○栗原
委員 栗原でございますが、質問の機会をお与えくださいまして、まことにありがとうございます。
まず私は冒頭に、野党席にいらっしゃらないこの
状況を見まして、大変嘆かわしいと思っております。
また、最近この
委員会の
議論を通じますと、野党やあるいはまたマスコミが、米国の潜水艦におきます事故の中に総理がゴルフをしておられたということで大変攻撃をしておりますが、問題は、その潜水艦の中で
民間人が操縦をしておってそしてあのような痛ましい事故になったということが、何かすべて森総理に対するバッシングになってしまって、大変私も残念と思っております。私は、総理におかれては、起きてしまったことはもうどうにもならぬことでありますから、遺族の
皆さんのお気持ちを察しながら、日本国の総理として米国と常に交渉に当たられることを期待したいと思っております。
また、我々はやはりこの
予算委員会で一刻も早く
予算を通過させまして、今国内、大変景気が低迷している感がございます、まず
予算を通過させることが
予算委員会の使命であると私は思っておりまして、そのためには、森総理に対して激しい攻撃をしながら、党利党略といいましょうか、あるいはまた選挙に有利になるとか不利になるとか、そんな
議論で一国の総理の立場を批判してはならぬと私は思うんです。何としても、総理は、やはり信義に基づいて、
国民の幸せのために堂々と職務を遂行していただいて、そして、
国民が本当に期待し納得する政策の実現を期すことが必要だと私は思っております。
さて、私は、きょうは
自由民主党の割り当ての時間があと二十分しかないようでございますので、端的に御質問をさせていただきます。
まず、今我が国で、緊急輸入制限、要するにセーフガードということで、繊維のセーフガードと野菜関係のセーフガードが
議論されております。特に、繊維につきましては、地方の農村と経済とは一体的でございまして、繊維産業と、米を初めとする価格の低迷している農村がリンクしているわけでありまして、そこでまず繊維問題からお尋ねしたいと思っています。
昭和四十三年にニクソンさんが大統領に出馬したとき、日本からの繊維攻勢を規制するということを選挙公約にいたした。日米の繊維問題がそこから派生して、そして国内の繊維業者も大変大きな痛手をこうむって、その犠牲のもとに今日の繊維があるわけであります。
しかしながら、今我が国の繊維産業の約一割がこの繊維製造業に携わっておりますし、約百六十万人の雇用があるわけなんです。ところが、最近は、中国を初めとする各国から安い品物が洪水のごとく入り込んできている。そして、それも毎年一五%ずつ前年度比で入ってきている。こういう中において、国内の繊維、アパレル産業は、もはや太刀打ちできない。
タオル業界でも、今セーフガードの要請の準備をしているようでございますが、実は私の選挙区は見附市、栃尾市、加茂市など戦後の経済復興に大変大きく貢献した、まあ五泉市もあるわけですが、貢献した地域でございまして、そこが今大変な
状況です。
例えば、こんなことを申して大変恐縮でございますが、私の
地元の見附市では、実は昨年の十月前後二カ月間で、繊維産業の経営者約八人の方が自殺されました。これは大変なことなんです。
私は、その自殺の原因というものは、警察の発表な
どもあるようでございますが、それは別といたしまして、私
ども地元の
新潟中央銀行が破綻しました。この地域は、
新潟中央銀行と取引を大変していた地域であります。あるいはまた、そごうが倒産しましたから、アパレル関係の発注もその影響を受けておったと思うのですが、本当に残念なことは、私も暮れに町を歩きまして、お亡くなりになった忌中札が立っているわけですね。まさしく自分の命にかえて家族を守ろう、そして企業を守って、働いている職員を守ろうというその行為に、私は大変胸が痛むわけなんです。
それだけやはり繊維問題は深いのでありまして、繊維問題も、国内の業者が中国を初めとする地域に技術的な指導をして、その反面、それがまた日本に入ってきているという点もありますけれ
ども、ただニット関係は、もはや輸入浸透率が九五%くらいだという
状況です。
そこで、
地元の企業も一生懸命新しい製品を
開発しながら、何とか逆に輸出をしようという努力はしております。しかし、やはり業界としては、もう努力しても努力をし切れない点もあると思うのですよ。
今、宮澤
財務大臣がおられますが、たしか宮澤
財務大臣は、
昭和四十四年の佐藤
内閣の改造のとき、一月十六日だと思うのですが、通産
大臣におなりになりまして、ジュネーブに飛び、あるいはまたワシントンに飛んで、日米交渉に大変お力を示されました。また、先ほど質問しました
田中眞紀子先生のお父様は、翌年には通産
大臣になられて、これまたアメリカとの交渉に当たられて、日米の繊維協定の締結に至ったわけです。私、今ここで質問をしながら、この歴史の中における、大変やはり
一つの縁を感じているわけです。
そこで、繊維問題はセーフガードでも数量規制だけだと伺っておりますが、まずこの点について平沼
大臣から、この繊維に対して今後どのように政策的にやるか、あるいはまたセーフガードはどの程度
考えられるかということをひとつお聞きしたいと思います。