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平沼国務大臣 五点についてのお尋ねがございました。
第一点目は、
景気が緩やかな回復基調にある、こういう
政府見解があるけれ
ども、実際はどの辺を指して言っているのか、こういう御
指摘でございました。
これは
委員も御承知だと思いますけれ
ども、
企業収益の改善、こういうことは非常に昨年から大幅に改善されてきた、それから、若干最近鈍化しておりますけれ
ども、
企業の
設備投資、こういった面も非常に改善をされてきた。そういった形で、昨
年度のいわゆる
成長率は一・二を確保することができ、また本
年度は一・七の達成は可能であろう、こういうことで、我々としては緩やかな回復基調にある、こういう
認識を持っております。
御
指摘の
アメリカの
景気動向が、IT関連を中心として非常に厳しい
状況になってきています。こういう中で、
日本の
経済も一服感があるわけですけれ
ども、しかしこれは、補正予算を確実に実行する、あるいは
平成十三
年度の予算を一日も早く成立をして、八十兆円を超えるそういった
経済効果を期待する、こういったことと、あと、
経済構造改革を着実に進める、それから
企業にインセンティブを与えるいろいろな
対策を講じていく、こういったことで我々としては今後努力をしていきたい、こういうふうに思っております。
また、最近、大変輸入急増で、セーフガードの問題が起こってきております。一昨日も実は、御承知のようにタオル業界の
皆様方から正式な御要請がありました。これは、例えば繊維のセーフガードというのはWTOの繊維協定の中でルールとして認められていることでございますので、事務方に、これは迅速を旨とするから、早く作業に入ってそして結論を出すようにすべきである、こういうことで私から
指示をさせていただいたところでございます。
そのほか、既に農産物の問題等々こういうふうにありまして、やはりこれから特定業界のセーフガードというのはまだ出てくる可能性があると思いますけれ
ども、私
どもとしては、国際ルールそれから国内規則、これにのっとって、的確にこの問題には
対処をしていかなければならないと思っております。
それからまた、
経済協力、ODAをやって、そしてその結果、逆にそこに最新の技術、これは
日本からの技術でそういう工場ができて、逆にそれが国内市場を圧迫している、こういった
対策をとらなきゃいけないじゃないかということは、私は事実としてあると思います。
例えば今、具体的には、セーフガードを
検討しているいわゆる養鰻業界、ウナギの養殖、ここなどは中国が非常に攻勢をかけてきて、養鰻業者が非常に厳しい
状況になってきておりますけれ
ども、実態を調べてみると、ODA予算で向こうの養鰻業が根づいてしまっている、こういうことがあります。
したがって、健全な
経済発展の実現を目的として、
政府開発援助の大綱を踏まえ
経済協力をしていく。
日本にとっては、ODA、
経済協力というのは大切なことでございますけれ
ども、しかし、今言ったような御
指摘の点もございますので、やはり関係省庁としっかりと連絡をとって、そういった
経済援助によって国内産業が被害を受ける、そういう実態がないことを我々としては留意してやっていかなければならないと思っております。
また、
企業の整理統合など思い切った
構造改革が必要、しかし、結果として
中小企業に大変大きな影響が出ている、こういうことでございますけれ
ども、私
どもはこの辺の
認識を十分持っておりまして、
中小企業の円滑な
資金供給の確保を図らなければいけない。また、IT革命、これからはITの
時代でございますから、IT革命への
対応に対しての支援策を講じていく。それから、
経営支援体制をいかに構築していくか、こういった充実を期していかなければならない。
それからまた、前向きな取り組み等にもかかわらず、大
企業の統合整理などの影響によって連鎖倒産、こういったおそれのある
中小企業に対しては、先ほど来
議論が出ておりますけれ
ども、
政府系金融機関からの低利
融資、また
信用保証協会による
保証をする、それから
中小企業倒産防止共済
制度、こういう形でセーフティーネットの構築に万全を期していかなければならない、このように思っております。
最後の御
質問ですけれ
ども、ドイツのメルセデス・ベンツの例を出されましたけれ
ども、
中小企業が下請的体質から脱皮をして自立できる、そういう体制をつくるべきだ、こういう御
指摘でございますけれ
ども、私は、そのとおりだと思わせていただいております。
経済産業省といたしましても、下請
中小企業に対する
対策といたしまして、
取引先企業に対して積極的な技術的な提案を行う下請
中小企業を対象とする試作品の製作等に対する補助も行ったり、今申し上げた
中小企業のIT革命への
対応の支援、それから
金融機関による運転
資金あるいは設備
資金に対する援助、それから下請取引のあっせん事業による新たな受注開拓の支援、こういった幅広い支援策を講じていきながら、
中小企業が下請的体質から脱皮をして自立できる、そういった体制をつくるためにこれから万全の努力をさせていただきたい、このように思っております。