○金田(誠)
委員 申請に必要な添付書類など、どの程度を
考えておられるか等々含めて、概要がわかるような形を早急にとっていただければありがたいと
思いますので、重ねて御要請を申し上げておきたいと
思います。
そこで、
大臣、あらかじめ通告していなかった点、一点ございます、恐縮でございますが。
先ほど江田
委員の方からの
質問に
大臣の言葉が引用されておりました。この
ハンセン病問題の本質は、民族浄化といいますか、民族主義といいますか、排外主義といいますか、そういうことが根底にあるということを
大臣が講演で話しておられたと、感銘を受けながら聞かせていただいたところでございます。まさに本質を言い当てていらっしゃるなというふうに
思いました。
その同じ御答弁の中で、なぜこれが途中で是正されなかったのかという同じく江田
委員の
質問に
大臣答えて、私、このようなメモを、ちょっと違うかもしれませんけれども、
状況をはねのける力が出てこなかったのではないか、それは
政府や
国会だけでなく、
医療やマスコミも含めてのことだということを
大臣はお答えいただきました。これまた感銘深く聞かせていただいたところでございます。
私、かねがね思っておりましたのですが、なぜこの現状を変える力が出てこないのか。
医療の世界あるいはマスコミの世界のことまでこの場で申し上げるつもりはないのですが、少なくとも
政府部内のこと、あるいは
国会内部のこと、その中でかなりの方が恐らく、強制
隔離政策このままでいいのかと疑問を持っていらっしゃったと
思います。
政府部内では大谷藤郎先生などという立派な先生もいらっしゃって、心を砕いていらっしゃった。にもかかわらず、それが
らい予防法廃止という形で移されたのは相当後になってからでございます。
国会内でも、実は先般橋本前総理が、
国会の不作為はある、
自分は非常に
努力をしてきたんだがという話を議連の集会でされておりました。多くの方がそういう
思いを持ちながらも、それをはねのける力が、
大臣おっしゃるように出てこなかった。この仕組みを解明しなければ、本当の
意味で反省したということにはならぬのではないかというふうに私
思いながら聞かせていただいたところでございます。
そこで、私かねがねこの問題について
考えていることが一点あるわけでございます。
といいますのは、例えば
国会の場合、
衆議院だけでも五百人、その中で何人がその
思いを持つか。過半数がこの
思いを持つというのは至難だと私は思うわけでございます。近くに
療養所があるとか、何らかの形で直接触れたという経験でもなければ、なかなかそういう気持ちは持ち得ない。
そこで、例えば、一人でも二人でもそういう
思いを持った
国会議員がいれば、例えば
らい予防法廃止法案というものを一人でも二人でも提案できる仕組みというものが
国会にあれば、また別な展開があり得たのではないか。今は提案もできません。国対の判こというものが要る。党議決定というものが要る。これが
国会の機能を縛ってきたのではないのかな。
提案をして、それが審議され採決に移されるかどうかわかりませんが、少なくとも一人一人の
国会議員の良心に基づく行動、これを
保障する
国会のシステム。
大臣、
国会議員のお一人として、感想だけでも構いません。
それともう
一つ、あわせて申し上げるとすれば、
政府部内でも恐らく、現場の
施設長さんなり本省のどなたかなり、これに心を砕いた方もいらっしゃったと私は思う。しかし、局長さんであってもこの現状を変えるということは実際至難だと私は思うのです。私がもし担当の局長だったとして、本当に変えられるだろうか。恐らく二年程度しかその職にもとどまることはないでしょう。非常に至難だ。
今のシステムの中に、この現状を変える、
大臣、力がそこまでわいて、力が出てこなかったということは、システムの問題。一人一人の
思いはあってもシステムがそれを許さなかったのではないか。恐らく一般の民間会社でも、そういう現場の声なりに反応して変えられる会社が伸びる会社で、お客様の声をキャッチしても実際の行動に移せない会社というのは、私は衰退する会社ではないのかな。今、
国会のシステムも
政府のシステムも、この衰退するシステムになっているのではないか。
思いがあれば、それを実行に移すルート、チャンネル、こういうものが
整備され
保障される
国会には、先ほど申し上げたとおり。
政府部内でも、そういう検討がされてこそ
再発を許さないという仕組みになっていくのではないかな。
通告したことと別なことを申し上げて本当に恐縮でございますけれども、
大臣、感想をお聞かせいただいて、できることなら御検討いただければありがたいと思うわけでございます。