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樋高委員 自由党の
樋高剛でございます。きょうも発言の機会をいただきまして、ありがとうございました。
大きな道路のそばを歩いておりますと、本当にたくさんの
自動車、そして大きなトラックが走っておりまして、これらから
自動車のたくさんの排気ガスが出されておりまして、道路沿いを歩いているだけでもとても臭くて気分が悪くなってしまうというのはだれもが感ずることではないかと思うわけであります。
特に、
ディーゼルトラックのマフラーから本当に真っ黒い煙が出ているのを見ますと、あんなものを含む空気を自分たちはみんな吸っているのかなということを思いますとぞっとするわけでありますし、また、特に成長期にありますゼロ歳からの子供たち、
日本の将来を担うであろう子供たちの健康のことを考えますと、本当にいたたまれなくなるわけであります。
そうした大きな道路、国道沿い、道路沿いにもマンションがたくさん建っておりまして、たくさんの人が住んでおります。こうした人たちは、毎日二十四時間、
自動車排ガスをたくさん含む空気を現実に吸って生活を強いられているわけであります。私は、こういう状態はとても許されるものではないと思うわけであります。
もちろん、
自動車が現代社会の中で必要不可欠なものであるということは否定いたしません。しかし人間は、この世に生をうけてから、生まれてから死ぬまで休むことなく呼吸をし続けるわけでありまして、有害な
物質を含まない安全な空気を吸いたいということはごく自然のことであります。安全な食べ物を食べたいという欲求以上に人間にとって本当に基本的なものではないかと思うわけでありまして、担保されなければいけない本当に必要最小限の条件ではないかと思うわけであります。
さて、
環境基本法におきましては、その第十六条に、
大気につきましても
環境基準、すなわち、人の健康を保護して生活
環境を保全する上で維持されることが望ましい
大気中の汚染物資の量の基準を定めるべきこととされておりまして、政府はその
達成に努めるべきものというふうにうたわれているわけであります。
過去を振り返ってみますと、
環境庁の時代でありますけれども、昭和四十八年には
二酸化窒素に関する
環境基準を定めまして、その中で、原則として五年以内、つまり昭和四十八年から五年以内に、遅くとも八年以内にこれを
達成するということを一たん定めたわけであります。しかしながら、昭和五十三年には基準値を緩和しました。そして、
達成目標期間を昭和六十年まで引き延ばしをなさったわけであります。ところが、昭和六十年になりましても、実は
二酸化窒素に関する
環境基準は
達成されなかったというのは御案内のとおりであります。
その後、
平成四年になりまして
現行の
自動車NOx法が制定されまして、
二酸化窒素に関する
環境基準を
平成十二年度までに
達成することと定められたわけであります。しかし、
自動車NOx法は、
事業者指導を各事業所管省庁に丸投げしてしまうという
実効性がないものであったわけでありまして、唯一
意味のある特別の排出基準についても大幅な猶予期間を設けてしまって、結局
効果が余り上がらなかったというのが現実であります。この結果、
二酸化窒素に関する
環境基準は現在も未
達成の
地域がたくさん存在するというのが
状況であります。
今回の
自動車NOx法の
改正案につきましても、その趣旨は大変結構なことだとは思います。しかし、過去の経過を考えますと、果たしてこの
改正案で
環境基準が本当に
達成されるのかどうか、若干疑問も幾つかわいてくるわけでありまして、
質問させていただきたいと思っております。
まず、
現行法の運用について伺ってまいりたいと思います。
平成四年十二月に
自動車NOx法が施行されましてから八年以上がたちまして、
達成年限とされていたのが
平成十三年三月、つまり本年の三月、もう既に過ぎておりますけれども、今回、
自動車NOx法の改正をするに当たりまして、なぜ
達成期限に至りましても
環境基準の
達成ができなかったのか、やはりその
原因からはっきりさせていくことがまず必要ではないかと思うわけであります。
自動車NOx法という、大都市
地域の
自動車によります
大気汚染に着目して
対策を講ずる
法律をつくりながら、なぜ
環境基準の
達成ができなかったのでしょうか。お伺いをしたいと思います。