は残念ながら私しかいないそうですから、
外務大臣は。どんなに副
大臣が強要しても出さないんです。相手は人数が多いんですから、ああだこうだ、ああだこうだ言って、私の政務の秘書さんも行かせて、そこでとっていらっしゃい、コピーもらっていらっしゃいと言っても、時間切れですよ、私は次の会があっていろいろ動くわけですから。
それで、見ましたら、何だ、違っているじゃないかと。それについては、ああ済みません。なぜあなたはこのイタリアのことばかりしか出さないんですか。ちょっとかわいそうだと思ったんです。事務官は若い人で、ちゃんとした若い、将来ある官僚ですけれども、その方を呼びました。顔が引きつって、かわいそうでした。その人を
大臣が叱責するなんてやっちゃいけないと思いますよ、将来ある人を、かわいそうじゃないですか。私だって情がありますよ。ですけれども、聞きました。本人はもう本当に目が点になっていましたね。困っているんでしょうね、あちこちからいろいろ言われて。
それで、かなりのものは手に入れました。そして、中身が違うところもあります。ただ、私がジョーク二つしか言っていない、そこで私がミサイルについて話していないこと、それは証明されました。だけれども、相手があることですから、じゃ、それを
情報開示しろと言われても、これは
外交が全部吹っ飛ぶことになりますから、できないと思います。
それから、イタリアの首相も二月に──これはNHKに確認とりました、私と話をしているときに、私、彼に下がってくれと、二メートルぐらい後ろに下がってくださいと言ったんですけれども、下がっていたかどうかは私は後ろに目がないからわかりませんけれども、話をしていましたから、二月に
アメリカに行って、
アメリカの
政府と話したときのことについて極めて熱心にイタリアが話し始めました。私もそれに返事はしましたし、これから
アメリカに将来行くことになるだろうから、どんなだったかということも伺いましたし、サミットもあるし、私はニューフェースですから、ニューフェース・ウイズ・オールドネームといって雑誌に
アメリカで紹介されましたけれども、ニューフェースですからいろいろ聞きたかった。私から聞かなくても、ほかの国からそういうメッセージが発信されている。バイのこの豪州についてもそうですし、ほかの場合も一々申しません。
ですから、状況が違ったことが言われたので、こちらから尋ねないのに、
ロシアの問題は今
お尋ねなかったですけれども、前総理のテレビでの発言に対して、五月十四日付で
ロシアの
外務省が否定をしていますね。
それから、ダウナーさんに、オーストラリアについては六月四日付であちらがすぐに反論してきていますね。
アメリカに伝えるだとか、あるいは
田中さんがそんな発言したなんてことを元総理には言っていないと。前総理と元総理です。
それから、次の六月七日にはイタリアから、あちらから発信してきています。そうすると、今度はメディアが、次はこの国はどうだ、この次はどうだと言うので、六月八日付で今度はドイツ側から、こちらがお願いしたらすぐ
大使館からぱっと返事が来て、事実ではないと。事実ではないというよりも、かなり強硬な、
外務省は優しい表現を使っていますが、英語をいろんな辞書を引いたり専門家のネーティブチェックをしますと、捏造であるとか虚構であるとか作り話だ、うそだというような激しい言い方で、
日本のメディアといいながらも、そうしたことを言っている人
たちに対して、それは官僚であり元総理かもしれません、わかりません、それらに対して根拠のないものであるということを明言いたしますとイタリアも言っております。
それから、ドイツに至りましては、ケストナー
大使を通じて、貴国の安全保障、
日本ですね、にとって
アメリカが有する持続的な重要性に疑問を呈するような発言は行われなかったことを確認いたしますと。私と二人での話です。これはASEMの中で二人での
会議もしています。
そこで、向こうも何人か役人がいて、こちらも役人がいて、両方の国のマスコミもいる前で大きな声で話をしているんですから、それを確認しているんです。なぜそれが、どうして違った形で行くのか。ノートテーカーがいて、通訳の仕事もしないでノートテーカーがそこで間違えているのか、それをすぐに見た所管の
局長なのか、その後は先ほど官房長が言われたようにいろんな人が見るそうですから、どういう意図でマスコミに流れるのか不思議です。ですから、今後
アメリカに行くについても、私は北米
局長にお話ししていますよね、複数の通訳、複数のノートテーカー、それを私は提案しています。
そして、私が見なかったものは絶対出さないように今度します。そうしないと、こんないたずらをされて、
日本の
外交が不信感を持たれるし、私はこういう国に対してすぐにお礼のファクス、それから手紙を発信しています。ありがとうございました、私の政治生命、
日本の
外交に対する不信を払拭する手だてを打っていただいてありがとうございますということをすぐに発信いたしました。
同じことが二度と起こってはいけないし、このことを今現在、事務方なんということではぐらかさないで、責任ある
立場にいる人
たちがどう思うのか、どういう態度を自分がとるべきなのか、みずから。そして、これは将来
日本の
外交を担う若い方々に対して大変失礼なことを今
外務省の幹部がやっているということを自覚していただきたいし、自分から願わくば名乗り出るなり、自己処理をしていただきたいというふうに思っています。