○江崎
委員 民主党の
江崎洋一郎でございます。
最近、一般
事業会社が子
会社といたしまして
銀行を設立する
動きが見られます。このような新しいタイプの
銀行というものが
国民への
金融サービスの向上につながることを期待しますとともに、
金融界、はっきり言いまして古い体質にあります。この体質の古さを、むしろこういった新規
参入者に新しい
経営のあり方あるいは技術というものをどんどん持ち込んでもらって、
銀行界全体が
再生するというか活力あふれるような
一つの業界にまたなっていくことを私自身は望んでいるわけでございます。
新しい
銀行というものが
参入してくるに当たっては、やはり間口というのは広げていく必要があるのではないか。
法律や
規制は、
事業会社が
銀行業に新たに
参入するに当たっては妨げにならないという
ルールは大切だとは思っております。しかしそのまま、間口を広げたままでは当然後々問題も出てくるでしょうから、そういった
意味で、今後、一たん
銀行法見直しということではあるんでしょうけれども、またさらに続けてどんどん
法律を柔軟に変えていくという視点も大切ではないかというふうに
考えておる次第でございます。
過去の
銀行界におけるいろいろな事件を調べたわけでございますが、九二年にBCCI事件というものが起きました。これは、親
会社が悪質な事業を賄うための財布がわりに
銀行というものをつくりまして、預金者に多大な損失を与えたという事実がございましたし、また、
金融システム全体というものを混乱に陥れたということがございました。そういった過去の事例から
考えても、こういったことを未然に防いでいく、新しく
銀行業に
参入してくる人たちについては最低限のやはりふるいにかけていく必要があるんではないかと
考えております。
このような
考え方に立ちまして今回の
銀行法の
改正案を見ますと、幾つかの問題や課題というものがあるように思われます。
まず、そもそも、
銀行法改正に当たってなんですが、
事業会社が
銀行業に
参入するということをきっかけにしまして、そもそも論というのがどこまで議論されたのかなということについて私は懸念を
一つしております。
やはり、日本にとっての
銀行業のあり方、将来像、あるいはその位置づけですね。例えば、今までの基本的な
考え方で言えば、
金融というものは産業界への資金を提供する補完機能という位置づけではなかったかなと
考えております。しかし、新しい発想としては、
金融そのものを、やはりお金をつくり出すという
意味において産業としてとらえるような視点も重要ではなかったかというふうに思います。これらの基本理念というものをきちっと整理した上で、今回
銀行法の改正というものが本来は着手されるべきではなかったかな、その哲学が何となくこの
銀行法改正では伝わってこないなというのが私の実感でもございます。
いろいろございますが、少し細かい点も含めて
一つずつ質問させていただきたいと思っております。
まず、先ほど原口
委員からもございましたが、
主要株主の点についてお伺いしたいと思います。
金融審議会の最終
報告書を読みますと、
銀行の
株式の五%超保有の
株主が実質
影響力ありと判断される場合には、
主要株主として
認可の
対象となると書かれております。
金融審議会では、チェックの
対象となる親
会社の範囲をなるべく広くしておいて、その上で実質的な
影響力があるかないかを吟味してから
銀行の親
会社であるかどうかを判断しようとしていたんではないか、そういうふうにうかがえる
報告書になっております。
一方、
改正案では、この
主要株主というのは、
銀行の
株式の二〇%以上ないしそれと同等の
影響力を持つ者で一五%以上を保有する者となっておりまして、
金融審議会の最終
報告よりもチェックの
対象となる親
会社の範囲が狭くなっているということでございます。
先ほど、企業会計基準に基づくとの乾局長からの答えではございましたけれども、しかし例えば、ドイツやフランスまたイギリスを見ましても、
銀行の
株式の一〇%以上を保有する者を
主要株主として
監督の
対象としているわけでございます。そういった
意味では、日本の今回の
改正案は明らかに広いわけでございます。
また、日本の企業というのは、
株式を持ち合う割合に大きな差がつかないように、あらかじめ
株主の間で持ち株の比率を
調整したりしているということが事実あると思います。したがって、結果、表面上は五%
程度しか株を持っていないんだけれども、しかし実際には、筆頭
株主として相当な
影響力を持っている
会社もあるというふうに思います。
このような
状況から
考えますと、本来、
金融審議会が
主要株主と定めていた五%、これをむしろ狭くしてしまったというのは、どういう
考えに基づいてこういう判断になってきたのか、少し根幹の部分を
大臣からお話を伺いたいと思います。