○城島
委員 ぜひ積極的な検討をお願いしたいというふうに思います。
次に、今回の
基本法の中では、
木材の
生産といったものを
中心としたところから新たに多様な
機能の
発揮というところへ、
一つの林政の目標を大きくつけ加えるというんでしょうか、場合によっては変えるというんでしょうか、こういうことが
一つの
ポイントとされているわけでありますが、これは少し整理しておく必要があるんじゃないかなというふうに思っております。
というのは、多様な
機能という中で、私的な財産というか、私的財としての
生産機能である
木材生産というものと最も合致するのは、いわゆる二酸化炭素固定
機能というのは
公益的機能の中で一番ストレートに合致する
機能だということだと思います。すなわち、
木材生産を最大化するときにこの二酸化炭素の固定
機能も最大になるということであるから、そういうふうに言えるというふうに思います。これに対して、
水源涵養機能といったものを
中心とした
公益的機能というのは、場合によっては相反する側面を持っている。したがって、そういった面においては調整が必要な部分が出てくるんじゃないかというふうに思うんですね。
公益的機能というのは、まさしくその名のとおり公益財であって、多数の受益者がある。私的財である
木材の
生産を行う
森林所有者との利害をそういう面で、あるところでは調整していく必要が出てくる部分もあるということだと思います。
そういう点で、今回の中身で、特に
木材生産機能というものと
公益的機能というものが
森林の多様な
機能にはあるということはまさにそのとおりでありますし、さらにその
公益的機能には、
木材生産と矛盾の少ない二酸化炭素吸収、固定
機能というものと、それから、今申し上げましたように、
木材生産機能と調整の必要なそれ以外の
公益的機能があるということをある程度きちっと整理した上で、課題にきちっと対処していく必要があるのではないかというふうに思っております。
地球規模の
環境問題というのが
重要性を増すにつれて、
地球温暖化対策となる
森林の二酸化炭素の固定能力というのは再評価されるべきでありますし、循環型社会構成の
必要性の面から
考えましても、この
森林資源造成といったものと
木材等の
生産機能というものはきちっとやはり見直されていくべきであるというふうに思っております。
また同時に、
木材等の
生産機能との調整の必要な国土保全、
水資源涵養、良好な生活
環境の保全、保健、文化、教育的利用、あるいは生物多様性の
保全等々、
森林に要請される
機能もまさしく多様化しているし、その
重要性も極めて大きくなってきているというふうに思います。
こうした理解のもとで、
木材等の
生産機能というものとその他のいわゆる
公益的機能を二本の柱にする持続可能な
森林管理を
森林政策の目標とすべきではないかというふうに
考えております。
したがって、私は、大きく言うと三点が
基本政策としては
ポイントじゃないかというふうに思います。一点目は、多様な
機能の
持続的発揮のための適切な
森林の
経営との調整というのが一点、それから二点目が、
森林資源の循環的利用を担う
林業・
木材産業の発展、それから三番目が、山村振興、大きく言うと、この三つの施策の展開が必要じゃないかというふうに思います。
時間が限られておりますので、特にこの中の二点目に申し上げました
林業あるいは
木材産業の発展ということについて、少し私の意見を含めて御見解を承りたいわけでありますが、今申し上げましたように、多面的な
機能の
発揮というものは極めて重要でありますが、さはさりながら、やはり
木材をきちっと
生産し消費していくというこの道も王道としてきちっとしないことには、問題の本質からずれていく
可能性がある。
そういうことからすると、私も、この
木材というんでしょうか
林業については、かなりというかほとんど素人だったものですから、いろいろこの間勉強させていただきまして、専門的ではありませんが、専門家の話もいろいろ勉強させていただいて、素人なりに解釈しましたのでちょっと専門的なところからはずれるのかもしれませんが、一言で言うと、私自身の
認識もそうだったんですけれ
ども、木造というのは鉄筋なんかに比べていろいろな面で劣るという
認識が僕自身あったわけです。
決してそんなことはないと。非常にわかりやすく言うと、耐火性とか耐震性においても、きちっとしたことをやっていけばほとんど遜色ない材料であるということの
認識が——自分のことだからかもしれませんが、一般的に強いんじゃないかと思うんですね、
国民の中に。やはり、いい建物というのは、鉄筋で、鉄骨できちっと組み上げたのがすぐれているんだ、木造というのは劣るんだという意識がまだあるんじゃないかと思うんですけれ
ども。
やはりその辺の、私は
データ等を見せてもらいましたけれ
ども、きちっと、木造そのものというのは非常にそういう面で、耐震性においてもあるいは耐火性においても、きちっとしたことをやれば全然劣らない、プラス、やはりもう言わずもがな、いろいろな、いい、
資源消費型じゃない循環型の材料ですから、すばらしい材料であるというようなことの
国民的な
認識の普及、PRというのが一方で非常に大事じゃないかというふうに思っているところであります。そうしたことも含めてみると、やはりこの
林業の最終消費者まで視野に入れた産業の振興といったものが極めて重要だ、そういうふうに思っております。
そういう点においては、インフラの
整備といったことも海外との問題でよく言われますので、競争力をどうつけていくかということでいうと、まさしく山から消費者まで行く間の流通、加工を含めて、相当いろいろな面で競争力が落ちているということもやはり事実だと思う。
特に、現場の人に聞いてみますと、材料としての品質の、しかもある程度量がまとまって、しかもできるだけ、できるだけというか、いわゆる乾燥材としてのものは極めて少ないということでありますので、最低限、そういったものについては、
価格の前に海外とのもので競争できるような
条件整備を整えるような、ある面でいうと、投資あるいは援助、そういったものがどうしても必要じゃないかというふうに思っております。
流通過程を含めたそうした公的負担が私は必要じゃないかと思うのでありますが、いかがでしょうか。