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2001-03-21 第151回国会 衆議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第4号
公式Web版
会議録情報
0
平成
十三年三月二十一日(水曜日) 午後一時三十七分
開議
出席委員
委員長
大木
浩君
理事
嘉数 知賢君
理事
下地
幹郎
君
理事
鈴木
宗男君
理事
宮腰 光寛君
理事
鍵田
節哉君
理事
川内 博史君
理事
一川 保夫君 相沢 英之君
小此木八郎
君 小渕 優子君 北村 直人君 林 幹雄君 松宮 勲君 吉川 貴盛君 吉野 正芳君 荒井 聰君 加藤 公一君
木下
厚君 小林 憲司君 平野 博文君 田端 正広君 赤嶺
政賢君
東門美津子
君 …………………………………
国務大臣
(
沖縄
及び
北方対策担当大
臣)
橋本龍太郎
君
内閣
府副
大臣
仲村 正治君
防衛庁
副
長官
石破 茂君 財務副
大臣
村上誠一郎
君
国土交通
副
大臣
泉 信也君
外務大臣政務官
桜田
義孝
君
政府参考人
(
内閣府政策統括官
)
襲田
正徳
君
政府参考人
(
内閣
府
沖縄振興局長
)
安達
俊雄
君
政府参考人
(
警察庁生活安全局長
)
黒澤
正和
君
衆議院調査局
第一
特別調査
室長 飽田 賢一君
—————————————
委員
の異動 三月二十一日
辞任
補欠選任
武部
勤君
小此木八郎
君 同日
辞任
補欠選任
小此木八郎
君
武部
勤君
—————————————
三月十六日
沖縄振興開発特別措置法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第一三号) は本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
政府参考人出頭要求
に関する件
沖縄振興開発特別措置法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第一三号) ————◇—————
大木浩
1
○
大木委員長
これより
会議
を開きます。 この際、
桜田外務大臣政務官
から発言を求められておりますので、これを許します。
桜田外務大臣政務官
。
桜田義孝
2
○
桜田大臣政務官
本年一月、
外務大臣政務官
に就任いたしました
桜田義孝
でございます。
大木委員長
を初め
委員各位
に謹んでごあいさつを申し上げます。
外務大臣政務官
としての職責を果たすべく、
河野外務大臣
の
指導
のもと、精力的に活動してまいる所存でございます。
大木委員長
を初め本
委員会
の皆様の御
指導
と御協力をいただけますようよろしく
お願い
申し上げます。(拍手)
大木浩
3
○
大木委員長
ありがとうございました。 ちょっと
速記
をとめてください。 〔
速記中止
〕
大木浩
4
○
大木委員長
それでは、
速記
を起こしてください。 ————◇—————
大木浩
5
○
大木委員長
内閣提出
、
沖縄振興開発特別措置法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
といたします。
趣旨
の
説明
を聴取いたします。
橋本沖縄
及び
北方対策担当大臣
。
—————————————
沖縄振興開発特別措置法
の一部を
改正
する
法律案
〔
本号末尾
に掲載〕
—————————————
橋本龍太郎
6
○
橋本国務大臣
ただいま
議題
となりました
沖縄振興開発特別措置法
の一部を
改正
する
法律案
について、その
提案理由
及び
概要
を御
説明
申し上げます。
政府
は、
沖縄
が
本土
に
復帰
して以来、
沖縄振興開発特別措置法
により、三次にわたり総合的な
沖縄振興開発計画
を策定し、及びこれに基づく
事業
を推進するなど特別の
措置
を講じ、もって、
沖縄
の
振興開発
を積極的に推進してきたところであります。 しかしながら、
本土
からの
遠隔性
、
島嶼性等
の
不利性
に加え、広大な
米軍施設
・
区域
の存在など
本土
とは異なる事情を抱え、
沖縄
の
経済社会
は依然として厳しい
状況
にあります。 このような中で、このたび、
沖縄
の
リーディング産業
である
観光
の
振興
に資するため、ここにこの
法律案
を提出した次第であります。 以下、この
法律案
につきまして、その
概要
を申し上げます。
旅客
が
空港
内の
旅客ターミナル施設
内で
輸入品
を購入し、携帯して
沖縄
から出域する場合の
関税
については、
平成
十年の
沖縄振興開発特別措置法
の
改正
により、
輸入
の際に
関税
を賦課して後に払い戻す
措置
を講じておりますが、これを
保税状態
のまま販売できる
免税措置
に改めることとしております。 これにより、
沖縄観光
の
魅力
をさらに増進することができるものと
考え
ております。 以上が、この
法律案
の
提案理由
及び
概要
でございます。 何とぞ、慎重御
審議
の上、速やかに御賛同くださいますようよろしく
お願い
申し上げます。
大木浩
7
○
大木委員長
これにて
趣旨
の
説明
は終わりました。
—————————————
大木浩
8
○
大木委員長
この際、お諮りいたします。
本案審査
のため、本日、
政府参考人
として
内閣府政策統括官襲田正徳
君、
内閣
府
沖縄振興局長安達俊雄
君及び
警察庁生活安全局長黒澤正和
君の
出席
を求め、
説明
を聴取いたしたいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
大木浩
9
○
大木委員長
御
異議
なしと
認め
ます。よって、そのとおり決しました。
—————————————
大木浩
10
○
大木委員長
これより
質疑
に入ります。
質疑
の申し出がありますので、順次これを許します。
下地幹郎
君。
下地幹郎
11
○
下地委員
二十分間という短い時間なので、本論に入らせていただきたいと
思い
ます。 今度の
沖縄振興開発
の
法律
の一部
改正
に関して、私の方から質問をさせていただきたいと思っております。 私は、この
法律
のみを
考え
るのではなくて、この
法律
を通して
沖縄
の二十一世紀というものを私
ども
は見ていかなければならない、そういうふうに感じております。そういうふうな
観点
で、きょうは
橋本大臣
に
答弁
をいただきたいと思っております。 私はいつも思うのですけれ
ども
、
平成
九年の十一月二十一日、
橋本
当時の
内閣総理大臣
が
沖縄
にいらっしゃいまして、
沖縄復帰
の二十五周年
記念式典
、その中における
内閣総理大臣式辞
というふうなものがありますけれ
ども
、その
式辞
を私はいつも読ませていただいております。私は、この
内閣総理大臣
の
式辞
は
沖縄
の将来のバイブルだと思っているのです。その当時の
内閣総理大臣
の
沖縄
に対する
思い
、
佐藤
・
ニクソン会談
から二十五周年を迎えるまでの
沖縄
の歴史、
大臣
みずから感じている
対馬丸事件援護事業
に対する
考え
方、そして、
大臣
が尊敬なされている、
政治
を学んだと言われる
佐藤
元
内閣総理大臣
の
沖縄
の
復帰
なくして戦後は終わらないという
言葉
などを全部踏まえた中で、この
式辞
はとうとうといろいろな形で述べられております。
沖縄
の基地の
負担
に関しては、
負担
が
沖縄県民
にとって大きな重みになっている、だから
沖縄
における
米軍施設
・
区域
の整理、統合、縮小はやらなければならない、そのためには普天間の移設をしなければいけないし、それをすることで二〇%の軽減があるんだ、そういうふうなことも基地問題で
お話
をし、
産業振興
のところでは、
自立経済
というのを当時
総理大臣
は訴えられた。そして、
航空運賃
の値下げ、
マルチメディア関連事業
、
NTT番号案内センター
の誘致、そういうふうな
作業
を
総理大臣
はやられた。 そして、四つの視点で将来に向かって
お話
をされております。
一つ
は、
加工交易型産業
を育成する、
観光
、リゾートの新しい発展をする、国際的なネットワークを目指した
情報通信産業
の育成をする、国際的な
研究交流
をする、そういうふうな形で
大臣
は述べられているわけです。 私は、この
式辞
のとおり
沖縄
が歩むことは、
沖縄
が
自立
をする
方向
に間違いなくこの形はなっていくと思うのです。しかし、私はここで
チェック
をきちっとしておかなければならないと思うのです。今度の
沖縄振興開発特別措置法
の一部を
改正
する
法律案
は、一年前につくられた
法律
が今度
改正
をしなければならないという
状態
になっております。そのことを
考え
ると、なぜ一年間という短い時間の中で
法改正
をしなければならないのかということをもう一回私
ども
は謙虚に勉強しなければならない。そして、きょう、一年後にしっかりと
方向転換
をして
政策
の
転換
をしたというのは、僕は大きな
意味
があると思っております。このようなことが今
沖縄
で行われているものには数多くあるのかないのか、そのことを検証すべきだと私は思っているのであります。
一つ
には、よく
自由貿易地域
の件が言われておりますけれ
ども
、
那覇
自貿と言われる
自由貿易地域
、
式辞
でも
大臣
が述べられた
加工
型の
貿易
の中心的な役割をやるだろうと言われたこの
那覇
自貿においても、今、五四%は
製造業
が入っておりますけれ
ども
、
あと残り
の三〇%近くは
コールセンター
、そして
コンテンツ産業
、
データセンター
というものが入っている。正直言って、
自由貿易地域
は
コールセンター
や
データセンター
や
コンテンツ
のものが入るようなものではなくて、それは
情報通信
の別
分野
できちっとやっていかなければならない。しかし、この
自由貿易地域
の中では、なかなかそれが育っていないという現状があるわけであります。 そしてもう
一つ
には、今新しく中城湾の
レンタル工場
がありますけれ
ども
、これも六つの
レンタル工場
をつくって、完成と同時に埋まるような
計画
。正直言って、相手が入るのかわからないうちに
レンタル工場
をつくること自体が問題だと私は
委員会
でも
お話
をしたことがあるのですけれ
ども
、一年たった現在でも、将来の目鼻はついているというふうなことを言われていても、四件くらいはまだ
レンタル工場
が埋まっていない。それは、埋まっていないことが悪いのか、
制度
に問題があるのか、そのことも私はしっかりと
考え
ていかなければならないのではないかなというふうに思っているのです。 今、
情報通信
が花盛りでありますけれ
ども
、
情報通信
といっても、今二十社以上の
コールセンター
が
沖縄
に来ております。しかし、来ている最大の要素などをずっと調べてみても、全体で四十五社、二千七百七十五人が
沖縄
に進出していると言われておりますけれ
ども
、毎年TTCに
補助事業
