○赤城
委員 ぜひ、この
対策に遺漏のないように、一日も早くきちっとした
対策がとられるようお願いをいたします。
次に、日航機のニアミス
事故でございますが、私は、この両機と管制官との交信記録を見て、大変背筋が寒くなるような思いがいたしました。管制官というのは、もう間違いがない、絶対のものだ、こういうふうに一般の方も、私もそうですが、考えておったところが、やはり人間だからということもありますけれ
ども、それにしても、
基本的なところがきちっとできていなかったのではないかなというふうに感じました。
最初に、
事故報告の中にもありましたけれ
ども、ジャンボ機が上昇していた、この九〇七便に対して三万五千フィートに降下してくださいという
指示をした、これが実は、DC10型機、九五八便に対しての
指示を間違えてジャンボ機に出してしまった。ジャンボ機の方は、上昇していたところに降下の
指示が来たので、普通だったらこれは疑問に感じるはずですが、そこを十分確認しないまま、降下の
指示があったので降下をした。結果、両機が接近をしてしまったというところが一点まずありました。
その後も、これは最初に
指示したのは習熟訓練中の管制官ですが、両機が接近して、今度は監督官が割って入ったのですが、この監督官が、九五七便に今すぐ降下を開始してくださいという
指示をしました。九五七便というのはないわけで、九五八便か九〇七便か、どちらかです。両機とも
指示の便名が違いますから、当機に対する
指示ではないなというふうに感じたのでしょう。となれば、当然応答がない。管制官は、応答がなければ、これは伝わっていないということで、何かおかしいぞと気がつくはずなんですが、そのままになってしまっている。
その後も、監督官の方が、九五八便からの連絡に対して、九〇八便、了解しましたと、これまた便名を取り違えていますし、九〇七便の
報告に対しても、九〇八便、了解しましたと、大変危険な
状況になってその
報告をしているのに、ただ、了解しました、了解しました、こういうふうな返答をしていて、およそ監督官らしくない応対をしている。
これは、大変緊迫して混乱している
状況だということを差し引いても、
基本的に、確認をする、口頭で確認をして、復唱して、それに対して了解をしたということでなければならない。それから、先ほど申しましたように、
指示に疑問があれば、それを確認できるというふうな体制でなければいけない、こういうふうに思います。これは、
基本的にそういうところはやっているはずだったのですが、
指示が徹底していなかったのか、大いに反省しなければならないと思います。
このことに関して、
機内で機長と副操縦士との間では意思疎通を密にしよう、こういうことで、クルー・リソース・マネジメント、CRMというふうなシステムができているそうでありますが、管制官と機との間、また管制官同士、ここら辺も、人間のシステム管理といいますか、そういうものをきちっとしていかなければならないのではないかと思います。それがまず一点であります。
それからもう一つ。航空機衝突
防止装置、いわゆるTCAS、これについてなんですが、今回、この衝突
防止装置が作動しました。それに対して、平常時は管制官の
指示が優先します、衝突
防止装置が働いたらそれの
指示に従います、さらに、それに従うことが危険だというときには機長の判断に従います、そういう順序になっておりますが、両機が違う
指示のレベルにあった。
例えば、一方は管制官が
指示していて、一方は衝突
防止装置が働いていたとか、一方は衝突
防止装置が働いていてそれに従ったんだけれ
ども、一方は機長の判断で動いた。今回はまさにそういうことで、機長の判断を優先して一方は降下した、一方は衝突
防止装置の判断に従って降下した、それでまさにあわやというところのニアミスが起こったということですから、今どういう
指示レベルにあるのかということが統一されなければならないでしょうし、それから相手方の機がどういう判断を今しているのか、機が実際に動いてから視認するのではなくて、機長がどういう操作を今したのかということが瞬時に相手方の機に伝わるというふうな、そういうことも必要なんではないか。
危険回避のレベルをどういうふうにそろえるのか、また相互にどういう連絡をとり合ってお互いの判断をフィードバックするのか、そういう点についても
検討の余地があるだろう、こういうふうに感じました。
これらの点についてどういうふうに考えているか、伺います。