○塩川(鉄)
委員 このようなマッサージチェアは、家庭用としても今大変普及をしておりますし、また、先ほ
どもお話しした、旅館ですとかフィットネスクラブなどにも随分置かれているものであります。
私が紹介したいのは、昨年末に起こった事故です。この写真にもありますように、当時二十六歳の女性の方が、このマッサージチェアでリラックスをしていたときに髪の毛が巻き込まれて、その結果、頭蓋骨を骨折する、その後、心的外傷後ストレス
障害、このような重大な事故につながったものであります。
この写真にありますように、左側が通常の使用状態で、背もたれにはマットが敷いてあります。これをはがしますと、右側にありますようにマットを外した状態で、シートがあってその下に隠れるようにローラーがあるわけです。
この事故の場合、このシートが破れ、ローラーが露出をしていたわけです。この女性の方は長い髪だったものですから、マットとシートの間に髪の毛が入ってしまった。このシートが破れていたために、露出したローラー
部分に髪の毛が巻き込まれてしまった。そのために押さえつけられるようになって、後頭部の骨折をする、こんな事故につながったわけであります。
これは、ダイエーオリンピックスポーツクラブというところが経営するオレンジワンというフィットネスクラブでの話ですけれ
ども、ファミリー社というメーカーが製造したマッサージチェアを使っていたときにこの事故になったわけです。
結局、巻き込まれながら身動きができなくなってしまった。痛い痛いと叫んだわけです。そのとき隣にちょうど彼女の婚約者の方が一緒にいたものですから、リモコンのスイッチを切って必死で助けようとしたわけですけれ
ども、このローラーというのが、お使いになっていればおわかりのとおり、もとの所定の位置に戻る状態でとまる。ですから、スイッチを押したことによって逆にさらに巻き込まれてしまった、こういう事故だったわけですね。
ですから、婚約者の方が、ドライバーとかカッターとか、とにかく手元にあるもので髪の毛を切って助け出したわけですけれ
ども、頭痛がとまらない。そのために病院に行ったら、頭蓋骨骨折で脳出血の危険がある、七十二時間の安静と言われて緊急入院をしたということです。
この女性の方は、婚約者がいらっしゃるとお話ししましたけれ
ども、その翌日が結婚式だったんですね。ですから、いわば結婚式に向けて、ロングヘアで、髪を伸ばして、ウエディングドレスを身にまとうのを心待ちにしていたときの直前の事故だったわけで、結婚も先延ばしになったわけであります。彼女は、その後、不安や恐怖感、睡眠
障害などの症状が出て、心的外傷後ストレス
障害と診断をされて、現在も通院中であります。
このマッサージチェアによる事故は、スポーツクラブの
責任にとどまらず、製造メーカーの
責任や安全規格の不備を浮かび上がらせております。
この事故について、厚生労働省にお伺いしたいのですが、メーカーから、薬事法に基づくふぐあいの報告義務、この事故報告はいつあったのか、このメーカーに対して事情聴取を行ったのか、メーカーに対しどのような指導を行ったのかをお尋ねしたいと思います。