○松浪
委員 保守党の
松浪健四郎でございます。
質問をさせていただきます前に、一言おわびの言葉を申し述べさせていただきたいと思います。
昨年の臨時国会におきまして、私のとった行動は、院の品位を汚し、そして国会を混乱させたということで、懲罰
委員会にかけられまして、登院停止二十五日間という処分を甘受させていただきました。
国民の皆さんと議員各位に対し、心からおわびを申し上げたいと思います。心を新たに、
政治家としてこれからも一生懸命
努力をさせていただきたい、このようにお誓いを申し上げたいと思います。そして、早速、きょう、こうして
予算委員会で質問の機会を賜りましたことをも御礼申し上げたい、こういうふうに思うものであります。
それでは、質問に入らせていただきたいと思います。
ブッシュ・
アメリカ大統領は、ジョージア州の
米軍基地で行った演説の冒頭で、悲劇的
事故で行方不明になっている人々のために祈ってほしい、
行方不明者とその
家族、我々の友人である
日本国民のために祈りをささげよう、このように呼びかけられました。この思いを真摯に受けとめさせていただきたい、こういうふうに思います。
事実は小説よりも奇なり、このように申しますけれども、過日のハワイ・オアフ島沖での宇和島水産高校の実習船の
事故はまさにそのような
事故ではなかったか、こういうふうに思うわけであります。
負傷された皆さんの一日も早い御回復を御祈念申し上げ、そして皆様方にお見舞いを申し上げたい、このように思いますと同時に、いまだ行方不明になられております九名の皆様方が本当に無事であられますように、私は心から願いますし、恐らく
国民の願いであろう、こういうふうに思うわけであります。
アメリカ政府はもちろんのこと、我が国
政府も可能な限りの手を尽くして、この
人たちを救っていただけますよう、心から
お願いを申し上げます。
そこで、全国に水産高校は幾つあるのかと申しますと、四十七校ございます。そして、都道府県単位で実習船として四十隻ございますし、三百トンを超える船は三十隻でございます。
水産科にはおおむね、漁業あるいは機関という二つのコースがありまして、ここの卒業生はもちろん海の男として活躍をしてくださるわけでありますけれども、どうしても、日付変更線を越える実習を得る、そして海技士の資格を得なければなかなか就職することができない、こういう現実がございます。
日付変更線を越えるということは、これはやはり高校生からすれば大変な航海であることは多言をまつまでもございませんけれども、これが毎年どの水産高校でも行われ、そして、大体ハワイの近海が使われております。まず第一に、日付変更線を越えるということと、もう
一つは、ハワイの近海が比較的安全な地域であり、もしものことがあれば、
アメリカの沿岸警備隊に
連絡をすれば、すぐに
ヘリコプターが飛んできて
救助してくれる、そういうような一面もあってあの海域が使われる、こういうふうに言われております。
そこで、出発される生徒たちはどのような手続をして行っているんだろうかということを、私は今回の
事故から思うようになったわけでありますけれども、高等学校まで通学している生徒児童というのは、大体
日本体育・学校健康センターの保険に入っております。これは、全日制の生徒であるとかあるいは定時制の高校、これらは掛金が異なってまいりますけれども、死亡時には二千五百万円もらえるというふうになっております。
しかし、この二千五百万円だけでは、
事故が起こったときにいろいろなトラブルが生じる、保護者の皆さんもこれでは納得しない、そういうような関係から、各都道府県はおおむね自分たちで
一つの組織をつくって、保険のかわりにされております。例えば神奈川県であるならば、安全振興会というようなものをつくられて、生徒の掛金が千二百円で、死亡時一千七百五十万支払うというような形になっております。
したがいまして、もし学校で、あるいは通学時、いろいろなトラブルがあったり、
事故があったり、また疾病の関係等で死亡されたということになりますと、おおむね四千二百五十万円前後の
お金が保護者に支払われるという形になっておりますけれども、この水産高校の場合、遠洋航海に出るわけですから、若干の危険が伴うというようなことで、民間の保険
会社におおむね三カ月間ぐらいの保険を掛ける。大体掛金が六千六百六十円、そして死亡時には五百万円もらえるという形になるわけですから、水産高校の実習生がもし万が一死亡した場合には、約五千万弱の
お金が保護者に支払われるというような形になっておるわけであります。
そこで、この額が十分であるのかないのかという議論は横に置きましても、私たちは、人権という問題、そして人の命という問題をそう軽々に扱うことはできません。これらのことを十分に心しなければならない、こう思うわけであります。
昨年の末、教育改革
国民会議の最終報告が出ました。教育を変える十七の提案、これがなされたわけであります。そして、それに基づいて
文部科学省はこの国会で学校教育法の一部を改正する、非常にありがたいことだ、こういうふうに私は思っておりますけれども、その中で、小中高校生に奉仕活動をさせる際の根拠として、社会奉仕体験活動、自然体験活動などの充実に努めるものとするとの条文を学校教育法に新たにつけ加える、こういうふうに言われております。
それは、小学校で二週間、高校で一カ月とされる奉仕活動でございまして、教育の目標を定めている学校教育法第十八条に新たな条文を追加して実現を図る、こういうことでございますけれども、奉仕活動をする、つまり、学校から出ていっていろいろな活動をされるわけであります。ということは、やはりリスクについて
文部科学省は心しなければならないのではないのか。その大きなリスクを背負う、そして保護者が安心して奉仕活動に子供たちを参加させる、そういうふうに考えなければならない。私は、今回のあの実習船の
事故で、そのように思っておるわけであります。
大臣に、それらのことについてどのようにお考えでいらっしゃるのか、まずお尋ねしたいと思います。