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山田(敏)
委員 大臣、PFIについて認識を誤っていらっしゃるんですが、PFIというのは公共
事業なんです、今おっしゃったとおり。
民間の
事業ではないんです。公共
事業、国が
責任を持って行う
事業。ただし、それを行う手法がPFIという手法でやるということなんですね。ですからPFIというのは、病院をつくるケースもあります、美術館もあります、地下鉄もあります、高速道路もあります。しかし、そのケースケースで
民間と
政府が契約を結んでやるものなんです。ですから、これがPFIという定型的なものはないんですね。
お手元に資料がございます。お配りしました。これは、イギリスが九〇年代の初めに、大変な不景気で、そして財政危機、そして失業者が多い、しかし公共
事業を進めていかなきゃいけないという今の我が国と非常に似ている
状況、そのときにイギリスが始めたPFIという手法でございます。
九三年に始まりました。一番下の段にPFIと書いてあります。これは一億ポンド、ですから約二百億円弱ですね。そこから始まって、毎年毎年この手法を繰り返していって、だんだん規模を大きくして九九年には四十二億ポンド、すなわち約七千億円ぐらいの公共
事業を
民間がやっている。ここまでやってきた。これは、PFIでやるのがいいんだ、これを進めるんだという
行政のトップの強い意思が要るんです。これがPFIができる理由なんです。
本
会議で申しましたタイの例ですが、タイは空港から市内までの高速道路をやりました。これは華僑の
民間のグループが建設しまして、三十年間でペイする、高速道路の料金を受け取って償還をして、三十年後に国にただで返す。そして、
国民はこの高速道路をただで使える。これは一円も国家の予算は使っていません。それから、モノレールをやっています。地下鉄をやっています。これも
民間の資金の活用、ただし、
政府が、保証とか
責任とか、その契約の中で使う。タイという国は大変小さな
政府です。
国民が税金を払いません。しかし、高速道路も要ります。地下鉄も要ります。どうしてもやらなきゃいけない。どうしてもやらなきゃいけないという意思があるからこれはできるんです。
今回の
PCBの
処理施設は、今申し上げましたように、三十年間国が
行政の
責任でこれを行わなかった。外国ではもう二十年前に既に
処理をやっちゃったんですよね。その
責任を、
国民の税金でやりましょうという
考え方は、
国民としては納得できない。ただし、このPFIという手法を使ってやれば、
国民の税金を使わないで効率的に運用ができる。しかし、今認識を誤解されているのは、これは
民間がやるんじゃないんです。公共
事業なんです。公共
事業を
政府が保証して、
責任を持って、
民間のノウハウと資金を使ってやるというやり方なんです。
一つ例を申し上げます。福岡市が清掃
工場をやりました。大変最先端の清掃
工場を福岡市が完成いたしました。これはPFIでやりました。結果は、半分の予算でできました。しかも最先端の
技術のものを、もう見積もりの
段階から違っておりました。これは一円も
国民の税金を使っておりません。
それから、岡山市の例がございます。これは三丁目劇場という劇場をつくりました。この両方のケースも、市長が非常に強い意思を持って、PFIをやるという
決意を持って臨まれました。岡山市の場合は、劇場をPFIでつくって、劇場の運営、管理、すべて
民間の資金と活力でやっております。
今申し上げましたとおり、PFIでやった場合には、今お
考えになっているコストよりはるかにコストダウンを図れる、そういう場合もあります。それから、電力会社は既に
処理施設を持っております。PFIでやった場合には、既にある
処理施設を使うということもできます。そうすると、今中小企業は大変な、
トランス一台五十万円というようなお金は
処理に出せないというような場合も、既にある
処理施設を使ってこれをやった場合には非常に安く、例えば五万円とか十万円でできるというケースもあります。
これを、今回の
法案にPFIでやるんだという意思を示さないと、今後の運営が、ましてや
環境事業団は、これは時間がなくてあれなんですけれ
ども、
環境事業団は一度も
PCBに対して
経験がない、人材もないところですから、そこで新たに
環境事業団がやるということになると、今までの不良債権一千億円とか、国立公園にホテルをつくってそれが全部だめでしたとか、いろいろなことをやってきた
事業団にこの
事業を新たに
国民の税金を使ってやらせるという案は、これは到底納得できないものと思います。
大臣、いかがお
考えですか。