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伊藤(忠)
委員 民主党の
伊藤忠治でございます。
まず初めに、
片山大臣、それから
小坂副
大臣、おめでとうございました。
時間が幾らいただいてもございませんで、本来なら二時間ぐらいいただきたかったのですが、
委員会が大きくなりまして、民主党のレギュラーのメンバーもふえたものですから、こんな格好になりました。
それで、私は、全体的に、昨日の
議論をお聞きいたしていて、これは押さえなきゃいかぬなということを含めて重点的に申し上げますが、その前にちょっと私の感想をお聞きください。決して答えは要りません。
森内閣で
ITが始まりまして、通信の市場は宝の山だ、これは産業の発展の牽引車になる市場だというので、ベンチャー育成をやらなきゃいかぬ、市場開放もやらなきゃいかぬ、そういうのを総じて変えることが
改革だ、こういう雰囲気だと思うのですね。
改革というのはまさに仕組みを変えることだろうと思いますし、それは時間がかかっちゃいけませんから、もうスピーディーにやらなきゃいかぬ、これも
改革の大きな要素である。聖域はないというのが得意の小泉発言でございまして、小泉さんの人気は、御
承知のとおり、あっと言わせるようなところなんでございます。
改革を論じる場合に、私たちもそれは賛成でありますが、問題なのは、だれのために
改革をやるのか、ここが一番ポイントだと思うのですね。だれのために
改革をやるのか、
改革の結果をだれが享受するのかということが一番大切なのであって、
改革の波に乗っていいとこ取りで大もうけをするということがあっては、私は、これはやはりコントロールが要ると思います。そういうのをコントロールするのが行政の役目だし、政治の役目だろうと思っているのです。
一番今、
世界的に
一つのモデルとして出ていますのが市場の活性化万能主義、市場万能だということで、アメリカは経済の謳歌、景気の謳歌を誇ってきたのですが、万能主義を突き詰めていったら、カリフォルニア州の電力の危機がまいりました。私は、あれは
一つのいい例だと思いますよ。どんどん市場競争だ、自由化だとみんなやった。ところが、最後に
インフラそのものがおかしくなりまして、電力がとまった、電力が供給できなくなった。回り回って、結局、これは住民が負担しなきゃいかぬ、不便を住民がかこつということになったわけで、そこまでいくというのは、行政の責任でもあるし、挙げて政治の責任ではないか、私自身、これは他山の石にしなきゃいかぬな、このように思っているわけです。ですから、市場万能主義でやっていきますと、結局、角を矯めて牛を殺すというようなことになるのではないか、カリフォルニアの例はまさしくそうだと思うのです。
そこで、やはり市場活性化を図らなきゃいかぬけれども、公正競争が必要である、公正競争をどのように担保するのかということで、非常に
総務省としてもいろいろな角度から検討いただいて、今回の法案もまさしくそれが
中心に据わっている
改正案なんですが、NCCも
NTTもともに栄えるということだろうと私は思っているわけです。そのためには、過去の経過もございます、現実も見なきゃいけません、その中でルール化を図ろうとすると、当然そこでトラブルが発生をいたします。そのトラブルをどのように止揚していくのか、解決をしていくのかということで、行政のサイドの
課題が次から次へと出てくるのではないかと私は思っているわけです。例えば、
NTTサイドの問題に絞って申し上げますが、八五年の民営化からずっと私、一貫してかかわってまいりました、再編成のときも私、やらせていただきましたが、そういう歴史の流れと
課題をしょって今日に至っているわけでございます。
市場の活性化はどうかといえば、一連の
改革の中で、今日の市場で、一種、二種の業者を含めまして、業者全体の数、新規参入がうんとふえまして、業者全体の数では何と八千八百九十三社。これが、今
総務省がいいですよと
事業認可を与えている、届け出制でやれるところもありますが、その数なんですね。これは、
総務省のデータで私は言っているのです。せんだって下さいと言ったらくれましたので、そのデータでは、何と八千八百九十三社あるわけです。恐らく二種が多いと思うのですが、それから一種の業者が三百四十二社ですよ。
これがお互いに市場競争をやって、料金は安く売らないとユーザーもふえないというので、サバイバルなんですね。当然つぶれるところが出てくるじゃないですか、
皆さん、そう思いませんか。ベンチャー育成は結構ですが、入ったはいいけれどもつぶれてくる。つぶれてきたら、それは経営者の責任なんですよ。商売は厳しいですからね。これは官僚ではありませんから、やはり経営者が責任をとるということなので、つぶれたり起きたりということが、これからどんどん起こってくると私は思っているのです。
言うならば、市場の変化と競争の激化がどんどん進んでいくということの結果、
我が国の今の料金の現状はどうかといえば、大体欧米と比肩するところまで来ています。日本だけが高いのじゃありません。いまだに日本の料金は高い高いと言う人がいるのですが、勉強が足らぬですね。料金は大体欧米の水準まで来ているのです。欧米よりも安いところまであるのです。統計できちっと出ています。こういう現状の認識をきちっとしておかないと、ただ一面だけとらえて、何だ進んでいないだとか日本の料金は高いだとか、外資系は口をそろえて皆言います、日本の料金は高い。実態を知っているのですか。事実はそういうことなので、科学的な分析の上に正しい認識で、これからの方策というのをお互いに