として、今年度の
予算
では十二億円程度の
補助事業
をして、八〇%の
通信料
を埋めているから
企業
が来ている。これがどんどん伸びていけば、
沖縄
県はどんどん
補助事業
をしていかなければならない。そういうふうな
やり方
が、
情報通信
が最後まで
沖縄
で伸びていく上でいい
やり方
なのか。 三月九日の
新聞
に出ておりますけれ
ども
、
沖縄
に今陸揚げされている
高速回線
はみんなで五つあるわけですね。
NTT
の
回線
、KDDIの
回線
、そしてシーミーウイという
回線
、
チャイナUS
という
回線
、この五つが
沖縄
に
回線
としてあるわけでありますけれ
ども
、この
国際回線
のうちの二つは全く上がっていない。そして、三月九日の
新聞
を読むと、この新しい
回線
を、ある
企業
は今度
沖縄
で初めて利用できるようになる。そうなると、今使っている
回線料
の十分の一の
値段
だという。
補助事業
は全く必要なくて、その
値段
でサービスができるのだということを言っている。なぜこうやって十二億も六億も七億も、八〇%
補助
しなければできなかったのか。しかし、これをこの
企業
がやることで、
一つ
の流れができている。 私は、
大臣
に、今度の
法改正
とともに、この将来の
沖縄
の、国が
制度
として決めてきたものを一個一個もう一回
チェック
をしていただいて、それが成果が伸びていて、
大臣
が
式辞
で述べられたような、将来の
沖縄
が
自立経済
になるような根本的なものになっているのかどうなのかを
チェック
して、万が一なっていないとしたならば、今
大臣
の強い
政治力
で、そして見識で、新しい
仕組み
を、きょう論議をするこの
振興開発
の
措置法
を一年以内に
改正
して
沖縄
の将来の
観光
に資するものになったと言われるようなものになることを、私は、
自由貿易地域
でも
情報産業
でもぜひ取り組んでいただきたいということを、まず
大臣
のお気持ちをいただきたいということが一点であります。 そしてもう
一つ
には、このデューティーフリーショップの
沖縄型特定免税店
の
経済効果
をどういうふうに
大臣
はお
考え
になっているのか。そして三点目には、将来の展望として、今は
空港
内だけでやっておりますけれ
ども
、その
分野
に関しても、将来はどういうふうにお
考え
になっているのか、この三つのことをまず冒頭でお聞かせいただきたいというふうに思っております。
橋本龍太郎
12
○
橋本国務大臣
私は、
下地議員
が、今一連の御
意見
とともに、ある
意味
では恐らく
沖縄県民
の胸の中にあるであろう御不満というものを私にぶつけられたことは、これは素直に受けとめたいと
思い
ます。その上で、よく昔から、馬を水辺まで引きずっていくことはできる、しかし水を飲ませることはできないという
言葉
があることを
思い
起こしていただきたいと
思い
ます。
コールセンター等
にいたしましても、
政府
としてできる範囲で、少しでも
沖縄
によかれと思ってつくってきた
産業
であります。そして、それなりの
雇用
を生んでおることは
議員
もお
認め
をいただきました。そして、それを
維持
していくための
補助
というものの
負担
が大きいということも言われましたが、一方で、幾つかあるところで、その
補助
を必要としないものがあるという
例示
も挙げられました。私は、
補助
がなしでいけるというその実物を存じませんでしたので、これは調べてみたいと
思い
ますし、不必要な
補助
を行っているのであれば
補助
は削減することになるでしょう。 しかしそれが、本当に素直な目で見たときに、
同種産業
をこれ以上誘致する必要がなければともかくも、もし
同種産業
であっても、今の
雇用情勢
を
考え
たときに誘致する必要ありということでそのインセンティブとして
補助
というものが生きているとするならば、極端な
議論
ばかりはできないように
思い
ます。これはちょっと率直な
感想
です。 その上で、
政府
が続けてきたさまざまな施策について見直しをすべきではないのか、
効果
が上がっているかどうかを検証すべきではないか、この御注意は私は素直にちょうだいしたいと
思い
ます。そして、その
例示
として戻し
税措置
というものを今回
免税措置
に改める、これだけ短期間で変えるということはいかがなものかという御指摘も甘受をいたします。 しかし同時に、この
制度
をつくりますときに、従来なかった
制度
を新たに
特定
の
地域
を限定し
特定
の目的の中で新設をいたしますときに、どれほど与党の中においてもさまざまな角度から
議論
が行われたか、そして、それは関係する者だれもが
沖縄
県によかれということから
議論
をし、戻し
税方式
というものを
考え
てきた、その点は、私は素直に
県民
の
皆さん
にも
認め
ていただきたいと
思い
ます。 その上で、
効果
が出なかった中にはいろいろな
理由
があると私は
思い
ます。それは、
観光
戻し税の対象八
品目
を落としていたことが影響した部分もあるかもしれません。あるいは、その八
品目
を今回追加することでより豊かな品ぞろえができるという期待もしておりますし、
免税方式
に変えていくことによってより
実効性
の高い仕事に結びついていく、販売に結びついていく
効果
もあると思っておりますけれ
ども
、それを
最初
から
考え
なかったのはなぜか、今その新しい
仕組み
をつくる時点に戻っておしかりを受けますことは、私としても、これは多少、当時の
関係者
を、真剣な
努力
というものに対して評価をしていただきたい。 その上で、
実効
が上がらなかったという点は私は
認め
ます、
効果
が少なかったんですから。目標の二割に行かなかったということは、
問題点
があったことは間違いがありません。しかし、今回これで御
審議
をいただき、お
認め
をいただきますならば、この
沖縄
型の
特定免税店制度
というものは、
那覇空港ターミナル施設
内の
特定免税店
に限定された
措置
とはいいながら、私は、新たな
魅力
を
一つ
追加するものになるだろうとかたく信じております。 我々は、国の
立場
として、でき得る限り県を支え、あるいは
市町村
の
皆さん
の御
努力
を支える、そういった
努力
はしてまいりますが、その上で、我々は
民間企業
に強制して
沖縄
県への進出を押しつけることはできないわけでありますから、どうすればその
魅力
が増すかについて、どうか、県あるいはお地元の
市町村
の
皆さん
の
意見
もちょうだいをして、よりよいものにするためのお力添えを願いたい、率直にそのような感じを持っております。
下地幹郎
13
○
下地委員
今
大臣
がおっしゃいましたことも
十分認識
をしながら、
沖縄
県に対しても、先ほど申し上げたように、
努力
というものをどうするべきかということを国の方からも率直な話をしていく。できる
政策
、できる
努力
と、
沖縄
県
そのもの
がやっていかなければいけないことというのを、私は、これからお互いで確認をし合いながらやっていくことも非常に大事なことだろうと思っております。ぜひこれから、いろいろな
沖縄
の問題が出てまいりますので、しっかりと
大臣
に
チェック
をしていただいて、
効果
のある
政策
を
一つ
一つ
やっていくという
作業
を
お願い
したいと思っております。 そしてもう
一つ
、私の方から
大臣
に御要望させていただきたいんですけれ
ども
、
大臣
はいつも
沖縄
のつながりの中で
対馬丸
の
お話
をしていただいて、お父様の
龍伍先生
のころからの
対馬丸
に対する
思い
を
お話
をするわけであります。私は、その
大臣
の
思い
をもう一回、
大臣
が
特命大臣
となられた今、新たな
政策
をぜひお
考え
をいただきたいということを思っているんです。
対馬丸
に関しては、当時の
橋本総理大臣
と今横におられる
鈴木沖縄開発庁長官
との間で
対馬丸
の発見もできました。そして、今新たに、
沖縄開発庁
というものに
対馬丸
の
特別支出金
があるという
意味
も含めながら、当時、昭和五十二年には五百人いた
遺族
の
皆さん
が、今百十二人までになっております。本当にもう
遺族
が数少なくなってまいりました。しかし、私は、
遺族
が少なくなってきている中で、この
対馬丸
という
思い
は、
沖縄県民
は、永久に私
ども
の心の中にしっかりと抱きながら平和に対する
思い
をやっていかなければならない。
遺族
とて人間でありますから、命が限られてくるわけであります。そういうふうな中で、この
対馬丸
の
事業
が、もうこれで
遺族
がいなくなったから
内閣
府の中で終わりなんだというのではなくて、今厚生省がしっかりと
予算
をつけていて、国庫で
全額負担
をしながら
記念館
をつくる、しかしなかなか
沖縄
県の中で財政的な
維持費
がもたない、そういうふうな中でもう二年間この
作業
が延びてまいりました。 私は、この
対馬丸
という
事業そのもの
のことをしっかりと踏まえた中で、
遺族
の
皆さん
が数少なくなっている中では、もう一回新たな
政策
として
基金
をつくって、この
対馬丸記念館
を国としてしっかりと
沖縄
の
平和行政
の一環としてお示しをするという姿勢を見せることも大事ではないか。そして、
大臣
が
沖縄
に行かれたときにはぜひ小桜の塔にも行かれて、もう一回
大臣
が
対馬丸
に対する
思い
をきちっと出すことが
沖縄
に対する大きな平和のメッセージにもなるというふうなことも私は感じているわけです。そのことをぜひ
大臣
に私の方からも
お願い
をさせていただいて、この
対馬丸
の
記念館
の
維持管理
に対する
基金
の造成をぜひ
内閣
府の中でやっていただけないかということを
大臣
に要望させていただきたいんですけれ
ども
、いかがでしょうか。
橋本龍太郎
14
○
橋本国務大臣
確かに、一番
最初
に上京された中におられた新里さん初め、随分の
方々
が亡くなられました。その
思い
、それは私は
下地議員
にもおわかりをいただいていることだと
思い
ます。 その上で、
対馬丸遭難者遺族会
が、今その
運営主体
として
法人格
を取得される準備をしておられる、あるいはその規模や
収支計画
などについても
検討
を進めておられると聞いております。しかし、残念ですが、私は実はこの
記念館
についての
お話
を
対馬丸遺族会
の
皆さん
から伺ったことがございません。ですから、詳細をどう
考え
ておられるのか、大変失礼ですが、わかりませんので、そうした
状況
も見きわめさせていただきたい。 そしてどういう形が、これはシンボリックに
対馬丸
を論議してまいりましたけれ
ども
、実はサイパンからの
引き揚げ船
で日本にたどり着かなかった船も多数ございますし、また
沖縄県内
におきましても、先島
方面
から
台湾方面
に動いた船の中で帰らなかった船があることも私は
承知
をいたしております。ある
意味
では、今までそのすべてのシンボルとしたような
意味
を
対馬丸
の上に我々は置いてまいりました。
