○山田(敏)
委員 今の副
大臣の意見と
塩川大臣の意見はちょっと違うんですが、
塩川大臣は、
道路をつくる
計画はいいんだけれ
ども、しかし、
地域の
開発計画というのはないのに、ほとんど人のいない、
産業のないところに
高速道路をつくるとこれは大変なむだになって、
国民の
負担は大き過ぎる、こういう御意見でございます。
さっきも申し上げましたが、じゃ、北海道に
高速道路は要らないのか、北海道にもどんどん
高速道路は要るじゃないかということをおっしゃいました。これは、この
高速道路を走ってみたらわかるんです。何で一台も車が通らないか。下の
一般道を通ったら、ほとんど信号がないんです。一時間半で目的地に行くんです。
高速道路を通ったら約一時間半で行くんです。本当、五分か十分しか違わない。こんな
道路をつくったら、
国民はばかじゃないですから、
高速道路料金を払って目的地へ行く人はいないんです。だから、一日に千台とか、とんでもない
道路になっている。
そして、この
事業費、もう償還どころか、これは、
財投から借りたお金、それから今の
道路特定財源、
国民の税金を毎年三千億円、これを
道路公団に補助しているわけですから。そして、このようなことをずっとやっていくとますます、今の
計画だけで
道路公団は二十六兆円の債務があるわけです。そして将来、これは三十四兆円の借金になります、こういう
計画をいただいています。
しかし、その
計画の前提になるのは、今の通行量の予想、収入の予想というのがあるんです。どんどんどんどん、
高速道路が一年に約二百キロずつふえていますので、収入はふえるという予想なんです。ところが、実際には、ここの通行量のデータをいただいていますが、
平成八年からもう全然通行量が伸びなくなった。
平成十年にはさらに下がってきた。毎年二百キロ
高速道路を完成しているにもかかわらず、通行量が減ってきた。こういうデータがございます。
すなわち、
平成八年から
平成十二年まで、予想した収入はふえていない。ところが、今、三十四兆円の借金になりますという
計画では、この収入の予想はどんどん毎年ふえますという予想でやっているんです。現実には、長引く不況で通行料収入というのはふえていないんです。
ここにまた大きな問題が起こる。
特定道路財源で三千億補てんするけれ
ども、とんでもない、もっと、じゃ、五千億にいこう、一兆円にいこうと毎年借金をふやしていっているんですけれ
ども、さらにそれの国庫補助ということをやっていかなきゃいけない。
ここで、やはり
小泉内閣の閣僚でいらっしゃる、根本的に
考え直していかなきゃいけない、というよりは、ごく普通のことを普通に
考えて、こんな
道路をつくっちゃいかぬ、やめるべきだと。本当に必要なものはつくっていいけれ
ども、こんな、今言いましたように、一千億もかかって、そして利子だけで二十二億円かかるのに、収入が三億円です。それがどんどん普及する。
しかも、私、世界じゅうで
高速道路に乗りました。
日本の
高速道路料金がもうずば抜けて高いんです。しかも、首都高速なんかは、あれはとっくの昔に二十年で償却した。それをまだ七百円も取って、その償却した
道路もある。外国では、
高速道路をつくって償却したら、それはただにするんです。もう償却したんだから要らないんです。当たり前の話です。それを、世界にずば抜けた
高速道路料金を取って、そして、赤字を通り越して、ちょっとばかげた
道路だと思うんですけれ
ども、これをどんどんつくっていくということは、ちょっと目を覚まして、普通の
考えで普通に物を言って、やるべきではないときが来たんじゃないかと思うんですが、副
大臣、いかがでしょうか。