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大坪政府参考人 今先生の方から、
恩給の特徴、国家補償的
性格という観点でどういうものがあるかという御指摘でございます。三点ほど申し上げたいというふうに思います。
一点は、まず、その
公務性が高いということが言えるかと思います。この場合の
公務性という
意味でございますが、
恩給の種類といたしまして、年数に応じて出します年功的
恩給、それから、
公務災害というふうによく言われますけれ
ども、亡くなられた場合あるいはけがをされた場合、こういうような場合にお出しします
公務的な
恩給、実は
性格的に二種類あるわけでございますが、
恩給が、もともとスタートが明治維新以降の国内の騒乱のときにつくられたということからも見られますように、
先ほど大臣が言いましたように、身体、生命を賭して国に尽くしたというようなことを背景としてできておりますために、
公務的なものについて非常に手厚くなっております。
例えば、戦死されました場合の
公務扶助料というものがあるわけですが、これは年功
恩給としてお出しします
普通扶助料の二倍から四倍ぐらいの割り増しを実はしております。それから、
公務扶助料の中でも特に戦死の可能性の高い兵、下士官の方、こういう方には手厚く、上薄下厚の
制度というふうになっております。それから、けがをされた方について見ますと、年功
恩給の
方々の今の普通の平均的な
年額が六十万ちょっとでございますが、増加
恩給を含めたけがをされた方の
恩給は
年額今三百万を超えるというように、
公務的なものには非常に手厚くなっております。
二つ目の特徴といたしましては、加算年という
制度でございます。これは、実際の勤務年数に上乗せをするという考え方でございますが、その勤務が非常に厳しい勤務、戦地等の場合には割り増しで考えようというものでございます。最高では四倍計算をいたすことにしております。
恩給の資格年限は兵、下士官の場合十二年でございますので、戦地で三年御勤務された場合には四倍計算で十二年ということで、実際の勤務は三年であっても
恩給がつくということで非常に手厚くなっております。現実、今の
恩給受給者の実際の勤務年数の平均を見ますと、五年ちょっとの方が平均でございまして、その辺が加算年という
制度からくる特徴だろうというふうに思います。
それから、三点目といたしましては、
恩給には最低保障
制度があるわけでございますが、この最低保障の適用率が非常に高くなっております。
数字で申しますと、
恩給受給者の八五%の方はこの最低保障
制度によります
恩給が支給されております。
これはなぜかということでございますが、今次の大戦の特徴ということにもなるわけでございますけれ
ども、若くしてお亡くなりになられ、あるいはけがをされ、敗戦ということで勤務が短いうちに早く退官、退職になってしまったという実態があるわけでございますが、
恩給の計算というのはやめたときの俸給と年数をベースにいたしますので、どうしてもそういう今次の大戦の特徴として
恩給年額が低くなる。ところが、
恩給の
性格を考えますときに、そういう国家補償的な
性格が強いというときに、余りにも
低額な
恩給というのはやはり問題があるのではないか、生活の支えという機能が果たせないのではないかということで、最低保障
制度を設けたわけでございまして、逐次その
充実に努めた結果として、今八五%の
方々が最低保障で支給されているというような手厚い
状況になっている、このような三点を申し述べました。