対馬丸遺族会
の
皆さん
もそうした
思い
を持っておられたと
思い
ます。 それだけに、私は、今
議員
の御
意見
は御
意見
として拝聴した上で、やはり直接の
関係者
の
方々
の
お話
を聞かせていただきたい。そして、十分に国も
検討
をしていく必要がある、今の
拠出金
、
特別支出金
の
予算
の
状況
等々も頭に置きながら
考え
ていくべきことではないか、そのように思っております。
下地幹郎
15
○
下地委員
来週、
対馬丸
の
遺族会
の方から
大臣
に御認定をいただきたいということで要請があるはずですから、そのときにじっくりと
お話
を聞いていただいて、やっていただきたいと思っております。 それで、きょうは
警察庁
から来ていると
思い
ますけれ
ども
、
共同パトロール
の件なんです。この前から、これから
米軍
と
警察庁
そして自治体とで
共同パトロール
をぜひやっていただきたいということを私はずっと
お願い
をしておりまして、
逮捕権
の問題その他の問題もクリアしながらできるはずだというようなことをずっと私は述べております。とにかく、
治安
の
維持
を
共同
でやるというふうなことは非常に大事なことでありますから、それをぜひ前向きに
検討
してもらいたいと思っております。時間がありませんから
局長
から
答弁
を、もう何回もやっておりますので、ぜひ
お願い
をしたいと思っております。
大木浩
16
○
大木委員長
黒澤生活安全局長
、簡潔に
お願い
します。
黒澤正和
17
○
黒澤政府参考人
基本的に、
米軍施設外
の
治安
の確保でございますけれ
ども
、
沖縄
県警察
の責務でございます。
県警察
としても
パトロール
の
強化等
の諸
対策
を講じているところでございますが、また
米軍
の
パトロール
が及ぼす
県民感情
などの問題があると
承知
をいたしておりまして、こうしたことから、
沖縄
県警察
では
県警察
のみによる
パトロール
を行っていると
承知
をいたしております。
下地幹郎
18
○
下地委員
時間ですからもう終わります。ありがとうございました。
大木浩
19
○
大木委員長
次に、
木下厚
君。
木下厚
20
○
木下委員
民主党の
木下厚
でございます。 まず
最初
に、三月十六日に
沖縄駐屯
の
我が国
の
航空自衛隊隊員
が
婦女暴行事件
で逮捕された
事件
は
沖縄県民
に大変大きなショックを与えました。言うまでもなく、
我が国
の平和と安全、さらには
国防
という
観点
から
考え
た場合、
自衛隊
の
強化
や装備の増強、
近代化
も大事ですが、それ以上に重要なのは、
国民
の
国防意識
の向上と同時に
国民
の
自衛隊
や
在日米軍
に対する
信頼
の醸成、これが何よりも大事だと
思い
ます。しかし、最近は
自衛隊
や
在日米軍
に対する
信頼
が大きく揺らいでいる。というより、むしろ
不信感
の方が強くなっている。まさに、先ほど言いました
航空自衛隊隊員
による
少女暴行事件
は、本当に
国防
という
観点
から許されざることである。 そういう
意味
で、
沖縄担当大臣
として、
沖縄県民
の
皆さん
あるいは
国民
の
皆さん
に、ぜひ一言この
事件
についての御
感想
を
お願い
したいと
思い
ます。
橋本龍太郎
21
○
橋本国務大臣
けさ閣議
の終わりましたところで、
事件発生
以来、
防衛庁長官
と席を同じくするのが初めてでありましたから、
沖縄
を担当する閣僚の
立場
から、何とも言いようのない、情けない、あってはならない
事件
を起こしてしまった、
防衛庁
として副
長官
あるいは
航空幕僚長等
を現地に派遣されて知事初め
関係者
におわびをして回られたことは知っているし、あなたが
県所在
の陸海空それぞれの
自衛隊
の各部隊に対して綱紀の粛正の徹底を指示したことも知っている、それが
言葉
だけに終わらないようにしてほしいということを私は申し上げました。
斉藤防衛庁長官
も非常に深刻にこれを受けとめております。 私
ども
として、これによって大きく傷ついたであろう
自衛隊
の名誉、
信頼
というものをもう一度回復するためには長い、苦しい
努力
が要るでありましょうけれ
ども
、その
努力
をきちんと払ってもらいたい、そうして
県民
の敬意を受けられる
立場
に早くなってほしい、今そのように思っております。
木下厚
22
○
木下委員
それでは、
沖縄振興開発特別措置法
改正
案についてお伺いしたいと
思い
ます。 今
下地委員
からも質問がありましたので、時間の関係もありますので一問一答でお尋ねいたしますので、簡潔にひとつよろしく
お願い
したいと
思い
ます。 この
沖縄
型の
特定免税店
の営業が開始されて、先ほ
ども
ちょっと
お話
が出たのですが、当初の販売店側の目標が年商十八億円、月当たり一億五千万円ということだったのですが、実際はその約一七%と不振が続いている。そうしますと、当初の販売目標額の年商十八億円はどのような根拠に基づいて積算されたのか。また、この
制度
実施前の
空港
ターミナルにおける販売実績、これは単純に比較はできないと思うんですが、その辺はどうなっているのでしょうか。具体的にちょっと教えていただきたいのです。
橋本龍太郎
23
○
橋本国務大臣
私自身、その数値の根拠というものを正確に存じておるわけではございません。ただ、
沖縄
特定免税店
株式会社が、一人当たり販売額の見込みなどをもとにいたしまして、一昨年末の営業開始時に、年間お見えになる
観光
客の数等をどのようにとりましたのか正確に存じませんが、一定の数値としてとらえられ、これを掛けて恐らく販売目標額を設定されたと
思い
ます。
木下厚
24
○
木下委員
かなり目標を下回ったということなんですが、これは資料を見ますと、実際に
観光
客の入店率がかなり下がってきているわけですね。 そうなりますと、かかる現象は今回の
制度
改正
と余り関係ないと思われるのですが、今回の
改正
で、入店率の向上あるいは販売の向上にどの程度の
効果
が見込めるのか。具体的に、その試算なりがあったら、教えていただきたいと思うんです。
橋本龍太郎
25
○
橋本国務大臣
試算等は後刻事務方から
議員
の方に御
説明
を申し上げるように指示いたします。 ただ、やはり今回の
改正
というもので、
一つ
は保税
制度
のままでいけるというメリット、同時に、これまで対象としておりませんでしたウイスキーとか革製のハンドバッグでありますとか戻し税対象の八
品目
を取り扱うことができるようになった。同時に、ブランドメーカーから直に
輸入
することで品ぞろえがさらに豊富になる。そして、恐らくその場合には流通コストが相当軽減されるでしょうから、当然のことながら、品物のお
値段
はより安くできるだろう。 こうしたことを
考え
てみますと、今回の
改正
を
お願い
することによりまして、売り上げの向上に確実につながっていくと
思い
ます。ただしそれは、今度は、展示でありますとか宣伝でありますとか、そうした御
努力
は当然願わなければなりません。
木下厚
26
○
木下委員
それでは次に、普天間飛行場代替施設の問題について伺いたいと思うんです。 この普天間飛行場代替施設の基本
計画
を国と県あるいは関係自治体が
検討
するいわゆる代替施設協議会が、三月六日、首相官邸で開かれ、代替施設の滑走路の長さを二千メートルを基本とし、
旅客
ターミナルなど民間施設部分の面積を十ヘクタール程度とすることで合意したとの
新聞
報道がありましたが、これは事実でございますか。
橋本龍太郎
27
○
橋本国務大臣
確かに、三月六日の代替施設協議会におきまして、
沖縄
県知事から代替施設の民間機能につきまして二千メートルという基本的な
考え
方をお示しいただき、我々は、今後この数字を
一つ
の基本として
検討
していこうと
考え
ておりますことは事実です。
木下厚
28
○
木下委員
しかし、
平成
八年十二月に発表されたSACOの最終報告の中で、滑走路の長さについては千三百メートル、その前後に百メートルずつの緩衝帯を設け全長で千五百メートル、幅六百メートルの滑走路をつくる、こうなっているんですが、それよりさらに五百メートル距離が延びる。そうなると、この代替施設の工法、安全性あるいは環境問題、非常に大きな影響が出ると思うんですが、これについてはどのように
考え
ておられますか。
橋本龍太郎
29
○
橋本国務大臣
今ちょっと申し上げましたけれ
ども
、そのとき
沖縄
県知事さんの方からありました御
説明
をそのまま申しますと、代替施設の民間機能につきまして、県が御自身で
考え
ておられます将来推計等をベースにされまして、県として、代替施設の滑走路は、コンテナ輸送も可能な中型のジェット機が就航できるものとして、二千メートルを基本に
検討
する必要があるというお
考え
を発言されました。
国土交通
大臣
からも、普天間飛行場代替施設の滑走路の長さにつきまして、
沖縄
県の想定を前提とした場合には、民間飛行場の整備について一般的に用いられている施設整備の
考え
方におおむね沿っているという御発言がありました。また、外務
大臣
からも、アメリカ側でもこの二千メートルという数値について異論はないという
お話
がございました。 こうした御発言を踏まえながら、滑走路長について中型ジェット機が就航可能な二千メートルというものを基本に、しかし、その規模につきまして、軍民双方の所要の確保を図ります中で安全面とか環境面に十分配慮して最小限の規模とするようにこれから具体的な
検討
を進めると定めたものでございます。
木下厚
30
○
木下委員
しかし、
沖縄
の現状を見ますと、
那覇
国際
空港
のほかにあえてまたそれだけの巨大な
空港
をつくる必要があるのかどうか。稲嶺知事によると、一日六便三往復、さらには年間二十万人の
旅客
量を前提としているということですが、空路による
沖縄
への
観光
客の数というのは、毎年それほどふえていない。今、月平均にすると約三十一万から三十二万人前後で、むしろ逆に言うと最近は減る傾向にあるんじゃないか。年間二十万人として計算すれば、月約一万七千人から一万八千人。そうしますと、このふえた分は
那覇
空港
で十分処理できるはずです。 とすると、なぜこれだけの巨額の金をかけてやるのか。それは、もうひとえに、普天間の基地を移転するためにお金を引っ張り出すというような
意味
にしか
国民
サイドには見えないんですが、本当にこれだけの巨大な軍民共用の飛行場が必要なのかどうか。
沖縄
の現状と照らして御
答弁
を
お願い
したいと思うんです。
橋本龍太郎
31
○
橋本国務大臣
議員
も多分御記憶をいただいていると
思い
ますが、普天間
空港
の移設問題、これは、私が総理になりまして一番
最初
に当時の大田
沖縄
県知事にお目にかかりましたときに、全く事務的な話から外れた形で、知事さんから、市街地に隣接し小中学校等の接近している普天間飛行場の危険性を非常に強く訴えられ、私もこれに真剣に耳を傾けたところから始まりました。そして、県内移設というものを前提にしてではありますが、アメリカ側もこれを移設することに同意を与えてくれました。 私は、そのときに、軍用
