○
山本(幸)
議員 先生御
指摘の、
銀行が貸し手責任をしっかりとらなければいけないというのは、私は全く同感であります。これまで何となく、借り手が責任一〇〇%で、貸し手の責任はゼロというような風潮が一部にありましたけれ
ども、それはおかしい。やはり今日の
状況を招いたのは、
銀行が、本当は買わなくてもいいような土地を、買いなさいよ、融資するからねというような話で来たり、むしろ融資を勧めて、そしてその結果、地価が暴落したりして、中小
企業が、中小
企業だけではありません、大
企業もそうですが、非常な困難に陥っている。そういう
状況になったときに、今度はみんな返せと、回収を急ぐような行動をとっているというのは、
銀行は非常に問題がある、むしろ貸し手責任を自覚すべきだ。
私の、貸し手責任を自覚すべきだというのは、端的に言えば、責任は半分半分で、
債権者と
債務者、
銀行と
債務者がお互いに話し合って、アメリカでまさにプロジェクトファイナンスのときにやられているように、担保物件を処分すればそれで終わり、あとは
債権放棄だというくらいのことを本来やるべきだというのは、私は個人的な信念として考えております。ただ、担保の価額とかあるでしょうから、そこは
企業との話し合いにおいて、では再建した場合にどこまで返せるかなというところの話は当然つけて、お互いに歩み寄るのが一番いいなというように思っているわけであります。
したがって、
債権放棄というのは、貸し手責任をとるという
意味では非常に
意味のあることだというように私は思っているのですが、しかし、
銀行がそれを認めて
企業が再建できるというような
状況に必ずしも来ておりません。むしろ
銀行はなかなかあきらめない。そして借り手の方も結局、では利息が払えるところだけ払っておいて、あとはずっと先延ばししていこうかというような
状況が続いてきたのだろうと思います。
そういう
意味では、
銀行がさっとそういう処理をしてくれればいいのですが、なかなかいきませんので、いかない結果、結局
銀行のバランスシートにも
不良債権として残る、あるいは
企業の方にも過大な債務として残るという
状況が続いて、これをそのままほっておけば、新しい信用創造は起こらないし、
企業の方も新しい投資行動が起こらないということで、じり貧になるという悪循環が続くわけであります。
そこで最近は、やはりバランスシートから落とさなければいかぬではないかという話になりまして、これは
銀行のバランスシートから落とせばいいだけが
不良債権処理だとは思わないのですね。同時に
債務者のバランスシートからも落とさなければ、実体経済を救うという
意味からいえば、むしろ
債務者のバランスシートからどうして落とすかということを考える必要があるので、私は、その点は木島先生と同じような問題意識を持っていると自覚しております。
そのときに
サービサーが、
銀行がそれを処理するときに受け皿になるようにできるだけしておくということは、私は
サービサーが鬼の
取り立てみたいになるとは思っておりませんで、むしろ逆で、
民間サービサーが、ビジネスの観点から
銀行から譲り受けて、早く
債務者との間の話し合いをやって、必要な
債権放棄なり処分をするということを促進できるというように思っているわけであります。
したがいまして、最終処理の形には、
サービサーへの売却とか、あるいは再建計画に基づく
債権放棄とか法的整理とか、いろいろあるわけですけれ
ども、それは、
債務者の状態を見ながら適切に、それぞれ必要に応じてやっていくということでありますので、
サービサーに扱わせるから、売却するから、これはもうおかしい、
金融機関として責任を放棄するとも考えませんし、あるいは
債務者にとって苦しいことになるとも言えないと思います。むしろそうではない方に
サービサーは貢献してくれるものだというように期待して、ぜひ御理解賜りたいと思っています。