○中村(哲)
委員 民主党・無所属クラブの中村哲治です。
まず、いわゆるIT
革命に対して森政権が果たしてきた役割について、私なりに意見を述べさせていただいた上で
質問に入りたいと思います。
今回の
電波法の
改正というものは、森政権が取り組んできたいわゆるIT
革命のための環境整備の一環だと位置づけられると思います。私は、一般論として、このIT
革命の名のもとに
デジタル化を進めていく
政策というのは、大変よいことだと思います。
まず、国全体の情報の流通が本当に円滑になります。そうすると、
生産性も向上しますし、経済も上向いてくる。先ほども話がありましたように、個人の生き方も変わってくる。情報の共有により、あらゆる
分野で社会参加が進むことになるでしょう。先ほども地方分権に非常に役に立つという御意見がありましたけれども、本当にそういうことだと思います。ひいては、
日本の民主主義というものも成熟化していく、そういうふうにつながることになっていくんだと
考えております。
しかし、何事にも、光の部分があれば影の部分があると思います。IT
革命も、何も
考えずに推し進めていけば、影の部分が非常に多くなってしまう、かえってIT
革命なんかなかった方がいいんじゃないかというような人がたくさん出てくることになると思います。私たち政治に携わる者の使命というものは、その影の部分をできるだけ取り除いていく、そのことなのではないかと思います。
森政権の一年間の特色として、私たちは不十分だと思いますけれども、不十分とはいえ、このIT
革命に取り組んできたこと、これが挙げられると思います。しかし、残念ながら、森政権というのは余命幾ばくもないようです。片山
大臣、
小坂副
大臣、本日はこのIT
革命に取り組んできた森政権の最後の置き土産として、IT
革命に対する影の部分を解消する方針についてはっきり示していただきたいと思います。
三月十六日、
NHK予算の審議のときに、私は、「この続きは
電波法のときにやらせていただきます。」と申させていただきました。早速続きの
質問をさせていただきます。
まず、
アナログテレビが使えなくなることについてお聞きします。
電波法改正案の七十一条の二によれば、二〇一一年には今ある
アナログテレビはそのままでは使えなくなるということです。この影響を最小限にするためには、
デジタル地上波を
アナログテレビで見られるようにするアダプター、いわゆるセットトップボックスが二〇一一年に幾らぐらいの値段になっているのかということを今のうちから想定しておく必要があると思います。
小坂副
大臣は、三月十六日の
総務委員会で、山村
委員の
質問に対して次のようにお答えになっています。
アナログの
テレビにつけるセットトップボックスと言われているアダプターが、たくさん需要が出れば価格が急激に低下をいたします。今一万とか二万とかするものが、二〇〇六年ごろになりますと、恐らく一万円をはるか下回って提供されるような
状況になっていると思いますが、そういうことになりますと、それをつけるだけで見ることができる。
このように
小坂副
大臣はおっしゃっております。
しかし、今、BS
デジタル放送を
受信するためのセットトップボックスは大体十万円前後と言われております。それを、今一万円とか二万円とかするものだとおっしゃっているのは、どうも事実を誤って認識されているのではないかというふうな印象を受けます。もちろん、現時点でこのようなアダプターは販売しておりませんので、今一万円とか二万円ということはあり得ないんですね。
先ほど、
小坂副
大臣は、二〇〇三年に二万円ぐらいになっているだろうと試算がある、そういう御答弁だったのですけれども、このあたりのところの御認識をもう一度確認しておきたいと思うんです。いかがでしょうか。