空港
としての普天間の機能を移すことだけを
考え
ておりました。しかし、その後、県知事さんの方から、軍民共用の飛行場というお
考え
を県として提示をされ、
政府
としては、県の御
意見
というものを非常に大切に
考え
、真剣にこれを
検討
させていただいてまいりました。 同時に、これから先
沖縄
県を
考え
ていきます場合に、
沖縄
県の経済的な
自立
を確保していくための必要な施策の大きな柱として、
観光
・リゾート
産業
というものの育成がございます。そういたしますと、現在の
観光
客の水準でとどまってしまっては、私は、
沖縄
県の
自立
の上に
観光
・リゾート
産業
というものが大きな柱をつくり得るという
状況
には到達しないのではないかと
思い
ますし、その場合には、より多くの県外の
観光
客を迎え入れる施設が交通の面においても必要になるでありましょう。その場合に、現在の
那覇
空港
を前提に
計画
を立てますことは一定の限界を生ずることになると存じます。 そして、県としては、確かに、二〇一〇年の民間機能における
旅客
利用者の推計を二十万人、関東、関西、中部
方面
に六便三往復といったお
考え
をお持ちになり、関東
方面
には中型ジェット機の就航を見込んでおられるという
状況
でありまして、これはやはり、将来の
沖縄
県の経済的な
自立
というものに向けての
観光
・リゾート
産業
育成という大きな県の御方針、また国としても支援をしていこうという
方向
と異なっているものではないように私は
思い
ます。
木下厚
32
○
木下委員
今
大臣
が、将来を見越してということだったと思うんですが、将来を見越しても、やはりキャパシティーからいっても
那覇
空港
には十分まだ余裕がある。しかも、
沖縄
県という狭い
地域
で二つの巨大な
空港
が果たして必要なのかどうか。お金を投資するのであれば、
民間企業
育成なりそういった
方向
での
自立経済
を支える形での資金投入がもっとあってしかるべきで、今、代替施設ができるから慌ててそこへ民間も巨大なものをつくろうというのはいかがなものかな、私はそんな
思い
もするんですが。
橋本龍太郎
33
○
橋本国務大臣
議員
のようなお
考え
が成り立たないものだと申し上げるつもりは私もございません。ただ、現実の問題といたしまして、
那覇
空港
のキャパシティーにそれほど大きな余裕がございますでしょうか。 そして、
那覇
空港
は県内の交通におけるかなめの役割も果たしております。当然ながら、県外からの
観光
客、
沖縄
本島だけではなく宮古あるいは八重山へお出かけになる方も相当数おられるでしょう。県外からの
観光
客がふえるということは、同時に県内の便数もふえるということを
意味
するのじゃないでしょうか。 そういうことを
考え
ていきました場合に、私は、当初、本当に普天間の移設ということに限定して
考え
ておりましたからそれに応じた
考え
方をお示ししてまいりましたが、そうしたことをもお踏まえになり県がお
考え
になった軍民共用飛行場というお
考え
は、一概に
議員
のおっしゃるとおりだと申し上げるには、将来を
考え
ましても余りにも大きなリスクを伴うのではないか。むしろ、これぐらいのキャパシティーを持ちたいとお
考え
になったその積算の方に実態の
観光
客を誘致する
努力
をする方が先ではないだろうか、私にはそのように思えます。
木下厚
34
○
木下委員
これは前
沖縄
県知事の大田さんが最近出した本の中で、どうも代替施設の問題が、防衛問題あるいは経済
対策
というよりもむしろ日米の大手ゼネコンの受注合戦に利用されている、そう書いておりますが、この指摘に対してはどんな印象を持たれますか。
橋本龍太郎
35
○
橋本国務大臣
大変不愉快な話を伺うものだというのが、今伺いました瞬間の私の感じです。そして、まだどのような内容のものに、どのような技術的な側面を持つものにという結論を出しておりません中で受注合戦が白熱するとするならば、その受注合戦というのはどこで受注しようとしていらっしゃるのだろう。代替施設協議会の私
ども
は、まだそこまでの
作業
を完了しておりません。 しかし、前知事が責任を持ってお書きになった本にそのようなことが書いてあるとするなら、そういう御注意を素直に私はいただきたかった。全くそこまでの
検討
に至っていない段階において、もし憶測でお書きになったとするなら、不本意です。
木下厚
36
○
木下委員
それでは、ちょっと話題を移しますが、先般の日米首脳会談で森総理が、十五年期限問題、ブッシュ大統領に言及したのですが、
新聞
報道によると、ブッシュ大統領は困難な問題だといって受け入れを拒否したという報道がなされています。もしこれがアメリカの意向だとすれば、
沖縄
側が要望している十五年問題というのは、もし解決がつかなければこの代替施設はどうなりますか。つくらないということですか、それともそれを無視してやるという形になりますか。
橋本龍太郎
37
○
橋本国務大臣
大変申しわけありませんが、実は、けさ記者会見で日米首脳会談の
沖縄
に関連する部分の質問を受けましたときにも、私は、報道だけしか存じない、ですから総理が帰国されてからきちんと
お話
を承った上でコメントしたいということを申しました。その上で、ですから、このペーパーを正確に読ませていただくことをお許しいただきたいと
思い
ます。 日米首脳会談において、普天間飛行場の移設返還問題につきましては、総理より、普天間飛行場移設に向け引き続き協力を
お願い
したい、地元首長からの使用期限の要請があったことについては引き続き取り上げる
考え
であり、今後国際情勢の変化に対応して、普天間飛行場代替施設を含め在沖
米軍
の兵力構成などの軍事体制につき貴国
政府
と協議したい旨申し述べたところ、ブッシュ大統領より、使用期限の問題は困難な問題である、この問題は国際情勢に照らして
考え
ていかねばならない、この
地域
での米国のプレゼンスは重要である、普天間飛行場の移設については引き続き日米間で協議していきたい旨応答があったと報告を受けております。 そして、
政府
としては、本問題については、
平成
十一年末の閣議決定にあるとおり、国際情勢もあり、厳しい問題があるとの認識を有しておりますが、
沖縄
県知事及び名護市長からの要請がなされたことを重く受けとめ、今回の日米首脳会談において森総理から取り上げたほか、これまでも米国
政府
ハイレベルに対し取り上げてきたところであり、今後国際情勢の変化に対応して、本代替施設を含め在
沖縄
米軍
の兵力構成等の軍事体制につき米国
政府
と協議していくとともに、あわせて、国際情勢が肯定的に変化していくよう
努力
してまいる
考え
でありますということでお許しをいただきたいと
思い
ます。
木下厚
38
○
木下委員
では、次の質問に移ります。 さきの防衛施設庁の報告によれば、代替施設予定地周辺海域の調査で、国の天然記念物に指定されているジュゴンが五頭生息していることを確認したということですが、昨年十月にアンマンで行われた国際自然保護連合の勧告決議では、日米両
政府
に対して、
一つ
、軍事施設の建設にかかわる環境アセスメントの早期の実施、二番目として、その回復を図るための保全
対策
を早急に実施する、この二点について勧告しております。この勧告については、ちょっと担当が違うかもしれませんが、
沖縄担当大臣
としてどんなふうな、個人的な見解でも結構でございますので、お答えいただければと
思い
ます。
橋本龍太郎
39
○
橋本国務大臣
去る三月六日に開催されました第六回代替施設協議会におきましてジュゴンの生息
状況
に係る予備的調査の結果が報告をされ、六頭のジュゴンを視認した、そのうち個体識別ができましたものが五頭という報告でございました。そして、この調査結果について環境
大臣
の方から、海草藻場について、ジュゴンのえさ場としての機能も踏まえ、藻場の保全に十分留意することが必要である旨の御指摘をいただいたところです。これから先、協議会におきまして、代替施設の規模とか工法あるいは具体的な建設場所などにつきまして総合的、具体的な
検討
を実施する際に、この点は十分考慮に入れて
検討
を行わなければならないと思っております。 いずれにいたしましても、
平成
十一年の末の閣議決定の中で、環境影響評価を実施すること、その影響を最小限にとめるための適切な
対策
を講じるなど、ジュゴンを含む自然環境に著しい影響を及ぼすことのないように最大限
努力
をすることを定めておりまして、私
ども
もこの方針に従って対応してまいりたい、そのように
考え
ております。
木下厚
40
○
木下委員
ジュゴンの生息数の回復を図るため保全策を早急に実行するということなんでしょうが、この保全策の策定、実行は、普天間移設とは別次元の問題だと思うんです。代替施設協議会の
議論
とは別に、速やかにこの保全
対策
を行うべきだと思うんですが、今どのような
計画
がなされているのか、それについて、もしおわかりになったらお答えいただければなと思うんです。
橋本龍太郎
41
○
橋本国務大臣
これは
議員
、ちょっと私の能力を超える部分を多分に含んでおりますけれ
ども
、私が知る限り、生体で捕獲されたジュゴンが人工的に飼育をされ、その生態を明らかにするようなチャンスを人類は今までに持つ機会はなかったと
承知
をしております。そして、その生育
状況
等につきましても解明されていない部分も多数持っておると
思い
ます。それだけに、今
我が国
の生物学関係の
皆さん
の中にもそれほどジュゴンについて深い専門的な知見をお持ちの方は余りないと聞いておりまして、どれだけのことができるのか、専門家の中からもこれという特別な御
意見
が出てきている
状況
ではございません。 ただ、少なくとも、日ごろ摂取を必要とするえさ、その量に比して、今回えさをとったと思われる部分の海草の食べられ方というものはそれを満たす量でなかったことだけは事実でありまして、こうした点
一つ
をとりましても、解明すべき部分はさまざまあろうかと存じております。今後これに加える知見がより確度の高い姿で、海外のものも含めまして、我々が入手できることを願っております。
木下厚
42
○
木下委員
最後に
一つ
だけお伺いしておきたいと思うんですが、
沖縄
振興
策について、
平成
十三年度
予算
による公共
事業
関係費は二千九百三十九億円、そのうち道路関係費が約千八十九億円、さらに港湾、
空港
などが三百八十六億円、農業、農村整備が三百四十億円と、まさにいわゆる
本土
と同じような公共
事業
をまた
沖縄
でやろうとしている。どうも
沖縄
振興
あるいは
観光
、レジャー、そういったものが、
本土
でやっているような土木建設中心とした公共
事業
中心になっている。果たしてそれで本当に
沖縄県民
の生活が豊かになるのか。 例えば一例を挙げると、公共
事業
の内訳を見ますと、県内と県外を比べてみますと、受注会社数では確かに県内は多いんですが、金額で見ますと、県内の業者と県外の業者、いずれもほとんど同額なんですね。とすると、やはり
