○
石井(紘)
委員 片山大臣、御苦労さまです。
野党四党と
無所属の会派で政官業癒着型
選挙監視
委員会、こういうものをもう何カ月か前からやっているんですよ、御存じいただいているだろうと思うんですが。これは特に
参議院の
比例区の
選挙、かつては
全国区
選挙、こういう中で大変激しく行われてきた。
大体、どうしてそういうものが
選挙に、ある
意味で、悪い
意味で有効かといいますと、日本の国の財政
制度、
予算の仕組み、一般会計には公共事業費なんというのは九兆円ぐらいしか書いてありませんが、実は、公共事業費は国全体でどのぐらい使われているかというと、特殊法人なんかのものも含めると六十兆円ぐらいですよ、一年間に。そういうことを御存じあるかな。あるいは補助金、これもまた一般会計には二十兆前後しか書いていないんだけれ
ども、実際には五十兆ある。こういうものをだあっといろいろなルートで流していきますから、しかも、特別会計を各役所が握って、
予算の配分権を握って、事業
予算の決定権も握って、そしてやっているわけですね。そういう中で、大変、業界と
企業そして役所が結びついて、結託して
選挙をやりますと、金も集まってくるし、票も出てくるというのがこれまでの
選挙のあり方だった。
そういう中で、
小泉政権になって、
大臣も以前の森政権のときとはまた違った新たな思いで取り組んでおられるだろうと思いますので、私が具体的な例を幾つか、一つや二つじゃありませんよ、幾つか出して、そしてこれを究明していくことに、
大臣としても率先して取り組んでいただきたい。
一つは、私は昨日、東京駅の隣にある国際観光会館、あそこの四階へ行ってきました。そこに何があるかといいますと、自民党の公認
候補、藤野公孝さんというのですか、運輸省の役人出身の
候補者、
比例区。この人は、運輸省の運輸政策局観
光部長、そして
大臣官房
総務審議官を歴任して、昨年役所をやめて、ことしの
選挙に出るということなわけでございますが、その後援会が観光会館の四階にあるわけでございます。
事務局長さんは、ここに名刺をもらってきたのですが、お
名前は滝澤進さん。この人は、やはり運輸省を
平成九年七月に航空局長で退官をされて、九年七月から社団法人日本観光協会の
理事長をやっておる。事務局次長はといいますと、岡野貢さん。これは
平成十二年、昨年の七月、運輸省を運輸政策局観
光部企画課長補佐官で退官をされて、まだ五十二歳か三歳ですよ、何のためにやめたのですかね、藤野さんが当選したら何かなるんですかね。それで今、社団法人日本旅行業協会の研修
部長をやっておる。まだほかにもたくさんいましたよ、お役人さんの顔というのは大体似たり寄ったりですので、そんな雰囲気の方が。この二人は、少なくとも後援会の事務局長と事務局次長。
この事務局次長の所属しておる社団法人日本旅行業協会、これはどういう団体か見ますと、
法律にも規定されている団体なんですね。旅行業法というのがありまして、旅行業法の二十五条の二、二十五条全体に書いてありますね。旅行主任者資格というのですか、何とこれはその試験をやる指定団体になっているわけですね。二つ指定団体に指定されているのですが、これはそのうちの一つです。
この
法律によりますと、いろいろ書いてございますが、第二十五条の二の八というのがありまして、ここには「旅行業協会の役員及び職員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。」つまり、みなし公務員ということです。これはそういうふうに国家試験をやる団体ですから、指定されている団体ですから、こういうところの役員や職員は公務員とみなすという面で、いろいろなモラルの面、さまざまな面で公務員扱いとなっておるわけです。
私は、これは明らかに
選挙法あるいは公務員法に違反する行為であろうというふうに判断をいたしまして、きのう、直接この事務局長から詳しい話を聞きました。専従で来ておる。そして、事務局次長の岡野さんは、大体二月ごろから専従になっておるようです。出勤は毎日ですよ。週に一回ぐらいは本家の方へ行ってちょっと事務処理をしてくる、それ以外は詰めっきりだということで、では何を担当しておるかということも伺いました。そうしましたら、これは旅行
関係の団体あるいは旧運輸省
関係の団体の組織対策だ、こういうことも率直に事務局長さんが言われました。
これは大変だというので、その帰りがけに私は警視庁へ行って、こういうことを放置して
選挙がやられることはえらいことだと。これだけじゃないんですから、後から言う農水省の土地改良にしても、旧建設省にしても、すべての例の官庁出身の自民党
比例区の
候補者は同様の形でやっているわけですから。
そこで、私は、こういうことについてどういうふうに思われるか、まず
総務大臣、ここには
大臣は
総務大臣しかいらっしゃらないな、
片山総務大臣はいつも歯切れがいい答弁をされるので、ちょっと御感想をいただきたい。