○伊藤(英)委員 民主党の伊藤英成でございます。
まず最初に、先般の二月十日の
ハワイの沖で起こりました宇和島水産
高校実習船
えひめ丸が
アメリカの原子力潜水艦グリーンビルによって衝突、沈没いたしましたあの悲惨な
事故について質問をいたします。
私
ども民主党といたしましてもこの問題については真剣に取り組んでまいりましたので、そのことについても経緯をちょっと申し上げたいのですが、あの
事故が起こりまして直ちに民主党のネクストキャビネットの
外交・安全保障担当
大臣という
立場で、私の名前で談話も出させていただきましたり、それから党としても対策本部を設置し、そしてすぐに政府に対しましても、そしてまた同時にフォーリー大使に対しましても、
アメリカ政府に対する申し入れをさせていただきました。
そのときの申し入れの要点だけ申し上げますと、そのときに申し上げましたのは、申し入れ書の中にも書いてありますけれ
ども、ともかくこの問題がどんなに重大な
事故であるか、そしてこの
事故の対応についての米国側のやり方いかんによりますと、まさに
日本の国民の対米感情あるいは
日米関係にも重大なことになり得るのではないかという懸念を表明させていただきながら、そのときに、政府に対しては計七
項目の要請をいたしました。
それは、
一つは、九名の行方不明者を一刻も早く救出するようにあらゆる措置を講じていただきたい。
二つ目には、沈没した
えひめ丸の
引き揚げについてあらゆる手段を講じること。
三つ目には、
アメリカ政府との連携を密にして、
事故処理に必要な
情報収集等に万全を期すこと。四つ目には、徹底的な
事故原因、責任の所在を解明するとともに、その結果をいち早く公表すること。五つ目には、生徒たちを初め
関係者の心のケアも含む被害者対策等について万全を期すこと。六つ目には、実習船の安全確保について、二重三重の再発防止策を講じること。そして
最後には、潜水艦の訓練のあり方などについて再検証するよう
アメリカ政府に要求すること、こういうことについて、あの
事故が起こった直後に申し入れもしたりしたわけであります。
そして、二月の十六日から二十三日までの八日間、民主党の訪米
調査団として私は
ハワイ及びワシントンに行ってまいりました。もちろん
ハワイでは、そのときに、国家運輸安全
委員会の
方々やら、あるいは太平洋軍司令部、太平洋艦隊司令部、そしてまた沿岸警備隊、それぞれの責任者にもお会いしたり、同時にまた、地元でこの被害者のための大変な支援活動もしてくださっておりまして、募金活動をしてくださっております。そうした募金活動をしてくださっている責任者の方に感謝の言葉も申し上げながら、いろいろと懇談もさせていただいたり、あるいは同時に、テレビでも募金を呼びかけることをいろいろやってくださっているテレビもありました。そのテレビ局の社長にもお会いしてお礼も申し上げながら、いろいろな活動をしたり、あるいは現地のテレビのインタビューやら新聞のインタビューにも応じながら、私たちの
考え方やら、あるいは今後の
日米関係の問題についてもいろいろと
お話をしたりいたしました。そして、もちろん
ハワイでは御家族の
皆さん方にもお会いをして、本当に悲痛なまでの、まさに胸を引き裂かれるような
思いでいろいろな
お話も伺ったりいたしました。
そして、その後ワシントンに参りまして、二十日でございましたけれ
ども、ワシントンでは、
外務大臣も御承知かと
思いますが、パターソン国家安全保障
会議の大統領特別補佐官、そしてまた国務省ではハバード国務次官補代行、そして国防総省ではスミス国防次官補代行ほか、
関係者の
皆さん方と、この問題について、かなりの長時間いろいろ
お話もしたりいたしました。
私たちとしては、先ほどの政府に申し入れた内容、そういうようなことも
思いながら、そういうことをしっかりと申し上げながら、同時に、
ハワイで伺った家族の
皆さん方からのいろいろな御
意見やら意識やら、そういうこともしっかりと伝えながら、いろいろやってきたつもりであります。
そして、昨日、鳩山代表と一緒に現地宇和島の方に参りまして、水産
高校の校長先生やら行方不明者家族の会の代表の
皆さん方やら、あるいは愛媛県知事、そしてまた宇和島市長等にもお会いをして、いろいろな
お話も伺ったりしてまいりました。もちろんみんなそうなんですけれ
ども、この問題がどんなに本当に悲惨なものか、
高校生の実習船が、あの原子力潜水艦に一方的に、まさに人災という形でこの
事故が引き起こされて、みんながこの問題についての憤りも感じているわけですよね。私は、そうしたことについても
アメリカのそれぞれの
関係者に申し上げたんです。
行方不明者の捜索の問題から
えひめ丸の
引き揚げの問題、あるいは原因究明やら責任者の所在の解明の問題、あるいは再発防止等々について、もちろんこの被害に遭った
方々への支援やら補償の問題等々、本当に重大な話ばかり。そんな
意味で、政府におかれましても、もちろん今それぞれ
全力で取り組んでいらっしゃると
思いますが、この問題がどんなに重要か。被害に遭ったそれぞれの
皆さん方にとって、どんなに大変なことなのか。同時に、
日米関係にとっても、これからこの問題がどんなにか重要な、あるいは重大なことになっていくのではないかと私は思っております。
そういう
意味で、まず最初に
外務大臣に、今回のこの悲劇的な人災
事故について、今申し上げたように、米国の対応次第では本当に
日米関係に重大な影響を与えるであろうというように私は思うわけでありますけれ
ども、
外務大臣として、この
日米関係に与える影響についてどんな御認識を持っていらっしゃるか、それについて伺います。