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尾身国務大臣 お祝いのお言葉をありがとうございます。
総合科学技術会議が
科学技術政策の基本に関することについて原案作成の
段階からこれをやるべきであるという御意見につきましては、私
ども、大変ごもっともなことだと思っております。
経済財政諮問
会議と比べて
総合科学技術会議が目立たないのではないかという御意見でございましたが、私は実はそうは思っておりませんで、今までの活動
状況等を見ておりますと、従前は、一月六日以前は
科学技術会議というのがございました。そこの
科学技術会議というのは、実は一年に一遍、
総理大臣を議長として開催をされて、三十分とか四十分で各省の代表あるいは学識経験者の方々も一度御
発言をされてしゃんしゃんと終わるというような、まあ、表現は悪いかもしれませんが、やや形式的な
会議でございました。
しかし、今度の
総合科学技術会議につきましては、月一遍開催をしておりまして、いわゆる有識者の議員を含めまして、
総理大臣を議長といたしましてかなり活発に
議論をしておりまして、その
議論のたびごとに、新しい、いろいろな今後の
科学技術政策の根幹にかかわる
考え方を出しているところでございます。つい最近におきましても、第二期の
科学技術基本計画を作成いたしました。
これもおっしゃるとおり、原案の
段階から
内容を詰めて提案をしておりまして、最初の五カ年間、十七兆円だったものを二十四兆円に、金額ベースでも約四〇%の増を図るということ、あるいは、従来、全然そういう
考え方がなくて、いわば総花的に各
分野についての記述をしておりましたものを、
情報、
ライフサイエンス、
環境、
ナノテクノロジーという四
重点分野に絞って、
戦略的重点分野としてこれを提示していくというようなことで、かなり実質的なものを出しているというふうに私は
考えております。
それから、実は今、今の四
重点分野を中心としてそれを検討する専門
調査会、あるいは
評価についての専門
調査会、それから
科学技術システム全体、
研究開発システム全体を抜本的に変えるための専門
調査会、それから生命倫理に関する専門
調査会、それから学術
会議のあり方に関する専門
調査会、あるいは今後、産官学の共同
研究の推進に関する専門
調査会というようなことで、極めて精力的に鋭意
議論をしております。
会議費がパンクして
官房長官にまた追加を
お願いしたいというふうに思っているほど、実は精力的に
議論をしておりまして、とりあえずは予算編成期の六、七月ごろを目指してある種の方向性を出していきたいというふうに
考えている次第でございまして、おいおい、ここでも島先生を初めとする
先生方の御意見も聞きまして進めてまいりたいと思いますので、ぜひ、党派を超えた御
支援、御理解を心から
お願い申し上げる次第でございます。
ノーベル賞の問題につきましては、戦後五十五年間に自然科学系のノーベル賞学者というのが、
日本では実は六人でございます。湯川秀樹先生、朝永振一郎先生、江崎玲於奈先生、福井謙一先生、利根川進先生、白川英樹先生でございますが、実は、この戦後五十五年間にほかの国がどうかということを見ますと、
アメリカが百八十人、イギリスが四十四人、
ドイツが二十七人、
フランスが十人という方々が自然科学系のノーベル賞をとっているわけでございます。
日本はそれに比べて六人という非常に少ない数でございまして、基礎
研究がおくれているなどなど、いろいろなことが言われておりますが、これは言葉のハンディキャップも一つはありまして、まだまだ国際社会における
日本の
研究が
評価されていないというのも一つの原因ではないかというふうに
考えます。
私
ども、この基本
計画におきまして五十年間で三十人
程度というのは、
日本の
科学技術の力をもってすれば極めてリーズナブルなことであろうと思います。多分、先生は目標が達成されたかどうかを御自身で
確認できることになるのではないかと思いますが、私自身はそこを
確認できるかどうかわかりません。
ただしかし、これは思いがございまして、やはり、
科学技術を本当に振興するためには、ノーベル賞そのものをとることが大事というよりも、例えばマラソンで高橋尚子選手が優勝をする、田村亮子選手が柔道で金メダルをとる、そのことによって若い
女性が柔道をやったりマラソンをやったりしよう、そういう
意味で、ノーベル賞をとる人がふえてくれば、じゃ、私もノーベル賞をとれるかな、三十人のうちの一人に入れるかなということで、若者が
科学技術の
分野にどんどんと自分の人生をかける、そういう方々がどんどんふえてくるというふうに私は
考えております。
したがいまして、山高くすることがすそ野を広くすることになって、全体としての
日本の
科学技術水準の
向上、ひいては
日本の国力の増進に極めて大事であるということでございまして、基礎
研究の
分野も含めて、国家の目標として、このたび非常に明確に三十人という目標を出させていただきました。
桜が咲くころには私の予言が実現しませんでしたが、この予言は必ず実現をさせ、そしてそれをまた一つの軸として
科学技術創造立国を実現していきたいというふうに
考えておりますので、ぜひ、政治の
分野の皆様におかれましても、
日本の国を超一流の
科学技術大国にするために御
支援を
お願い申し上げる次第でございます。