○細川
委員 民主党の細川律夫でございます。
私は、これまでいろいろな形でこの
委員会でも議論をされてまいりましたけれ
ども、
国土交通省の所管であります陸海空それぞれの交通モードにおける
事故に対してどのように原因を解明して、そして再発防止に取り組んでいったらいいのかということで、交通
事故の全体についてお聞きをいたしたいというふうに思います。
これまで私も、
国土交通省の前には運輸
委員会などにも属してまいりまして、その中で交通
事故、特に
鉄道事故などについてもいろいろと当時の運輸省に申し上げてまいりました。特に
鉄道事故につきましては、信楽
事故がございましたときに、遺族の方たちからも、
アメリカの
NTSBのような
機関をつくってはどうか、こういうような要望がありましたので、私たちも同感をいたしまして、いろいろと政府にも申し上げてまいりましたけれ
ども、しかし、そのときにはいろいろな理由で拒否をされてきた経過がございます。
そういう意味では、今回このような法案が出されまして、鉄道についても
事故調査委員会ということで一体となってこれから
事故の原因の解明、再発防止に向けて取り組まれていくということ、その法案が出ましたことは、私は一歩前進だというふうにも思いますし、しかし、一方では、やっと出てきたかなというような感じもいたしております。さらには、監督官庁から独立した
機関とかいうようなこともこれまでもずっと言ってまいりましたけれ
ども、そういう意味では依然として
国土交通省の所管ということでは、ちょっと満足もできないというようなところもございます。
それはさておきまして、先ほど申し上げましたように、陸海空それぞれの交通モードの中で
事故が起こったときに、その
事故にどう対応するか、どのように
事故原因を究明して、そして再発防止に向けてどう対応していくか、これがそれぞれ各モードで違っております。陸につきましては、これは道路、鉄道がございます。道路につきましては交通
事故総合分析センターというところが担当をいたしております。鉄道につきましては、これまでは鉄道の会社が担当しておりましたし、今度の法案でこれが
事故調査委員会ということになるわけです。一方、空についてはこれまで
事故調がございました。
ところが、海についてはどうか。海で
事故が起こりますと、これは海難審判庁で審査というものがございます。この海での海難についての
事故原因の分析といいますか解明、これは、今回の
事故調査委員会なんかの
やり方とは全く違う形でやられます。これは対審構造という形で、今の
日本の
裁判所みたいなもので、
裁判でいう原告と被告がお互いに証拠を出し合って、そして
裁判官が事実認定をして判決をする。それと同じような形の対審構造でその原因を事実認定していく、こういう
やり方を海難審判庁としてやっているわけでございます。
したがって、
国土交通省の所管をする陸海空のこの交通モード、各モードで、起こった
事故に対してその原因を究明する
やり方がそれぞれ違う。やっと今度、
航空機と鉄道が
事故調査委員会というもので一緒になって、
事故原因を解明して再発防止に資する、こういうことになるわけなんですけれ
ども、そこについては一歩前進してきたというふうに私は思っております。
そういう意味で、私、今回、全体的なことでお聞きをしたいと思います。各モードでの状況をお聞きいたしまして、国として全体的にどういうふうにやっていかなければいけないかということをお聞きしたいというふうに思っておるところでございます。
そこで、まず
最初にお聞きをいたしますけれ
ども、道路についての、この交通モードでの
事故の問題でございます。
交通
事故に関しては、厚生省の統計では年間で一万三千人ぐらいが亡くなっている、件数にしては九十万件が起こっている、そういうような大変とうとい人命が交通
事故で失われ、負傷している。それに対してその原因を究明するのが先ほど申し上げました交通
事故総合分析センターで、この交通
事故総合分析センターという組織そのものが、これが本当に、年間に一万三千人も亡くなるような、そういう
事故があるのに、果たして国の体制としてこんなものでいいんだろうかというような気持ちでございます。
交通
事故については三つの側面がございまして、一つは運転手の責任ということもあろうかと思います。二番目は自動車の構造なんかもあると思います。それから三番目としては道路とか信号の設備によるというような、この三つがあろうかと思います。運転手の責任の問題については、これは、主たる任務として
刑事責任を追及すればいいというふうに思いますけれ
ども、自動車の構造あるいは道路や信号の設備というようなことについては、これは交通
事故総合分析センターで原因を究明しているわけでございます。しかし、この交通
事故総合分析センターは、
航空事故調査委員会の
法律的な位置づけ、権限その他と比べますと、いわば本当にお粗末ではないかというふうに思います。
そういう意味で、まずお聞きをいたしますけれ
ども、この分析センターは一九九二年に、当時の
警察庁、運輸省、建設省の三省庁によってつくられましたけれ
ども、現在どのような予算、どのような事業をやっておられるのか。そもそもこれは財団のようですけれ
ども、その財団のお金は一体どういうようなところから出されているのか、そういうことからお聞きをしたいと思います。