沖縄
の公共
事業
は、ほとんど
本土
の大手ゼネコンが乗り込んできて主要部分をやってしまう、細かい仕事を
沖縄
の業者にやらせるというような図式がずっとでき上がっている。 ですから、これではまさに公共
事業
が、
本土
の建設業者が潤っているだけで
県民
には余り役立っていない、余り役立っていないと言うと語弊がありますが、そういう
意味
で、立派な業者もあると
思い
ますものですから、もっと県内業者を重視した
事業
計画
、入札、この辺を考慮してもらいたいと思うんですが、その点、
大臣
の御見解を
お願い
して、終わりにさせていただきます。
橋本龍太郎
43
○
橋本国務大臣
今の御指摘は、私は
沖縄
の
地域
経済にとって大変大事なことを指摘していただいていると
思い
ます。そして、
沖縄
総合事務局として、工事内容に応じて分離分割発注あるいは混合入札を活用することによって、これまでもできるだけ地元の業者の
方々
の受注機会が確保されるように努めてきたつもりであります。公共
事業
の地元発注比率を見てみますと、
平成
八年度においては三九%だったものが、
平成
十一年度では五二%までふえてきております。しかし、それはまだある
意味
では御指摘のようなことを
考え
ていくべきものがあるでしょう。今の御注意は大事にさせていただきたい、そのように
思い
ます。
木下厚
44
○
木下委員
ありがとうございました。以上で終わりにさせていただきます。
大木浩
45
○
大木委員長
次に、小林憲司君。
小林憲司
46
○小林(憲)
委員
民主党の小林憲司でございます。 本日は、
沖縄振興開発特別措置法
の一部を
改正
する
法律案
について御質問させていただきます。法案の中身に入ります前に、
沖縄
振興
に関連する諸問題につきまして二、三
大臣
にお伺いしたいと思っております。 まず、
米軍
基地に関することでございますが、十六日に稲嶺
沖縄
県知事が在
沖縄
米軍
兵力の削減交渉をアメリカ側と始めるよう
政府
に対して文書で正式に要請したということでございます。稲嶺知事は、
米軍
基地の
沖縄
への集中が、米兵による
事件
や事故、騒音、実弾演習による山火事などにつながり、
県民
生活に非常に影響を及ぼしているとしておりまして、
沖縄県民
の感情は大変深刻な
状況
になりつつあると思われておりますが、
政府
としてこの要請をどのように受けとめていかれるおつもりでしょうか、
お願い
いたします。
桜田義孝
47
○
桜田大臣政務官
稲嶺
沖縄
県知事からの要請につきましては、三月十六日、
政府
として承ったところでありますが、在日
米軍施設
・
区域
が集中することによる
沖縄県民
の
方々
の御
負担
につきましては、日ごろより私としても強く認識しており、引き続きその軽減に向け
努力
するつもりでございます。 このような要請を踏まえ、十九日、日米首脳
会議
におきましては、総理より、
県民
の
負担
への配慮が重要であり、
県民
のお気持ちを酌む必要がある、安全保障につきましては、国際情勢を踏まえて対応することが必要である、九六年の安保
共同
宣言のフォローアップ、SACO最終報告の実施、日米地位協定の運用改善等を通じ、双方で協力して
沖縄
の
負担
軽減に努めたい旨述べたところであります。ブッシュ大統領とは
沖縄
に関連する問題につきまして緊密に協議をしていくこととし、この旨
共同
声明に盛り込んだところであります。
小林憲司
48
○小林(憲)
委員
ありがとうございます。 先日、アメリカの
政府
のある安全保障担当者と私は会談させていただきまして、いろいろな
お話
をする中で、日米地位協定についても
意見
交換をさせていただきました。彼らの認識というものが、私は、今まで
お話
を聞いていたのとちょっと違うなと
思い
ましたので、少々御質問させていただきます。 日米地位協定は非常によく機能している、それ自体には問題はない、今問題視して話し合わなきゃいけないのはすべて海兵隊の教育の問題についてであるというような
お話
が出ました。彼らは、日米地位協定自体は、安保があって地位協定がある、これはワンセットだ、これ自体は機能しているんだ、それを見直すとかその運用を
考え
るとかということよりも、今は我々米兵の間での教育問題がある、そのことについては話し合いましょうというようなことでございまして、この認識は多くの日本人の認識とはかなりかけ離れているものではないかと私は
思い
ます。
政府
の認識はどうなのでしょうか。まず第一に、日本
政府
の認識は、日米地位協定はよく機能しているから協定自体の改定は必要ない、だから運用の改善で対処していくというものなのでしょうか、それとも、よく機能してはいないが、協定の改定は時間がかかるから、
実効性
を上げるために運用改善で対処していくべきであるというものなのか、どちらなのでしょうか、お教えいただきたいと
思い
ます。
桜田義孝
49
○
桜田大臣政務官
日米地位協定は、日米安保条約の目的達成のため
我が国
に駐留する
米軍
の円滑な活動の確保のため機能しておりますが、他方、在日
米軍施設
・
区域
が集中することにより多大な御
負担
をおかけしている
沖縄
県の
方々
などからさまざまな要請をいただいているところであります。
政府
としても、その運用の改善に取り組んできたところであります。 また、
米軍
の教育の問題につきましては、
米軍
が、着任前及び着任後にあるべき軍人としての倫理観や行動規範等に関し厳しい教育を実施しているものと
承知
しております。教育プログラムは基本的には
米軍
側の問題でありますが、同プログラムの
強化
につきましては、
沖縄
県において、地元
関係者
の
方々
の御協力を得ながら事故の防止に取り組んでいるワーキングチーム会合でも取り上げられたところであります。
政府
といたしましては、今後とも、こうしたワーキングチームでの取り組み等を通じ、教育プログラムの
強化等
の
事件
、事故防止策につき積極的に協力していくつもりでございます。 また、日米地位協定の問題につきましては、閣議決定にあるとおり、まずは運用の改善により個々の問題に機敏に対応することが重要であると
考え
ますが、それが十分
効果
的でない場合には、相手もあることですが、地位協定の
改正
も視野に入ってくると
考え
ます。
小林憲司
50
○小林(憲)
委員
もう一度要点だけ教えていただきたいんですが、今の
お話
ですと、機能している、機能しているが諸問題が今あるので、日米地位協定については改定を視野にしながら運用の見直しをしていくんだと。日米地位協定自体は非常に機能しているということで理解してもよろしいんでしょうか。
桜田義孝
51
○
桜田大臣政務官
そのとおりでございます。
小林憲司
52
○小林(憲)
委員
よく機能しているとおっしゃるのであれば、これほど犯罪が多発している
状態
でそれはどうかなと私は
思い
ますが、これは今非常にいろいろな問題をはらみながら話し合いをされているということで、今後ともいろいろと教えていただきたいと
思い
ます。 それでは、
沖縄振興開発特別措置法
の
改正
案について御質問させていただきます。 そもそも、
沖縄型特定免税店
は、
沖縄復帰
二十五周年の
平成
九年に、当時の
橋本総理大臣
が
沖縄
県の要望を受け、その創設を打ち出したというのが出発であったと
思い
ます。それで、
平成
十一年末より
沖縄型特定免税店
の営業が始まるわけでございますが、これまでの営業成績を見てみますと、先ほど来
お話
がありましたように、十八億円の目標に対しまして一七%程度にとどまっておるということでございますが、
橋本大臣
、
沖縄型特定免税店
の売り上げが伸びなかった
理由
というものに関しましてどのようにお
考え
がありますでしょうか、教えてください。
橋本龍太郎
53
○
橋本国務大臣
これは私は幾つかの要因があると
思い
ますけれ
ども
、大変申しわけないことですけれ
ども
、免税店御自身の営業
努力
あるいは
観光
客に対する
制度
の周知といったものがどこまでなされていたのかを私は正確に存じません。しかし、そういうところにも問題があったかもしれないと
思い
ます。 同時に、やはり何といいましても、販売前に通関手続をとる戻し税
制度
でありますために、高級ブランド品について、商慣習上海外のブランドメーカーから直に
輸入
することが難しかった、その結果として競争力のある安価な価格での商品の仕入れが難しかったということ。同時に、革製ハンドバッグなどの、そういう場面でお客様が比較的手を出してくださるような商品というものが対象から外れていた、その結果として品ぞろえの不足というものがあった。こうしたことがありましたために
魅力
のある商品構成をとれなかった、こうしたところに大きな原因があったのではないか、そのように
考え
ております。
小林憲司
54
○小林(憲)
委員
今
大臣
から
お話
がありましたとおり、今回の
法改正
では
沖縄
型の
特定免税店
が
保税状態
のまま商品を販売できるようにするということであると思うんですけれ
ども
、そうすることでブランド品を
輸入
総代理店を通さずに仕入れることができて、ここでコストダウンができるようになってくると思われるんです。それでコストダウンにつながると売り上げも伸びるであろうということでこの
法改正
をされているのではないか、こう理解しますが、一体どれくらいのコストダウンと売り上げ増をこの場合
考え
られて、試算されて今回の
法改正
を提案されているのでしょうか。具体的な数字がございましたらぜひともお教えください。
お願い
します。
橋本龍太郎
55
○
橋本国務大臣
委員
、私はこれはちょっと無理だと思うんです。というのは、我々は
制度
として例えばこの八
品目
を対象の中に入れます。しかし、どういうブランドの幾らぐらいのハンドバッグを店頭に置かれるかは我々はわかりません。流行の移り変わりもわかりません。 あるいは、かつては
沖縄
の帰途、外国製のウイスキーというのを非常に
魅力
と感じて皆が買った時代があります。今変わりました世の中で、既に
本土
の各都道府県においても非常に安くなっていますから、それほどウイスキーに
魅力
を感じるか、私は酒好きですけれ
ども
、それほど大きな
魅力
を感じるものにはならないと
思い
ます。 そうしますと、こういうものを見てまいりまして、この中には例えば身辺用の細貨類でありますとか腕時計とかありますけれ
ども
、どんな品ぞろえをなさるかというのは全くわかりませんし、我々はこうした
分野
に拡大することで非常に期待はかけておりますけれ
ども
、ブランドメーカーがどのような営業方針を持っているか等も含めますと、金額的に試算をすることについてはお許しをいただきたいと
思い
ます。
小林憲司
56
○小林(憲)
委員
今
お話
をお伺いしておりますと、とりあえず
法改正
いたしましたが、今どき免税というものに関して余り大きな
魅力
はないだろう、ですから、変えたんですけれ
