○今村
委員 それは点数でいうと五十点じゃないでしょうか。実は、期待しておったことは、ようかんはどこを切っても
一緒ですね。しかし、まんじゅうは真ん中にあんこがあって回りに皮があるわけです。ですから、そういう
意味ではおまんじゅうは真ん中の方がやはりみんな欲しがるというようなことになるわけでございます。
実は、何でこんなことを言うかと申しますと、
国鉄の
民営・
分割に当たって、東京を中心にするいわゆる都市部、そういったところは非常に輸送需要が多いし、これはおいしいところだ。しかし、北海道だ九州だ、こういったところはお客も少なくて赤字で、これは余りおいしくない。そういう
意味では、ようかんを切るよりまんじゅうを切るのに似ているなということで、まんじゅうも、ですから、そんなに外の皮の方もうまくはないけれども、ほの甘くでき上がったようなまんじゅうですね、真ん中のあんこもそんなに甘くてはだめだ、おかしいだろうということで、いわゆる各社が
経営がそこそこうまくいくように、いわゆる地域の経済力等々の格差を考慮した中で収益
調整措置といったものを実は講じてあったわけでございます。そういう中で、売り上げの、収入の一%程度の経常利益を上げられるようにというような
一つのメルクマールもあったわけでございまして、そういう
意味では、ほの甘まんじゅうを
思い出しておったわけでございます。
お手元に資料をお配りさせてもらいました。メモという形でやっております。そういう中で、スタートしてもう十四年たったわけでございますが、当初のもくろみといろいろ変わってきたところがございます。
思いどおりいかなかったこと、あるいは予想外にうまくいったこと等々あるわけでございまして、ここに出ていますように、そういったものを総括してみますと、例えば最初に挙げておりますように、
国鉄改革における
財政面での効果、これは大体十四兆三千億ぐらいあるのではないかな。内訳につきましては、
国鉄のころには毎年六千億円ぐらい
補助金をつぎ込まなければいけなかった、あるいは
JRになってから、逆に今度は税金をしっかり納めてくれるようになった、あるいは
株式も、これは当初はもくろみでは六千億円ぐらいの
売却益の見込みだったのが、今後の見込みを入れて四兆円近い
売却益になる。これは非常にうまくいった例でございます。ついででございますが、私みたいな衆議院議員まで生むという余計なことまでこれで起きたわけでございます。
それはさておき、二番目には、ここに挙げていますが、さっき言ったいわゆる収益
調整措置というものがどういうふうになされたかというと、体力の強い、非常にもうかりそうなところにはたくさん借金を持っていってもらう、そして北海道とか九州には、逆に基金を積んで運用益で補てんをしましょうということに実はなっておったわけでございます。
当初、
三島会社もいわゆる
経営安定基金が一兆三千億ぐらいあるわけですが、七・三%という利息でいただいておったわけでございます。そういうことでありまして、御存じのように、金利低下でもって発足以来累計で千五百億円ぐらいショートしてきているんじゃないかな。そしてまた一方、いわゆる収益の方も、経常利益では七百億円程度にとどまっております。
一方、
本州三社はたくさんの借金をしょっているわけでございますが、いわゆる低金利ということで、いろいろ勘定の仕方はあるわけでございますが、一兆四千億円ぐらいメリットを受けているんじゃないか。そしてまた、経常利益の累計も三兆二千億円というふうに、これは私の試算でございますので、正確をちょっと欠くかもしれませんが、おおむねこんなものじゃないかなと思っております。
そしてまた、これによってもう一人喜んだ人がおって、これはいわゆる
財政当局でございます。こうやって予想以上の利益が上がったということで、税収増ということになるわけでございます。
先ほどおまんじゅうの話をしましたが、これはまさに棚からぼたもちということではないかなというふうに思っております。こういうことで、非常に収益
調整措置が機能していないという問題点があるんじゃないかな。
そして、もう
一つは、この三番目にも書いておりますが、
三島については
運賃値上げをやらざるを得なかった。これは、約五年間で八百億ほどその地域の人が
負担する。あるいは、旧
自治省、現在の
総務省、この
三島につきましては非常に特例に、かわいそうだ、体力がないからということで、いわゆる固定資産税等の減免
措置をやってくれておったわけでございます。しかしながら、こういったことが、今後
本州会社が完全に上場するということになってくるとどういうことになっていくのかなという実は問題があるわけでございます。
私が今
指摘した問題、まさに生みの親である
国土交通省あるいは
財政当局、こういった現状についてどういうふうに今
考えておられるのか。これはもうきょうも大分出ておりましたから簡単で結構でございますが、ひとつ所感、所見をお聞かせ願いたいと
思います。