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河崎政府参考人 ただいま
先生御
指摘になりましたように、
農住組合の
設立総数が二十年間で六十三
組合という実績は確かに少ないと言わざるを得ないと存じております。
この
原因でございますが、
農住組合制度そのものは非常に柔軟な
制度で、基盤整備から上物の整備まで一体的にこなせる
制度という特色を持った
制度でございまして、私どもとしては
制度的には非常に活用できる
制度だというふうに思っておるわけでございますが、残念ながら、
地元市町村あるいは
地元農協の現場担当者レベルにおきまして、
制度の
意義あるいは効用につきまして十分な御理解が得られなかったというのが大きな
原因だというふうに
考えております。
ただ、六十三
組合の
設立の推移を見てみますと、昭和五十六年に法が施行されて
平成三年までの十年間では七府県十五
組合でございました。これが
平成三年以降の後半の十年間になりますと四十八
組合ということで、三倍以上の伸びを示しているわけでございます。この間、
平成三年、
平成六年に逐次対象
地域を拡大したり、あるいは
地区要件を緩和した。さらに、最近地価が下落をするようになってまいりまして、
農地所有者の方が持っていても仕方がない、やはり
土地は有効活用しようというふうな機運も高まってきた。それに、我々地道にやってまいりました
講習会の開催だとか、あるいはアドバイザーの派遣といった普及啓発の
効果が近年になってようやくあらわれてきたのではないかというふうに
考えておりまして、今後とも普及啓発に努めてまいりたいと思っております。
それから、もう一点御
指摘のありました、市街地整備事業の手法として限界があるのではないかというふうな御
指摘でございます。
現在、市街地整備の手法といたしましてはさまざまな手法がございまして、ただいま
先生から御
指摘ありました土
地区画整
理事業あるいは市街地再開発事業等々のいろいろな再開発事業というのがございまして、
農住組合事業もその
一つの手法でございます。確かに、数の上では土
地区画整
理事業や市街地再開発事業が主流になっております。それに比べまして、
農住組合の事業実績は少ないと言わざるを得ないわけでございます。
この背景といたしましては、何と申しましても、土
地区画整
理事業というのは大変長年の歴史があり、かつ実績もある事業でございまして、各公共団体に非常に深く浸透しておりますし、施行主体も
地方公共団体あるいは公団、
組合、個人、幅広いものがございます。一方、
農住組合事業というのは、あくまで
農地所有者の
方々の自発的な発意に基づいて
設立をし事業を行うという事業でございますので、そういった
意味での両者の違いによって大きな差が出てきているというふうに
考えております。
しかしながら、
農住組合事業は、
市街化区域内農地を、必要に応じて
営農を継続するという特色を持ちながら良好な
住宅地に転換をするという特色ある
制度でございまして、例えば、
周辺がある程度市街化が進行してきている、そういうことで大規模な区画整
理事業の実施について合意形成が困難な場合というのがございます。また、
農地所有者の
方々が、当面
営農を継続しながら一方で良好な
住宅地を供給したいというふうな意向がある場合には、市街地整備の
一つの有効な手法として、今後とも我々としては重要な役割を果たすものと
考えておるところでございます。事実、これからも
農住組合を活用したいという旨の要望もたくさん参っておるところでございます。