ども
、そんなに
効果
的な
経済効果
が得られるかどうかは、お店の方の自己
努力
もあるんですけれ
ども
、この
法改正
によって大きな
経済効果
というものがあるとは余り思えないというようなことでございましょうか。
橋本龍太郎
57
○
橋本国務大臣
大変困った受け取られ方をしたようで、私がウイスキーを
例示
に挙げたのがまずかったらこれは取り消します。 しかし、例えば、成田
空港
、関西
空港
、連休等の終わる日を見ていてください。大変たくさんのお土産を買って帰られる日本人がおられます。そして、その中にはまさにバッグの類といったものが
一つ
の人気です。現地まで行かないで、
那覇
空港
の中に行けば、海外の有名ブランドの、しかも新しく発表したばかりのものが手に入るとしたら、これは
魅力
じゃないでしょうか。これはいろいろなそのほかの商品でも言えることでありまして、私は、担当をされる
方々
、販売をされる
方々
が、どこまでそうした
意味
で海外にアンテナを伸ばし、売れ筋の商品を安定的に安く納品してもらう御
努力
をなされるかによって随分違うと
思い
ます。 しかし、全く御
努力
をされないということは
考え
られないわけですし、
議員
がおっしゃるようにあきらめたような
考え
方では私はありません。
小林憲司
58
○小林(憲)
委員
わかりました。よく理解できました。ありがとうございます。それでは、いろいろと
法改正
の方は国でしていくので、自己
努力
してしっかりとやっていっていただければ
経済効果
もたくさんあるということでお受けとめいたします。 それでは、第三次
沖縄振興開発計画
では、
計画
の目標を「各面にわたる
本土
との格差を是正し、
自立
的発展の基礎条件を整備する」としております。これは今の
お話
とも通ずるところがございますが、格差の是正ということでお伺いいたします。 一人当たりの
県民
所得の推移というデータを見ますと、八〇年代に全国平均の七五%ほどの水準であったのが、九〇年代はずっと全国平均の七〇%ほどの水準に下がったままであります。第三次
沖縄振興開発計画
に沿って
沖縄
振興
策を実施しているわけでございますが、九〇年代を通じ一向に格差が縮まらない
理由
はどのあたりにあると
橋本大臣
はお
考え
になられますでしょうか、
お願い
します。
橋本龍太郎
59
○
橋本国務大臣
沖縄
の経済は、実は、県内総生産に占める
製造業
の構成比が五%、全国一と言ってはいけませんけれ
ども
、全国水準に比して非常に低い、しかし財政依存度は三割を超える。経済を支える
産業
が非常に脆弱だということは、
一つ
考え
なければなりません。そして、これが一人当たり
県民
所得の全国との格差が縮まらないことに反映しているのではないかということを私は
考え
ております。それだけに、今後の
沖縄
の
振興
というものを
考え
ました場合、
産業
の
振興
によって活力のある
自立
型の経済というものを構築しなければならない。 先ほど来の御質問に対し、私は、
観光
・リゾート
産業
を柱とする
一つ
の
考え
方、あるいはIT関係の
産業
をこれから育てていく、そうした
考え
方をベースに御
答弁
を申し上げてまいりましたけれ
ども
、財政依存度が三割を超すといった
状態
を
考え
ましたときには、やはり
自立
をさせるための柱になる
産業
を育てていくということを急務としなければいけないのではないかと
考え
ております。
小林憲司
60
○小林(憲)
委員
去年八月にまとめられました
沖縄
経済
振興
二十一世紀プランでも、改めて
沖縄
の財政依存が拡大している
状態
が指摘されております。基地経済への依存は低下してきているということでございまして、こちらの方は大変よい
方向
に向かっておるわけでございますけれ
ども
、財政依存は、先ほど
大臣
がおっしゃられたように、拡大しているということでございます。 これは、必ずしもよい傾向ではないわけでございますが、今おっしゃられたとおり、地元での何か強い
一つ
の
産業
の柱がないということで分析をしていただいております。これは、水際に馬を連れていっても馬が飲まなければだめだということわざを先ほど
大臣
はおっしゃられていましたが、
沖縄
の経済自体がのどが渇いている
状態
だということは、各数値から言われておりますし、このような二十一世紀プランでも示されているわけですが、何かほかに要因が、飲まない
理由
、飲めない
理由
があるのでしょうか。その辺、何かありましたら教えてください。
橋本龍太郎
61
○
橋本国務大臣
これは私も正確にお答えをし切る自信がありません。その上で、個人的な感じとしてお聞きをいただきたいと存じます。 実は、私は岡山県でございますが、私の郷里にも離島があります。わずかな距離でありますけれ
ども
、離島の部分と
本土
の中における部分と、やはりさまざまな部分で違いを生じます。その一番大きな部分は輸送コストです。 そして、
沖縄
県というものを
考え
ますときに、私は、
観光
産業
を育成していくという一点でありましても、輸送にかかるコストというものは考慮の対象に入れなければならないと
思い
ます。
産業
においては一層のことであります。そして、私が在任中に、内航海運につきましては、内航海運の船主の
方々
から、
沖縄
県について特別の配慮をしていただくような
努力
もいたしました。その上で、今度は県内においての流通についても輸送のコストというものを
考え
なければならない。これは島嶼県であるがゆえのハンディだと
思い
ます。 そのほかにもいろいろな
理由
はあると
思い
ます。高齢化が非常に進んでおります
我が国
の中で、
沖縄
県は長寿県でありますとともに、若年労働力の多い県でもあります。そして今、県と御相談をしながら世界各国に留学生を送り、その諸君が帰ってきて県の中における頭脳集団を形成してくれる、そのような願いを込めて送り出しました第一期の学生諸君、既に博士課程に入っておる諸君もございます。そうした
意味
で、県内で育成できない人材をこうした形で育成していく、少し先の長い施策になりますけれ
ども
、必要な人材供給というものもあろうかと
思い
ます。 しかし、やはり
一つ
は輸送のコスト、さらに、自分で調べておりませんので申しわけありませんが、エネルギーのコストはいかがなものだろう。そうしたことがもしかすると制約になっておりはしないか、そのような懸念を持っております。
小林憲司
62
○小林(憲)
委員
国の財政
状況
を
考え
ますと、
沖縄
を早急に
自立
型の経済の
状態
にしていかなければなりません。
沖縄
経済
振興
二十一世紀プランでは、戦略
産業
の
振興
というような
方向
が出ているように私は理解しております。
沖縄
経済の
自立
化のために、今大変いい
お話
を聞かせていただいたと
思い
ますが、いろいろな
意味
でのグランドデザインといいますか、そういうものを今後どんどん出していっていただきたいと思っております。重複する質問なので、ちょっと割愛させていただきますが、以上、法案の内容についての質問をさせていただきました。 ただ最後に、ここに来て大変残念なことが発覚してきている。先日、外務省は
沖縄
サミットの入札や契約の資料を警視庁に任意提出したということでございますが、報道によりますと、逮捕されている元要人外国訪問支援室長の松尾容疑者がサミット運営にかかわった業者と癒着していたとか、あるいは外務省の臨時職員だった知人の僧侶が通訳派遣会社三社から合計九十万円のリベートを受け取っていたとか、いろいろな疑惑が報道されております。これは、サミット会場になった
沖縄
にとって、また今まで
橋本大臣
が大変心を砕いてこられた
沖縄
の問題についても、非常に残念なことが起こったのではないかなと私は思っております。 このたび、
沖縄県民
の
皆さん
にとっても大変大きな誇りである
沖縄
サミットだったわけですけれ
ども
、この疑惑が出ておりますが、これに対しまして、
大臣
、
沖縄県民
の
皆さん
に対しまして、また
国民
の
皆さん
に対しまして、今どのようなお気持ちでしょうか。教えていただけますでしょうか。
桜田義孝
63
○
桜田大臣政務官
沖縄
サミット開催に当たりましては、
沖縄
県の
方々
の温かいもてなしの心に満ちた歓待をG8首脳が受け、それがサミットの成功につながったと
考え
ております。昨年のサミット開催により
沖縄
を世界に発信することができましたが、これらのことが
沖縄
の発展につながることを期待しているところであります。 それだけに、サミットの実施に際しましても、もし仮に何らかの不正が行われていたとしたら、まことに遺憾であると
考え
ます。御指摘の僧侶の件につきましては、既に外務省として調査を行っておりますが、
関係者
の
説明
によっては、御指摘のありました疑惑、
問題点
を解消または解明するには至りませんでした。 このため、本件におきましては、松尾元室長による不正
事件
に関する捜査当局に対する協力の一環として、外務省の内部調査において得られた情報を捜査当局に対して提供しており、捜査当局による判断を待ちたいと思っております。
小林憲司
64
○小林(憲)
委員
日本では国際
会議
などを行う場合に、入札や契約の締結で担当者と業者との癒着が起こりやすいものであるということがございますが、外務省ではこれまでどのような
チェック
体制をとっていたのでしょうか。また、今回の松尾容疑者の疑惑を受けて、こうしたことが二度と起こらないようなシステムを今後
考え
ていく
方向
性というのは今持たれているのでしょうか、お教えください。
桜田義孝
65
○
桜田大臣政務官
外務省における調達におきましては、可能な限り入札を行って調達先を選定することとしております。随意契約については、会計法等に基づき
認め
られる場合に限り行うこととしております。また、調達先の決定に当たっては、関係部局の決裁を得ることにより、
チェック
が十分なされるよう配慮しております。 外務省としては、引き続き会計法等に基づき適切な調達を行うことを含め、サミットを初めとする国際
会議
関連事務の適切な処理に一層留意していく
考え
であります。
小林憲司
66
○小林(憲)
委員
終わります。ありがとうございました。
大木浩
67
○
大木委員長
次に、一川保夫君。
一川保夫
68
○一川
委員
自由党の一川でございます。 今回の
法律
改正
に関連しましての質問を幾つかさせていただきたいというふうに思っております。 今回の
法律
の
改正
の中身はごく簡単なものでございますけれ
ども
、しかし、この背景といいますか、
観光
振興
という
一つ
の
観点
での施策の一環だというふうに私は
思い
ますので、
沖縄
の
観光
というものについて、若干の時間でございますけれ
ども
議論
をさせていただきたい、そのように
思い
ます。 まず、
沖縄
の
観光
客の
復帰
以来のいろいろなデータを見させていただいても、相当の伸び率で
観光
