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佐藤(剛)
議員 吉野
先生は、私と同じくふるさとは福島でございますし、本当に御活躍に敬意を表するところでございます。こういう機会に、
議員立法の
提案者であります私が実務家である吉野
先生に御
答弁するというのは、これも縁かなと思いながらお聞きいたしておりました。
十分な
答弁ができるかどうかわかりませんが、この
資産再
評価法のできたときというのは、ちょうど公的資金を導入しなければならないような、人間の体でいいますと第一次
心筋梗塞を起こしたときであります。第一次
心筋梗塞を起こして、それから第二回目の
心筋梗塞を起こしたわけでありまして、今、第三次の
心筋梗塞を起こさないようにしないといかぬのじゃないかと私は思っているわけであります。
その
意味はどういうことかといいますと、第二次
大戦になったときに、
日本の
資産というのは大変なくなったわけですね。満鉄を初め、対外的な
資産も皆放棄する、国外に放棄する。言うならば、
金融機関じゃなくて、国が非常に大きな債務を負った。それは、
国民との関係で預金封鎖までやるわけですね。それで、一定の時期に切りかえるというふうなことをやって抜け切ったということをよく勉強すべきである。最近立派な本を出された渡辺喜美
先生がおられますから、ぜひその名著を読んでいただきたいと私は思いますが、反
資産デフレの大綱というものであります。
私は渡辺喜美
先生と認識は同じでありまして、ここにおられます塩崎
先生も同じような認識を持っているわけでありますが、
日本の今日の
状況というのは、神戸の大震災でなくなったような話ではない、それから
関東大震災の
状況のような衝撃でもない、もっとひどい。さらに言うなら、
資産的に言いますと、簡単に言いますと、GDPをアバウト五百兆としまして、その五百兆の三倍の千五百兆で、
土地本位でできていたアバウト二千四、五百兆の
バランスシートから千兆が消えちゃったわけであります。千兆といいますと、大体一九八五年の、十五年前の
土地の価格でございますよ。そのぐらいになってしまった。ほかに、今度は株が千二百兆ぐらいありましたかね、九〇年に。それがぼんと今半分ぐらいになって、六百兆ぐらいになっておるんじゃないかと思います。
いろいろな
計算があるんですが、相当粗っぽいものが、帳簿上の
バランスシートに受けた衝撃は、原爆で広島だ、長崎だぐらいの話じゃないというのが私の認識なんですよ。
しかしながら、名医と自称するケインジアン、マネタリアンは、官僚、日銀も含めて、抗生物質が効かない肺炎にいろいろ栄養剤を入れたり輸血したりしている。時々よくなったりしていますけれども、実際にやらなきゃならない仕事は、債務超過
対策というもので、これは調べてみますと、非製造業なんというのは倍ですよ。ですから、これを治さなければ、幾らやっても
日本というのはストックデフレ
経済から出られないと思います。
それと逆の話が
金融機関の
不良債権の問題です。このたびの
日米の首脳が、この問題について一番重点的に取り上げた。恐らく、
日本に、とばっちりを飛ばすなよと言ったのがブッシュ大統領じゃないのかなと思いますけれども、私はいませんでしたから知りませんが、辛いうちに何とかというのが新聞には出ていましたね。薬は辛いうちに飲んだ方がいいんだとかなんとか出ていましたけれども、そういうふうなことじゃないかと思います。
心臓に動脈瘤があるのですよ。肺炎の上に、心臓に動脈瘤があるのだから、そこのところの動脈瘤手術を、バイパスを通すのか、インテンシブケアユニットで集中管理して放射線をやって手術をするのか。債務超過になっている
企業のこの
部分をきちんとやらないと、これは動かない。そのためにやらなきゃいけない
金融政策は、デフレが消えるまではゼロ金利をやらなきゃいかぬということを、私は他日、財務
金融委員会でも日銀総裁に申し上げた。それから、
資本の増加もやらなきゃいかぬ。
この
BIS基準という、先ほど御説明してお手元にお配りしました、八%以上をやらないと国際的に銀行が
取引できないということの
基準が入っちゃって、その中の
分子に株の
含み益が入っているからふうふう言っているわけですよ。何で株の
含み益を入れたのかといったら、これは
日本が頼んで入れてもらったと言うんだから。あのときは三万八千円ぐらいのダウだったわけです。五万円になるんじゃないかと思った。今
アメリカがちょうど下がっていますから、そういう
意味で、きちんと
日米で、むしろ
BIS基準を直そうじゃないかぐらいやってもいいんじゃないかと私は思っております、
提案者の中の一人としまして。
それほどの問題意識を持って本件に取り組んでいるわけでありまして、これは余り使われなかったんじゃないですかと言われると情けない話であります。これだけでやっているんじゃない。公的資金もやった。それから先ほどの、分母のところのリスクアセットを
増大しないように、福島県の信用保証協会に保証させて、無担保五千万の保証をさせて、三十兆円、二十六兆円ぐらい使っていますが、そういうふうな制度もやる。いろいろなことをやっていて、今、
株価対策でこの
分子の
部分もやっている、こういうようなことに御理解を賜りたいと思います。