○松浪
委員 松浪健四郎でございます。
今回の
学校教育法等の三
法案につきましては、現下の
教育、
学校や
児童生徒の状況を踏まえ、今
関係者が力を
一つに合わせて、また
国民に広く呼びかけて、国として強力に
推進すべき
課題を明確にした点で大いに意義がある、こういうふうに
考えるものであります。
北から南まで、特定のある
団体からたくさんの郵便物、そしてファクスが私のところに届けられてきております。そんなに暇はございませんけれども、逐一全部読ませていただきました。そして、この人たちに
学校教育を任せて大丈夫だろうか、大変不安になってまいりました。そして、一様にこの人たちは、この三法に
反対であります。そして、その
反対は、強制だの義務だの、それに集中しておりまして、もっといろいろな面から
子供たちのことについて
考えてくれないだろうか、私は残念に思うものであります。
そこで、
社会奉仕体験活動等の
体験活動の
推進についてでありますけれども、ことしの初め、岩手県の釜石市のある
中学校の校長
先生から突然手紙をいただきました。
その
内容は、本校では三泊四日の東京での修学旅行を行っておる、そのうちの一日を
生徒たちに希望する
体験をさせるというふうにしております、つきましては、松浪代議士の秘書をやりたいという女
生徒が二人いる、何とか受け入れていただけないでしょうかという
内容でありました。
水をまいて
国民のひんしゅくを買って、謹慎も解けて間のない私からすれば、私に興味を持っていただいた中学生に感謝をしたわけでありますけれども、とにかく国会で秘書として
体験をしたいという
子供の希望に私はこたえなければならない、そういう思いですぐに返事を書かせていただきました。喜んで受け入れさせていただきますと。
ちょうど一カ月半くらい前だったでしょうか、びっくりしたんです、その女子
生徒二人はほおが真っ赤なんですね。これを朴訥というのだな、そういう思いをいたしましたけれども、注意事項の紙を持ってこられました。
一つは、昼食は九百円以内で
自分たちでさせてくれ、そして事務所でその負担をすることのないようにお願いしたい、帰りは地下鉄で来た道を帰らせる、寄り道をしないように厳しく注意をしていただきたい、そういうような
内容でございました。
私は、新聞の切り抜きから、各事務所への連絡であるとか、いろいろな簡単な秘書業務を一日していただいたわけであります。私も、興味がありましたから、ずっとウオッチングしておりましたけれども、これはいい
体験だな、そして政治にも興味を持ってもらえるだろう、こういう思いをしたわけであります。
そして、今回のこの
法律であります。何でもっと早くやらなかったのだろうか、こういう思いをしております。
とにかく、今の
児童生徒を取り巻く環境
そのものが、社会の大きな変化の中で、私たちの時代とは大きく異なってきております。例えば、
児童生徒は、物質的には豊かさや便利さの中で恵まれた
生活をしているように見えるのですけれども、意外に
生活にゆとりがなくて、年齢の違う友達や
地域の大人と触れ合ったり、日常的に自然の中で遊ぶことが大変難しくなってきております。また、人や社会、自然などとかかわる
体験の不足が、増加する
問題行動や少年非行に影響を及ぼしていると私も思います。
このような中で、
児童生徒の豊かな
人間形成を図り、将来の国家社会を担う力を身に
つけさせるためには、早急に、
児童生徒の学習や
生活の中に意図的に
体験の
機会を取り入れていくことが極めて重要であります。
体験活動の促進を目指すこの
法律案は大変結構だと私は思います。
そこで、
体験活動にはいろいろなものがあるわけですけれども、とりわけ
社会奉仕体験活動が私は重要だと
考えています。
中学生を対象としたある
民間の調査では、他人の体育館履きを無断で使用することを悪いと思うかというアンケートをしたらば、十年前は、悪いと答える中学生が七六%ありました。ところが、現在では五四%なんです。他人のものを勝手に使ってもいいと思っている
生徒が半数近くいるということに我々は驚かされるわけでありますが、これは、明らかに
規範意識が低下してきておる、このように読み取ることが正しいのではないのか、こう思います。
人間関係が希薄になったり、
児童生徒が人との触れ合いの中でその痛みや悲しみを想像できなくなっているのではないか。
自分さえよければいいという風潮が余りにも強くなってきているのではないのか。
学校等において
社会奉仕体験活動を
推進して、思いやりや公徳心、公共に役立とうとする態度などをしっかりと培う必要があると私は
考えますが、その見解についてお尋ねしたいと思います。