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松本(剛)
委員 御努力、よく聞かせていただきました。
今お話があった
流動化ということは、今回も大変重視をして恐らくこの項目を取り入れ、また、定義に御苦労がある中でもあえて取り入れられたのも、ニーズにこたえよう、こういうことであろうというふうに思います。これから
我が国の金融においても、証券化、
流動化、ストラクチャードファイナンスというのは大変重要な地位を占めるというふうに私も思っております。
けさ、インターネットから引いてきたスタンダード・アンド・プアーズの格付が私の手元にもあるんですが、実は、貸付債権担保つきの住宅金融公庫債券というのが、トリプルAを五月に発行の分が取得をいたしております。後のページを開くと、大変残念でありますが、
我が国の長期債の格付は、スタンダード・アンド・プアーズではダブルAプラスでありまして、国の格付がダブルAプラスで特殊法人である住宅金融公庫債券の格付がトリプルAである。これはまさに、貸付債権を
流動化してこれでバックアップされている、担保されているということによってトリプルAが取得をされるということであろうというふうに思います。
手元にずらっと表があるんですが、これは皆さんもインターネット等でよくごらんになっていると思いますが、ずっと拝見をしますと、かなりいろいろな種類が出ております。率直な申し上げをすれば、聞いたこともないような会社もトリプルAがとれている。これも、それぞれ
特定目的会社とかそういった形の、今の広義のそういったものを利用しての形であろうというふうに思うわけでありますが、ここに、これから先、大変重要なかぎが
一つあるんではないかな、このように思います。
スタンダード・アンド・プアーズの格付のレターでも、住宅金融公庫債券の格付をするに当たっては国の機関であるという要素を勘案しないわけではないというふうには書いてありますが、明らかに国より上位の格付がとれている。また、
民間の、今おっしゃったような自動車オートローンとか、そういったものの債券についても、トリプルAをとっている債券がたくさんあるということであります。
今、
小泉内閣では、まさに
民間でできるものは
民間でできるだけやるということで、今、もう住宅金融公庫だからトリプルAということではなくて、住宅債権を
流動化したからトリプルAがとれているというふうに見てもいいのではないか。とすれば、これから、
民間がそういった
融資を行っていくときに、こういうストラクチャードファイナンスのマーケットをきちっと整備するということが大変重要な要素を占めてくるのではなかろうかな、このように考えているわけであります。
特に、住宅ローンというのは二十年、三十年という、そして
借り手の側からすれば、やはり超長期固定で借りられるということが非常にありがたいわけでありますが、貸す側からすれば、超長期の固定というのは、先ほど
増原先生からも債券相場の問題がありましたけれ
ども、大変な
金利リスクを抱えるということになります。今から十年前の
金利を思い出してみるだけでも、想像がつかないぐらい変わってきているわけでありますから、二十年、三十年という
金利リスクを抱えることを考えれば、超長期固定の住宅ローンなんかは必ず証券化、
流動化をしていくしかない。
そういう形によって、むしろ住宅ローンのニーズを必要とする
国民にもプラスになるし、それを引き受ける金融の側も、きちっとマーケットで
処理ができるという形になってくるというふうに思うわけでありますが、今、このストラクチャードファイナンスのマーケット、率直に申し上げれば、まだまだ機関投資家の世界というのが実情ではなかろうかというふうに思います。
金融庁の方々とお話をさせていただいたり、多くの金融
関係の方々とお話をさせていただいたりする中でも、とりあえずプロの機関投資家の間で育てて、いずれは個人にというようなニュアンスのお話を伺うことがあるわけでありますけれ
ども、これそのものが、私は、ちょっと待てよ、昔からの考え方ではないのかな。まさに、きょう
参議院の本
会議、たしか確定拠出型年金の
趣旨説明というふうに記憶をいたしておりますけれ
ども、こういった年金の
資産なんかを考えたときにも、今の住宅金融債権などは、まさに二十年、三十年で固定で、しかもトリプルAの格付のとれる債券ということであれば、投資対象としても考えていくべきではないかな、こんなふうに考えているわけであります。
その
意味で、
一つは
金融庁の方に、金融担当村田副
大臣の方に、今のこういったマーケット、現状をどうごらんになっていて、またこれから整備をどうされるのか、どのようにお考えになっていくのかということをお聞きいたしたいと思いますし、できましたら、やはり金融については大変御達見の
塩崎先生にもこういったことについてお伺いをいたしたい、このように思いますので、それぞれ
お願いをいたしたいと思います。