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山田(敏)
委員 ここに、
ニューサンシャイン計画、
大型風力発電システム開発、これの
産業技術審議会評価部会の
評価委員会の
報告書がございます。すなわち、
大型風力発電システムの
評価、今まで
研究開発が行われてきた
評価がされているわけでございます。私、この
評価を読みまして、改めて
評価委員会の
評価をしなきゃいけないと、要するに、ここに書かれている
評価が正しい
評価が行われていないということでございます。簡単に申し上げます。
まず、運営、
マネジメントはどうだったのか。今言いましたように、非常に長期間にわたって風力発電が
研究されたわけですが、プロジェクトの運営はおおむね妥当であったと判断されると書いてございます。それから、いろいろな
評価については、
目的は達成された、妥当であったというのが
評価なのでございます。
しかし、今、御存じのように、風力発電については、
日本の
技術レベルはヨーロッパに比べて約十年間おくれております。今北海道で行われようとしております
日本鋼管のウインドファームなんかも、この間ヒアリングいたしましたが、この
技術、
材料はすべて、一〇〇%オランダ製でございます。
日本の
技術では太刀打ちできる部分はもう何もないという状況でございます。さらに、このプロジェクトで
目標といたしました発電コストでございますが、ヨーロッパの
技術では既に五円とか七円とか、数カ月の間にさらに二〇%コストダウンができたとか、もう既に
日本ははるかかなたにおくれていってしまったわけですね。
それがこの
評価委員会の
評価であるべきで、そこに何が
原因でこういうことになったのか、巨額な国の税金が使われて、その結果何が
原因であったのかというのが書かれているのがこの
評価委員会だと私は思って読んだんですが、今申し上げましたように、おおむね妥当であったという結論でございます。
そこで、風力発電を例にとりまして、では
日本の
技術開発は何で十年間ヨーロッパにおくれたのかというのは、
大臣御存じのとおり、ドイツでは十年前に電力の買い取り義務というのを
法律で決めたわけですね。その時点では、確かに、ここに書かれた、
目標とされた風力のコストとか
設備投資のコストとかいうのは高かったわけですが、電力の買い取り義務というのを導入してどんどん下がっていったわけですね。その結果が、御存じのように、ドイツでは七百万キロワットという非常に大規模な、オランダ、デンマークもそうですが、
産業としても三千億円から四千億円のマーケットができて、数万人の新たな雇用が生まれて、そして今やデンマークなんかは国際的な大
企業ができまして、風力ビジネスとして、
アメリカ、
日本、大変な
産業として成長しております。
この段階に来て初めて、この
サンシャイン計画でやった
研究開発の方式というのを、どんどん
世界が進んでいっているときにこれをやり続けたわけですが、やっている間に、こういうものは詳しく読むとわかるんですが、ああ、どんどんヨーロッパに比べておくれているな、五百キロワットのものをやろうと思ったら、もう既にヨーロッパでは商業化されている、
日本では今から
研究開発をやるというようなことが書かれております。
ですから、このやり方そのものが、やること自体が、どんどん
お金を使うだけで、結果的にここにできた
成果は
世界的にも
日本の中でも通用しない、何にも役に立たないものになってしまったわけですけれ
ども、その時点でやはり
マネジメントというのが非常に大事だったんじゃないか。そして、
日本ではそういう政策をとられなかったわけですから、これはもうやめよう、幾らやってもだめだ、あと三百億使ってもドイツやデンマークにかなわないというのは早い段階でわかったわけですから、普通の
マネジメントでしたら、これはもうやめた方がいいというところでございます。しかし、これはずっと続けられてこういう結果になったわけです。
大臣、今
我が国がやろうとしている
技術開発は、ほとんど
国際競争力から見て、国際的な競争ができるかどうかということでやっているわけですから、国の政策がこういうふうにしっかりバックアップされていないと、ただ
研究開発をやりましょう、重点的にやりましょうということであればほとんど
成果はない、それからもう
一つ、やはり勇気のある迅速な決断をやらないと大きな税金のむだ遣いを起こしてしまうということがあると思うのですが、その点についてはいかがお考えでしょう。