○田英夫君 先ほどから同僚
委員が既に触れておられますので、通告をしておきましたけれ
ども、
アメリカの原潜の突然の寄港の問題その他、大変
アメリカにかかわる残念な問題が頻発をしていると思います。
まず第一に、ほかは触れないとしても、
アメリカと
中国の軍用機の衝突、墜落事件といいましょうか、この問題は触れないわけにはいかない。これも内容については申し上げませんけれ
ども、何かブッシュ政権になって特に目立つわけですけれ
ども、
アメリカ政府というのはまるで
世界のやんちゃ坊主のような印象を受ける。
地球温暖化防止のための京都議定書に対する態度もしかり、今度の海南島付近のあの空軍機の問題も、いわば
中国からすればといいましょうか、客観的に見ると、他人の庭先に来てのぞき込んで家の中がどんなになっているんだと見られれば、その住民は嫌な気持ちになるのは当たり前で、何の必要があってそういう軍事行動をとるのか。一方で、地球温暖化の問題については、国益優先主義をとる。軍事的な問題とかあるいは人権の問題などだと
自分の物差しではかって、それに合わないものは干渉する。
アメリカという国はそういう国ではないかと思われても仕方がない。一方で、もちろん一人一人の
アメリカ人はまことにいい人たちだと私も思います。
防衛庁長官がおいでですから、ちょうどカウンターパートになるラムズフェルド国防
長官、お父さんの方のブッシュさんのときの大統領補佐官、安全保障問題の補佐官、そして国防
長官という
時代にお会いしたことがありますけれ
ども、実に切れ味のいい、まさにいい人だと思いますが、その人が加わった今度の
アメリカ政府というのは、非常に危険だという印象を持たざるを得ない。
小さな新聞の切り抜きを、新聞を読んでいたら、
アメリカについての世論
調査というか、
調査の結果が出ていて、ロイター通信が伝えたものですが、
アメリカの男子
高校生のうち五人に一人は過去一年間に学校に武器を持っていったことがあるという結果が出ていると。全米の十代の少年少女一万五千人を対象にした
調査ですが、男子
高校生の二一%、男子中学生の一五%が銃やナイフなどを持ってこの一年間のうちに学校へ行ったことがあると。
アメリカ攻撃をするつもりはありませんけれ
ども、もう御存じのとおり、
アメリカには銃器を禁止してはならないという憲法がありますね。これはまた西部劇じゃありませんけれ
ども、
アメリカの歴史を見ればそういう憲法があることもうなずける。
自分の身は
自分で守れ、こういうことだと思いますが、それを
世界に向かって広げられてはかなわない。こういうことをまず申し上げておきたいんです。
きょう、私が取り上げたいのは、そういう
アメリカというものとまさに軍事同盟という日米安保条約を結んでいる。このままでいいのかということを、今、吉岡さんも言われたけれ
ども、ちょうど五十年というこの節目で、二十一世紀の初めに
考える必要があるんじゃないか、冷静に
考える必要があるんじゃないかと思うんですね。
まず第一に、国の安全を守るための安全保障ということについて、日米安保条約のような、二国間軍事同盟というとまた先ほどからの議論が出てきますが、まさに二国間の軍事同盟というこういうものでいいのか。そこから
考えるべきじゃないか。
世界の趨勢は、集団安全保障機構をつくっている、つくりつつあるとこう思いますよ。そして、それが国連の手によってできたら、これも吉岡さんがいろいろ言われたように、安保条約十条の規定のとおりになってくるわけですから安保条約は要らないと、こういうことになってくるので、むしろ国連のそういうものをみんなで目指すべきだと。
一つ今、アジアで見るとARFというのがありますね。既にこれは非常にいい機能をしている。一方で、ASEANプラス3というのが出てきた。これは
アメリカが入っていないわけですけれ
ども、この間、
外務大臣もこれを非常に評価されていたと思います。
ことしの一月に社民党の代表団が
中国を訪問したときに、帰途、まさに今問題の海南島へ行きました。そのときに
中国側は、ここをASEANプラス3の中心にしてもらえないだろうか、事務局をここに置いたらどうだろうかという提案をしております。そういう動きも
一つの集団総合安全保障の
考え方だろうと思います。
実は、あの周辺は非常に、今度もああいう事件が起きましたが、きな臭いところですね。南沙諸島があったりあるいは資源があったりして非常にきな臭いところであるだけに、そういう集団安全保障の場にしたらいいというのは注目すべきことだと思うんです。
まず伺いたいのは、その日米安保条約、二国間条約というものでいいんだと、
日本政府は、基本的にもう今後もそれでいいと思っておられるんですか。