○金子(哲)
委員 いや、それは何回
答弁を聞いても
答弁になりませんよ。
では、なぜ何年度までにはとめようということがこの中へ載らないんですか。この基本計画は長期なものでしょう。その中に、少量だったらとり続けてもいいと基本計画に盛り込むこと自体がおかしいんじゃないですか。愛媛県も中止の方向を
検討しているのならば、なぜその
検討のことがこの基本計画の中に入って明確に中止にならないんですか。
しかも、先ほどの
答弁のように、今年度まで漁獲も含めて
調査をして、十三年度にはその
調査結果も発表するということになっているわけでしょう。その結果も待たずになぜこの計画ができたかということは、私は極めて残念でなりません。
ですから、これから
環境省の
責任として、とにかく早く海砂の採取が中止になるように、
関係の県に働きかけをぜひしてほしいと思います。もう
一つ質問があるので、この点についてはそのことを要望して、基本計画は決まっていますけれ
ども、ことしの
調査結果に基づいて改めて
検討をぜひしてほしいということを申し上げておきたいと思います。
もう
一つ、瀬戸内海にかかわる問題で御質問したいのは、瀬戸内海は今や自然
環境が、自然の海岸が非常に破壊をされている。ある市民団体の
調査によれば、自然
環境が昔と比べて悪くなったと考える人は九〇%、自然海岸をぜひ残してほしいというふうに思っていらっしゃる方は九五%です。今、自然
環境を残していくということはもうぎりぎりのところに来ていると思います。
その中で、今山口県の上関に中国電力が原子力発電所を立地したいということで、
環境評価準備書などを提出されて、昨年の二月には
環境庁長官の意見もあって再評価をされたということであります。
その点についてはいろいろありますけれ
ども、この海域が瀬戸内海では大変残された、非常に貴重な生物等が生息している
地域だということが、私
どもが言うのではなくて、
日本生態学会中国四国地区会の皆さんが
調査をされた結果、言われております。「周防灘東部に位置する上関町長島の
環境や生物相は、固有種の存在や、希少種の多産、種相それ自体の豊かさなどから、疑いなく現在の
日本が
世界に誇るべき財産の
一つと言えます。」ということを言われております。
私も十月に現地
調査に行ってまいりましたら、実は先ほどの砂採取と
関係があるんですけれ
ども、広島県に回遊をしておりましたスナメリクジラが最近は広島県沿岸には来なくなっております、これはイカナゴとかいろいろなこともありまして。ところが、上関の長島周辺には大変多数のスナメリクジラが検出をされております。
それから、私も行ってみましたけれ
ども、例えばナメクジウオ、広島県の三原市沖にナメクジウオの生息地がありまして、ここは海砂採取の禁止区域に指定をしておりましたけれ
ども、瀬戸内海は閉鎖水域でも海流が流れておりますから、全体のそういう
影響があってそこのナメクジウオも減っておるんですが、この長島
地域では、私自身も行って見てまいりましたが、まだ生息をしているということで、いわば本当に多種の新種も海生生物の中に発見をされているということが言われております。
そういう
意味でいいますと、先ほどの瀬戸内海
環境保全の
立場からいって、また、自然海岸を残す、それから
大臣が先日の
所信表明でもおっしゃいましたように、豊かな自然
環境の保全ということからいいましても非常に大事なことだ。
この生態学会の先生は、私たちは原子力発電所に賛成とか反対とかいう
立場ではありません、そういうことを抜きにして、今この
地域の生態系を
調査をさせていただいたら、非常に貴重なものがたくさん残っていて、何とかこれを残してほしいという思いが強いということをおっしゃっておりました。
もちろん、いろいろな
審議会とか手続があると思いますけれ
ども、私は、そのことについて
環境省としてしっかりと受けとめていただいて、場合によれば
環境省の独自
調査も含めてやっていただいて、この
地域がどれだけ瀬戸内海の今の破壊された
環境の中で残された貴重な場所かということをぜひ
検討していただきたいということを要望申し上げたいと思います。
もし、
大臣のお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。