客の数はふえているというふうに私は理解しております。昭和四十七年当時は四十万人ぐらいだったのが、今はもうはるか十倍を超えて四百五、六十万人にも達しておるというふうにお聞きしておりますけれ
ども
、この伸び率からしますと、日本全体における、各都道府県のレベルでも結構ですけれ
ども
、全国的な
観光
客の伸び率ということを比較しましても、
沖縄
の場合は特別高いのではないかなという感じを持っております。 そういう面で、当然
沖縄観光
のこれまでの動向をいろいろと分析はされているというふうに
思い
ますけれ
ども
、こういうことについて、まず
沖縄
のこれまでの
観光
客の推移、またその内容等を踏まえまして、その現状に対する認識、またこれからの
沖縄観光
に対する課題めいたものについて、
沖縄
担当の方からお聞かせ願いたいというふうに
思い
ます。
仲村正治
69
○仲村副
大臣
沖縄
への入域
観光
客は
本土
復帰
以来大きく増加してきておりまして、
平成
十二年の
観光
客数は約四百五十二万人で、
復帰
時の昭和四十七年の四十四万人に比べて十倍以上となっているところでございます。 一方で、
観光
客一人当たりの
観光
関連支出は、昭和四十七年の七万三千円から昭和六十一年に十一万二千円台にまで伸びましたが、その後は若干伸び悩んでいる
状況
にありまして、
平成
十一年には前年比三・八%減の十万二千六百円となっているところでございます。 また、
観光
客数の月別変動を
平成
十一年について見ますと、冬場の一月、二月、十二月や、五月などは三十万人台の前半であるのに対し、最も
観光
客が集中する八月には五十万人を超えており、これに伴い県内のホテル、旅館の平均稼働率も、八月は八八・九%に対し十二月は四八%というように四〇・九ポイントの月間格差が生じているところでございます。 このような
状況
にかんがみ、今後の
沖縄
の
観光
については、夏場を中心とした
観光
、リゾートだけではなくて、
沖縄
の歴史や文化等、
沖縄
の特性が生かされるような通年型、長期滞在型の
観光
振興
を進めるとともに、
観光
客のニーズの多様化にも対応して、宿泊施設の量的、質的な充実など、きめ細かい
観光
情報の提供や切れ目のない誘客イベントの開催など、ハード、ソフト両面の整備を進めていくことが必要であると
考え
ております。またあわせて、自然環境の保全にも十分配慮して
観光
の
振興
を図っていく必要があると
考え
ているところでございます。
一川保夫
70
○一川
委員
今ほどの御
答弁
の中にも、月間の格差といいますか八月ごろが非常に多くて、夏場は多いということだと
思い
ますけれ
ども
、それ以外は非常に少ない、そういう課題を抱えていらっしゃるということでございました。 確かに
沖縄
の亜熱帯性の気候なり、また海洋性という立地特性からしましても、国内の
観光
客は当然そういうところに
魅力
を感じて行かれるわけですけれ
ども
、私はやはり、今ほどの
お話
のように、
沖縄
のいろいろな文化とか歴史とかあるいはまた景観みたいなもの、そういったものをもっとしっかりとPRしていただければ、年間を通じてもっと平準化されていく可能性は潜在的にあるのではないかというふうに思っておりますので、そのあたりにまたこれからも十分力を入れていただきたい、そのように思っております。 さて、今
国土交通
省の副
大臣
にも来ていただいておりますけれ
ども
、
沖縄
の
観光
客がこれだけの高い伸び率で伸びてきた。ということは、日本全体の
観光
行政といいますか国全体の
観光
施策という中において
沖縄
の役割というものを、これまで、従来は運輸省でそういう所管があったと
思い
ますけれ
ども
、それなりにやはりしっかりと評価をしながら力を入れてこられたのだろうというふうに
思い
ます。今後、
国土交通
省としまして
沖縄
の
観光
というものに対してどういう基本的な
考え
方で取り組んでいかれようとしているのか、そのあたりをまずお聞かせ願いたいと
思い
ます。
泉信也
71
○泉副
大臣
今先生も御指摘ございましたように、
沖縄
の恵まれた自然景観あるいは独特の伝統文化や歴史など
魅力
的な
観光
資源を有しておるということは、国内にあっては唯一の場所だと
思い
ます。 国内だけではなく海外からのお客様につきましても、実は韓国、中国、台湾などからもたくさんおいでをいただいておりまして、外国の入り込み客四百四十万人のうち二十二万人が
沖縄
にお越しをいただいておるわけです。約五%に相当するわけですが、東京に大多数の外国のお客様がお見えになることからしますと、
沖縄
が周辺アジア諸国の皆様方にとっても大変
魅力
ある
観光
地であるということがこの数字からもうかがえております。
国土交通
省といたしましては、国内はもとよりでございますが、二十一世紀の
観光
政策
の重要な柱として位置づけております、日韓両国が
共同
して実施をしようとしております東アジア広域
観光
交流圏構想の
一つ
の重要なポイントとして位置づけておるところでございます。 このように、
沖縄
が
我が国
にとって国内はもとより海外にあっても
一つ
の有力な基地になり得るということ、そしてまた
沖縄
にあっては
地域
経済のためにも大変大きな役割を果たす
産業
であるということから、これまでにも増しましていろいろな施策を展開していきたいと思っております。九州・
沖縄
サミットのときには、万国津梁館あるいは名護市の庁舎をライトアップするというようなことをやらせていただきましたが、これからも
観光
のための支援
事業
を積極的に展開していきたいと思っております。 先日は、中国からのお客様を招くために旅行社あるいはマスコミの
皆さん
方をお招きするということもいたしましたし、また、この
法律
改正
によって
沖縄
での免税品等も買いやすくなる、そうした点を一層アピールしていきたいと思っておるところでございます。
一川保夫
72
○一川
委員
国土交通
省としても、
沖縄観光
については、これからもその立地特性を生かしながら相当力を入れてやっていただけるということでございます。 先般外務
大臣
にお聞きしたときも、
沖縄
には確かに
米軍
基地にまつわる話題が非常に多いわけですけれ
ども
、しかし、
沖縄
の特性を生かしたこれからの
沖縄
振興
のあり方ということを
考え
た場合に、今の
お話
のように、アジア
地域
の交流の拠点、いろいろな面で交易の拠点、交流の拠点として
振興
していきたいという外務
大臣
の
お話
もございました。そういう面では、私は、
沖縄
のこういう
観光
的な
魅力
というものをぜひ国の施策の中でもしっかりと位置づけて推進をしていただきたいというふうに
お願い
しておきたいと
思い
ます。 さて、
橋本大臣
に最後にお聞きするんですけれ
ども
、その前にちょっと別の話題でやりとりさせていただきます。 今財務省の副
大臣
にも来ていただいておりますけれ
ども
、私ちょっといろいろとお聞きする話題の中に、昨年二千円札を発行されました。
平成
十一年の十月に発行することを決定されて、その後、
平成
十二年の七月に発行されているというふうに聞いておりますし、我々もそれなりに関心を持ってきたわけでございますけれ
ども
、昨年は二〇〇〇年、ミレニアムということもありまして、しかも
沖縄
サミットということもあって、一種の記念紙幣的な位置づけの中で、当時もマスコミが相当いろいろな面で報道されたと
思い
ます。 しかし、どうもその後我々の財布の中に余り二千円札というのはとどまっていない。私も常に一枚だけ持っておりますけれ
ども
、よくよく見ると、やはり
沖縄
のPRのためにはこのお札は非常にいいんじゃないかなというふうに
思い
ます。当然御存じだと
思い
ますけれ
ども
、この二千円札の表に守礼の門の図柄が入っているわけです。当時の大蔵省ですけれ
ども
、要するに、これは非常に利用価値があるんだ、二千円というこの数字に
意味
があるんだというようなことも聞いたこともございますし、また、にせ札防止という
観点
からも最新の技術を駆使してつくっているお札だから、これから大いに流通するんだというようなこともお聞きしましたけれ
ども
、どうもその後余り流通していないような率直な印象を持っているわけです。 今ほど触れましたように、
沖縄観光
という
観点
からも、やはりこのお札がもっともっと全
国民
に流通するようなことをやっていただいた方がいいんじゃないかなという感じがしますけれ
ども
、まず、この二千円札の流通の
状況
はどうなっているんでしょうか。
村上誠一郎
73
○村上副
大臣
お答えします。 今御質問がありましたように、昨年、二〇〇〇年ということもありまして、九州・
沖縄
サミット、そして
国民
の利便性の向上も
考え
てつくったわけであります。
我が国
は、御
承知
のように今まで二の倍数の紙幣がなかったということで、二千円札が流通すれば
国民
の
皆さん
方も非常に少ない貨幣で支払いができるということでつくったわけであります。 今どのような量が言われているかという御質問なんですが、実は本年の二月末の時点では、機械対応が十分進んでいないということもありまして、残念ながら、今のところ一億三千万枚が流通しているというのが現状であります。
一川保夫
74
○一川
委員
一億三千万枚というのは、恐らく今日本国内で流通している紙幣の中ではシェアとしては相当少ないというふうに
思い
ますね。恐らく五千円札なんかでもその数倍ぐらいは流通しているんだろうというふうに
思い
ます。もともと昨年二千円札を発行する段階である程度、紙幣全体の流通量の中でおおむねこれくらいを目標にしてやろうとしたのかどうか、そのあたりの目標というのは、私も当時余り記憶はないんですけれ
ども
、できるだけ流通させようとしたのか、何か目標があったのかどうか、そのあたりはいかがですか。
村上誠一郎
75
○村上副
大臣
簡単に構成比を申しますと、一万円券が大体六〇・八%、五千円券が、今
委員
が御
説明
になったんですけれ
ども
、四・五%で二千円券の約三倍であります。それから、千円券が構成比の大体三三・二%ということで、全部で一〇〇%になっております。 それで、当局としては大体五千円券ぐらいの分量ということを予定していたんですが、御高承のように、やはり自販機が、今二千円券で流通できる機械がないということで、残念ながら、現時点においては当初の目標に比べて少ない一・五%、今申し上げましたが一億三千万枚にとまっているというのが現状であります。
一川保夫
76
○一川
委員
それでは、副
大臣
、今自販機ということをおっしゃいましたけれ
ども
、メーカーもたくさん、関連するメーカー、いろいろな業界があろうかと
思い
ます。また、二千円札の流通について協力を仰ぐような組織というのは幾つかあろうかと
思い
ますけれ
ども
、そういうことに対する働きかけはいかがでしょうか。
村上誠一郎
77
○村上副
大臣
まさに御指摘のとおりでありまして、財務省におきましては、日本銀行と連携しつつ、具体的には、金融機関それから郵便局のATM、両替機械等、駅の券の販売機等、二千円券が使えるように改造を行うことや、釣り銭としての二千円券を積極的に使用してもらうように各業界に
