○加藤(公)
委員 いいですか。
平成十一年九月二十日までに、閣議決定された
指導監督基準に合わせなきゃいかぬ、適合させなければいかぬということになっていたにもかかわらず、その間、
平成九年の七月には
KSDから寄附行為の変更の申請が来て、その段階で評
議員会は設置されていなかったんです。
平成八年九月二十日に閣議決定されて、評
議員会を置かなきゃいけませんよということが決まって、三年後までにそう改善をしなきゃいけないというふうに経過措置はあったものの、その後の
平成九年七月に
KSDから寄附行為の変更の申請があったんです。その段階では評
議員会は置かれていなかった。だけれ
ども、
労働省としてその寄附行為の変更を許可しちゃったわけですよ。
本来であれば、その段階で、寄附行為変更をするんだったらちゃんと評
議員会を置いてこいと言えばいいものを、すんなり通しちゃった。これは結局、何も
指導していないのと同じなんですよ。ずるずる、
平成五年、六年から
口頭で注意しました、あるいは三年間の経過措置の間に何とかなると思っていましたと言っているうちに、ここまで大きな問題になっちゃったわけです。
結局、この問題というのは、だれが悪い、かれが悪いの前に、百七万人とも言われる
中小企業の
経営者の方を中心とする会員の方の会費がどんどんその意思に反してむだ遣いをされた、自分の
気持ちと
関係ないところにお金が流れた、ここに問題があるわけですよ。当然、
皆さんの周りにも会員の方はいらっしゃると思うし、私の周りにもいますが、この
事件発覚以降、かんかんになって怒っていらっしゃる。何のために毎月二千円払ってきたんだ、そのお金を返してほしいぐらいだ、こう言っていらっしゃる方は大変多くいらっしゃるわけです。退会者もふえている、当然のことだと思います。
そういう
事件を起こさないためにこそ、本来はここできちんと、もっと強い命令を発するべきだった。
口頭の
指導、注意じゃなくて、命令を発すればよかったわけです。
さらに言いますが、
平成十年の秋口、十月から十二月ごろにかけてでありますが、私
ども民主党の一部のスタッフが、既にその当時、
KSDの問題について察知をいたしておりまして、当時の
労働省に対して、これは大きな問題がある、疑惑があるから
解明してほしい、
立入検査をして
指導すべきじゃないか、こういう要請をしたわけであります。
その中には、
KSDが
KSD豊明会を通じてどうも
政治献金をしているぞ、このお金の流れが怪しいぞ。あるいは、
古関前
理事長が相変わらず
私物化しているぞ、このままでいいのか。あるいは、本業の
災害補償共済、これは約三〇%しか支出をしていない。本業が三割で残りが
福利厚生事業だ、こんなことで本当にいいのか。確かに寄附行為の一部には
福利厚生事業というのも書いてあるかもしれないけれ
ども、本業はあくまでも
災害補償のはずです、この団体は。さらに、基本財産とかあるいは補償準備積立金までも、どうもこの運用が怪しい。本当に抜き打ちで
立入検査をすれば、これが準備されているかどうかすら怪しい、経理が怪しい、こんなところまで
指摘をしていたわけです。
しかし、こうした
指摘に対しても全く適切な対応がなされなかった。
当時の労働基準局からはお返事をいただいておりまして、その中には、さらに
指導の強化に努めてまいりたいという文言も入っております。そして、
KSDの
補助金の使途が明確でないことに問題がある、
平成十一年度から
補助金とそれ以外の収入を区分処理する、別勘定にするように
指導しますということも書いてある。そして最後には、特に問題がある場合には監査等を行い、適切な
指導に努めるということでこの
文書はまとめられているわけです。
いいですか。そこまで返答をしておきながら、一切その厳しい適切な
指導監督が行われなかった。
さらに言うと、
KSD豊明会から
政治家に、そして
政治団体にお金が流れているという事実がございます。
平成十年は、
KSD豊明会から自由民主党東京都豊明支部に対して、五百万、一千万、一千万、五百万、二月、四月、六月、八月とずっと寄附が行われていました。二カ月ごとに行われてきたこの寄附、二十六日もしくは二十七日でそろっていますから、ちょうど二カ月ごとに寄附をしてきたのでしょう。しかしこれが十月には、私
ども民主党から今申し上げたような点を
指摘したものだから、それ以降ぱたっと寄附がやんでいます。ところが、翌年になりますとまたこれが、ちょうど一年たってほとぼりが冷めたとでも思ったのでしょうか、
平成十一年の十一月二十五日、そして十二月二十五日、合わせて四千万円が自由民主党東京都豊明支部に
KSD豊明会代表
古関忠男さんの名前で寄附がされているわけです。
このように、
指摘をされて、改善をしてほしい、
立入検査をしてほしい、こういう要望をしたにもかかわらず、そしてまた閣議決定があったにもかかわらず、適切な強制力のある命令というのが行われてこなかった。これは、振り返って
反省していますではやはり済まないんじゃないか、厳しくここは
責任を追及していく必要があるんじゃないかと思いますが、この点、
大臣の御
認識を伺いたいと思います。