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春名委員 本当に良質の
コンテンツの競い合いになるのかということが、私はなかなか見えないわけなんです。今回の
改正でそういう外資規制の撤廃をすれば何とかなるだろうと、安易とは言いませんけれ
ども、小手先といいますか、そういうニュアンスしか私には伝わってこないわけなんです。
要するに、今の
CSの困難というのは、資料をもらったのですけれ
ども、二年前の数字で見れば、百十八社のうち黒字は十五社しかないのです。どちらかというと、撤退があるわけでしょう、それで穴があきつつあるわけでしょう、チャンネル数は多いけれ
ども。だから、市場原理だけで新たな
事業者を集めてみても、視聴者を獲得することにすぐつながるというふうに私は思えないのです。もうけにならない
事業者の撤退を一層激しくするようなことにもなりかねないんじゃないか、逆に、質の低い番組が横行しかねないということも非常に私は心配をしているわけなんです。
そこで、私は、こういう規制を緩和するということを進める前に、もう少し
政府として検討をしてほしいことがあるわけなんです。つまり、
CSの最大の魅力、また特徴というのは、多チャンネルをどう生かすかということだろうと思うのです。そのためにどのような対応をとっていくのかということが大事かと思うのです。
平成八年十二月の例の多チャンネル
時代における視聴者と
放送に関する懇談会の報告書、これを興味深く私も読ませていただきました。今から五年前の報告書でありますが、視聴者の側から見た多チャンネル化の意義として、多様な分野、内容の番組が多く登場し、番組の選択の幅が広がることにより、従来の総合
放送では十分満足できなかった需要を充足させ得る。従来の総合
放送では十分な量の
情報を確保することが困難であった障害者、外国人等への
情報提供を
目的とする
放送が可能となり、これらの人々の
放送への需要を満たすことでより積極的な
社会参加の契機に貢献できる、私、非常に共感を持ってこの報告書を読ませていただいたわけです。
そして、そういう総括的な提起をした後に、論点の第一として、多チャンネル化の意義を最大限発揮するための方策や、
国会テレビ、障害者向け専門
放送など、各種専門
放送の積極的活用が第一に挙げられています。その具体化として、障害者向け
放送、外国語
放送、高齢者向け
放送を分野として特筆して挙げています。
この報告が出て五年たちました。
総務省としては、こうした分野の
放送番組の充実のためにこの間何をされてきたのか、この点をお伺いしたいと思います。