考えてやっていかなきゃいかぬのではないか、こう思っているわけです。
そこで、
IT革命の戦略が出まして、五年後には一千万、三千万の
ブロードバンドを引かなきゃいかぬ。これはもう全体の責任なんです。
民間主導ですから、
NTTやNCCの主要な会社は、一生懸命それを達成していかなきゃいかぬという歴史的な使命をしょっておりますね。ところが、大変厳しい。これがどうも思うようにいきづらいという、言うならばコントロール規制のようなものが障害になるという
部分が出てきているわけで、そういうものをクリアできる方法というのはなかなかない。
私は、こんなことを言いますと、非常に与える影響が大きくて、どうしようかなと思ったのですが、こういう
考え方もございます。つまり、一番いいのは、今も
赤城先生がおっしゃったように、
自治体が加入線まで
光ファイバー網を張るというような
部分がふえてきます、これから。CATVの現状は、
皆さん御
承知のとおり、日本国全体で
人口のカバー率が二〇%。我が三重県は非常に進んでいる県でございまして、
人口比四四%もCATVを引いているのですね。これは、光で引いていません。今は同軸
ケーブルだと思うのです。これは光に張りかえなきゃいけませんが、基礎の
ネットワークはできているわけですから、今後の
課題でやっていけば、簡単にとは言いませんが、資本力があればやれるわけですよ。そういうような状況なんです。
自治体が直接経営で百十、三セクの経営が二百三十九、
民間の経営が三百三十七です。こういうように今CATVがどんどん広がっているのです。これは必ず、通信と放送の融合が絡みまして、これから
ネットワークとして
ブロードバンドに発展をしていくと私は認識するのです。そうなりますと、
NTTもNCCも、そういう広がりの中で、だんだん自分たちの仕事が厳しくなるというのか、
IT革命の目標からいったら、皮肉を言いますが、楽になるというのか、そういう状況だと思うのです。
そうしたら、私は、これから日本の国として一日も早く
ブロードバンドを形成するためには、こういう方法はいかがなのかなと。東西が、西の方は一千億の赤字を抱えて、もうあす倒れるかなという状態です。東の方はどうにかもうかって、数百億の程度でよろよろしていますね。そういう苦労はもうせぬでよろしいと。つまり、
ユニバーサルサービスと回線貸し業と固定電話の多少の基本的なサービスだけに限定して、これを輪切りにしまして、言うならば国営の回線貸し業会社をつくったらどうやと。そうしたら、ほかの分野ではその回線会社にぶら下がりまして、安い接続料金を払いまして、自由に商売ができるじゃないか。それならこれは非常に楽だ、NCCも文句は言われぬだろうというふうな気持ちが私はするのです。
それなら、そんな回線会社、国でつくるのはいいけれども、収支が合わぬじゃないか。合わぬに決まっていますよね。接続料金はどんどん下げなきゃいけません、料金全体を下げるというのですから。下げたら赤になります。倒れるわけにいきませんから、公費を投入したらよろしい、銀行みたいに。公費を投入したらよろしい。私はこのように割り切るのです。
そういう感想を冒頭にきょうは述べさせていただきます。お答えは要りません。何をはね上がったことを言うているなということになったらいけませんので、私はそこにとどめておきますが、どう
考えても、これはなかなか定規で引いたようにはいきませんので、そういう方法もあるのかなという思いをまず冒頭に述べさせていただきます。
そこで、
質問に入りますが、
一つ一つ具体的に申し上げますので、お互いに演説はやめまして、イエスかノーかでやりたいと思います。
まず、移動体のドミナント規制なんですが、昨日の
議論でもございましたけれども、二五%を基準に検討するということをお答えになっております。このことを確認させていただきます。PHSは除外するのですねということを確認させていただきたい。
その中で、
条文の中にございますが、特に二五%に絡みまして、これは
大臣の方でまた別途判断いただくわけですが、「当該割合の推移その他の事情を勘案して」、こういう文章が法案の中に入っています。これはどういう
意味なんでしょうかということを、これだけお聞きしたいですから、それに限定してお答えをいただきたい。つまり、客観性を担保するためには、基準を明らかにするということですから、この表現はちょっとわかりにくいので、
お願いを申し上げたいということでございます。
それで、省令をつくられるということですが、これは大体いつごろまでに省令をつくられて運用されるのかということでございます。省令ができました段階で、これは
国会で、実は法令審議だけが立法権の範囲ではございませんので、政省令の
部分についても審議の対象になりますので、そのことは、別に省の方にどうのこうのじゃなくて、これは議会の内部の話でございますから、ぜひとも
御法川委員長、そういう
立場で、議会
制度協議会で
議論しまして、そういう結論になっておりますので、御本人も一番詳しい方でございますから、とにかく政省令を含めましたでき上がった段階で我々が要求をすれば、それは審議にかけていただきたい。
以上のことをまず御
質問させていただきます。お答えをどうぞ。