○古賀(一)
委員 これは先のことですから、三十万人見込める、いや三分の一の十万人だろうと言ってもしようがないのですが、これまでのいわゆる
財政試算ほか
制度の運営、恐らく
委員会で、
研究会でこうなりますという提示をしてきた中で、
政府の審議会の
委員の先生も、しようがない、そんなものかということでこの
制度を構築してきたと思うのですね。それがこれだけことごとく見込み違いであったということは、やはり
政府の
責任なんです。
だから、今回、私ははっきり申し上げますが、三十万人と言ったならば、三十万人やるだけの仕組みというものを、
政府はきちっと、
農林省は打っていかなきゃならぬと思うのです。
しかも、それは
現場の
農業委員の方が大変苦労しているんですよ。これだけ落ち込んできた
新規加入者も、
現場において、若者よ、
農林省がつくった、国がつくったこういう安定したいい
制度、だから入ってくれよと誘って誘って入ってもらっても、しかも強制
加入でもこれだけ減ってきたのですね。
そういう
農業委員会の
方々等は、今度、方式は変わったけれ
ども、まずひとつ入ってくれというふうにまた苦労しなきゃならぬと思うのですよ。それは
現場の苦労は大変なものだと思う。それ以前に、私は、
農林省サイドの
責任は、努力というものはもっと大きいと思います。これは、今後の
加入者の推移を見きわめますけれ
ども、私は、それに対する大変大きな懸念というものを表明して、最後の
質問に移りたいと思います。
順番が前後しましたけれ
ども、先ほど
木村委員の方から、私が本
会議場で
提案しました、いわゆるアジア
食料安全保障構想といいますか、そういうものを申し上げました。コストの話も出ました。私は、今まだ十分勉強していません。ただ、生産
調整に関する
費用あるいは稲作経営安定化資金に関する
費用、そして
政府の今行っている備蓄の
費用等々を簡単に足しても四千億を超えます。超えるんです、一年間ですよ。
こういう新しいもみによる備蓄の構想はお金がかかるだろうと。もちろんかかります。私は、単に
農業とかあるいは減反政策だけを考えているんじゃなくて、きのうも本
会議でありました、ロシアとの問題、もう戦後何十年たってもらちが明かない。
私は、例の北方四島に、山の中腹あたりに、直径百メーターでも二百メーターでもいいのですが、穴をぶち抜いて、あの寒冷地であれば、冬はもう寒過ぎるぐらい寒い。夏だって、この前科学技術
委員長として北海道に行き、雪冷房システムを見た。夏でももう五度の室温が、ファンを回すだけで冷房以上なんです。あるのですね、私は驚きましたけれ
ども。
そういったいろいろな知恵を糾合して、日ロが
議論をして、そして将来のアジアに対する
食料安全として、日ロ一緒にとりあえず共同事業で安全保障というものをやろうじゃないか、中国も一緒にやろうじゃないかといったときに、私は初めて日ロ
関係の新しい一ページが開けると思うし、これもまた、中国とかロシアとか連合して東アジアの、あるいはアジアの
食料安全保障ということを考えることによって、最大の
食料輸出国、
食料輸出を戦略としているアメリカと私は対抗できると思うのです。
だから、そういう外交、日ロ問題あるいは減反問題、
農業問題、そういうものを全部含めたときに、私はこれはコストじゃあらわせない膨大な意味を持つだろうと思っているのです。
そこで、これはまだ私も詳しく全部のコストを試算する時間はありませんでしたけれ
ども、大ざっぱに言って、既に四千億以上のものがかかっている。ODAという予算の費目もある、一兆円を超えるものもある。
どうでしょうか。これはひとつ事務的に一回しっかり
論議をしていただいて、もちろん、全部米にしろ、減反を全部やめて自由にしようという仕組みにはならぬと思うのです。大豆も必要、それはいろいろな政策のポリシーミックスになると思うのですが、これは本当に真剣に
農林省として試算し、計算してみて、そのフィージビリティーというものを
検討すべき大変な構想だと私は思っております。
この点について、農林
大臣はこの前こうおっしゃいました。多額の
費用を要する、稲作
農業の構造
調整にはつながらないという点はあるものの、一方で国際的な
食料安全保障の立場からは
検討すべき
課題、こうおっしゃいましたけれ
ども、もう一歩踏み込んで、ひとつ計算してみようじゃないか、そういうお考えをぜひ持っていただきたいと私はお願いをしますし、
大臣の御所見をこの際、最後にお聞きしたいと思います。