お願い
しているところであります。 このほかに、日本銀行本店及び支店におきましては、一般の個人や業者等に対して直接二千円の両替等を行う対応を今行っている、そういう
状況
であります。
一川保夫
78
○一川
委員
それでは、最後に
橋本大臣
に、
沖縄
の
観光
に対する
大臣
の
思い
でも結構ですけれ
ども
、今ほどちょっと私の
一つ
の話題として二千円札の話題を出させていただいたわけです。私自身も北陸でございますけれ
ども
、北陸から
沖縄
への便は相当利用率は高いというふうに聞いておりますし、また、特にお互いの気候からしまして、北陸の雪の中から
沖縄
へ行くというようなことも当然あるわけです。いろいろな施策の中でも、今ほどの二千円札のように、せっかく二千円札の図柄に
沖縄
の守礼の門が、当時はある程度
沖縄
のそういうことを期待しての図柄だと
思い
ますけれ
ども
、そういうものをもっともっと流通させていただくような施策なり、またそういうものを見れば
沖縄
へ行ってみたいという気持ちにも当然なるわけですし、
沖縄
へ行けばそういう話題にもなるわけでございます。 私は、
沖縄
の
観光
というものは、今
沖縄
県の全体の収入の中でも
観光
収入というのは相当大きなウエートだというふうに
思い
ます。そういう
観点
からしましても、これからの
観光
行政というものは当然非常に大事な
分野
でございます。しかし、
沖縄
の自然環境を保全しながら、しっかりとした対応も一方では必要になるわけです。
橋本大臣
としましては、今回ポスト第三次の問題もございますけれ
ども
、
沖縄観光
というものについての
大臣
のこれからの基本的なお
考え
を最後にお聞きして、質問を終わりたいと
思い
ます。
橋本龍太郎
79
○
橋本国務大臣
個人の
考え
でもいいと言っていただきましたので、多少申し上げたいことがございます。
復帰
前から
沖縄
に通った
思い
出も持つ私にとりまして、
沖縄観光
という
言葉
自体に初めは抵抗がありました。やはりあれだけ多くの戦没者を出し、しかもそれが兵士だけではなく島民の中からも多くの犠牲者を出した
沖縄
に、鎮魂とかそういう
思い
を抜きの
観光
という意識はなかなか生まれませんでした。そして、私は、恐らく私ぐらいの年齢までの人々には、そうした
思い
は今でも随分残っているんじゃないだろうかという気がします。 そして、
沖縄
が
復帰
をいたしました初期、圧倒的に多く
沖縄
を訪れた
方々
は、やはり自分の肉親を戦場で失った
遺族
の
方々
でありました。それが、ある
意味
では、私は、
沖縄
県の
観光
事業
というものにリゾートとかそういった発想を取り込む上でのおくれをむしろ生じさせたのではないかという
思い
がございます。そして、やはり
沖縄
県の
関係者
御自身が、肉親を失っておられますと、笑い、歌い、騒ぎまくる
観光
客というものに多少抵抗をお持ちだった部分もなかったとは言えないと
思い
ます。 しかし、今、それは大きく変わってまいりまして、海洋性リゾートとしての
観光
という面が非常に強く大きく出てまいりました。そして、本当に若い諸君、ひどいのになりますと、かつての戦場ということ自体を全く知らずに
沖縄
を訪れて帰ってくる諸君もふえています。 そういう
意味
では、亜熱帯の風物を持つ海洋性リゾート、私は、国内において非常に優位性を持っておられる
地域
だと
思い
ます。それだけに、私は、第二次大戦の
思い
出というものをどこまで
観光
の中に残すべきかというようなことは言えませんが、全く消えてしまって、青い海と青い空というだけの
観光
になっていいものか、その点に私自身が割り切れない部分を持っています。 しかし、同時に、長寿と健康という視点からも、
沖縄
県は特色を持っておられます。あるいは、食文化という一点から見ても、全く独自のものをつくっておられる。そしてさらには、今度まさにグスクが世界遺産に登録されましたけれ
ども
、こうした長い伝統文化というものもある。その
意味
では、実は非常にたくさんの切り口で
沖縄観光
というものは組めると思うのです。それだけに、エコツーリズムとか、いろいろな角度でこれを組み立てていくことができるでしょう。 そうした面を包含しながら、私は、ポスト三次振計において、
観光
・リゾート
産業
、その育成、
振興
というものはこれからの
沖縄
県の
リーディング産業
の中核に据わるもの、そのように
考え
ております。
一川保夫
80
○一川
委員
これで終わらせていただきますけれ
ども
、
沖縄
という
地域
、
沖縄
の
県民
性、そういったものを正しく理解していただくという面でも、私は、
沖縄
に行ってみたいというような
魅力
あるものを幾つかこれから力を入れてつくっていくということは、ある面では日本の
国民
全体のためにも大変大事なことではないかというふうに
思い
ますので、ひとつよろしく
お願い
したいと
思い
ます。 どうもありがとうございました。
大木浩
81
○
大木委員長
次に、赤嶺
政賢君
。
赤嶺政賢
82
○赤嶺
委員
日本共産党の赤嶺政賢でございます。 きょうは、沖振法の一部を
改正
する
法律案
の
審議
ということになりますが、その
審議
に入る冒頭、二つの点についてだけ一言申し上げておきたいことがあります。
一つ
は、幹部自衛官による暴行
事件
の問題です。 米兵の犯罪があれだけ
国民
の指弾を受けている中で、今度は幹部自衛官が、本当に胸が痛むような、被害者の気持ちを
考え
ますと胸が張り裂けんばかりの
事件
を引き起こしている。その場合に、
沖縄
の人たちは、
沖縄
戦のときの旧日本軍の
沖縄県民
虐殺
事件
を重ねて歴史的に
思い
出します。これは避けられない話であります。そういう点についても、この犯罪の重大性について厳しく指摘をしておきたいと
思い
ます。 それからあと
一つ
は、日米首脳会談で、十五年使用期限問題で、
橋本大臣
はまだ報道の限りであるということでおっしゃっておりましたが、報道の限りであっても、今まで大統領の十五年問題についての言及というのはなかったわけですが、ブッシュ大統領みずからが十五年は無理だよということをはっきり発言している。 これは自民党や稲嶺知事の公約でありますし、その公約達成の可能性について全く
国民
にその根拠も示せないまま、また事態は
米軍
が強く否定するという事態が進みながら、なお普天間代替基地建設の基本
計画
の策定に進むのは、これまた重大な公約違反でありますし、実はこの問題で
議論
もしたいところですが、別の機会に譲るといたしまして、私は、今回の沖振法の一部を
改正
する
法律案
について質問を進めていきたいと
思い
ます。
一つ
は、この
法律
の基本となる
制度
は、一九九八年、
平成
十年に創設されているわけですね。そのときも、鳴り物入りで、
沖縄観光
の
振興
、発展ということが言われました。 ところが、既に三年前にこの
法律
をつくるときに、この
制度
がつくられる三年前の
制度
が、戻し
税方式
になっているだとか、あるいは従来の
観光
戻し税
品目
八
品目
が除かれているだとか、
地域
が
空港
と限定されているなどということを
理由
にして、メリットが少ないということが言われてきたわけです。
効果
が上がらないのではないかということも言われてまいりました。三年たったら、三年前に言われていたような中身で
法改正
をせざるを得ないという事態に立ち至っているわけですね。果たして本当に
県民
の声を聞いた
振興
策というものを
政府
がやる姿勢に立っていたのだろうかという疑問を抱かざるを得ないわけです。 ですから、今度の
法改正
を提案するのであれば、その辺の三年前の
県民
とのギャップ、これについて
政府
が今どういう自己評価、総括をなさっているのか、この点をお伺いしたい。 もう
一つ
は、三年前のこの法制定のときに出されていた特別
自由貿易地域
制度
、
観光
振興
地域
の指定
制度
、これも問題はないのかどうか、この点についてまず
最初
に伺いたいと
思い
ます。
仲村正治
83
○仲村副
大臣
お答えいたします。
沖縄型特定免税店
制度
は、
平成
十年の
沖縄振興開発特別措置法
の
改正
により、
沖縄観光
の
振興
を図るため創設されたものであります。これは、当時、大田県政から、まず
沖縄
を全県フリーゾーン
地域
にしてくれという要望、もう
一つ
はデューティーフリーショップ
制度
を創設してほしいという要請が出されたわけであります。 そのときに、
政府
・与党において
議論
をいたしました。全県フリーゾーン
制度
につきましては、
沖縄県内
からも相当反対
意見
が出てまいりました。例えば、農業、漁業の一次
産業
からは、全県フリーゾーンにすれば、賃金格差の大きい東南アジアから農産物や海産物が入り込んできて
沖縄
の農業、漁業はつぶされる、こういう反対の
意見
、そしてまた
製造業
からは、県内の
製造業
はたちどころにつぶされる、こういうことで、全県フリーゾーンはまかりならぬという要請がありましたので、そういった
県民
の
意見
を踏まえて、特別
自由貿易地域
に落ちついたわけであります。 もう一点は、デューティーフリーショップにつきましても、
復帰
のときに決められた戻し税
制度
に競合するというようなことで、いろいろな
議論
がある中で、日本人が外国から帰ってくるときに国際
空港
で二十万円までは免税である、これに倣って
沖縄
県でも二十万円までは
沖縄
県を出域する
旅客
に免税の
措置
を与えるべきだ、こういうことに基づいてこのデューティーフリーショップの
制度
が設けられたわけであります。 ただ、やってみますと、ブランド品が扱えない、こういうようなことがあって、当初
考え
ていたとおりの
効果
が上がっていない。そこで今回の
改正
になりまして、ブランド商品が扱えるようにしようということになっていると私は
考え
ております。
赤嶺政賢
84
○赤嶺
委員
私が質問をしましたのは、ですから、今回
改正
しようとするそういう
制度
上の弱点について、三年前から言われていたことなんだ、言われていたことがきちんと処理されなかったがために今回の
改正
に立ち至っている。きょうの
委員会
の冒頭、
橋本大臣
から与党
議員
にそれに対しての反省らしき
答弁
がありましたけれ
ども
、今いきなり大田前知事のフリーゾーンの話まで持ち出して、何か三年前にどうであったかという核心部分について十分なお答えをいただけなかったように
思い
ます。フリーゾーンでいえば、当時私も、日本共産党の
沖縄
の責任者として、農業を守れということで大田知事に先頭に立って申し入れてやってきた経過もありますので、私が言っているのは、そういうフリーゾーンの問題ということではないということです。 それで、ちょっと今度は、
沖縄
振興
策ということを
考え
る場合に
政府
と
沖縄
の側の
考え
方のずれ、すれ違いというのがいつも問題になりますので、そのたびに朝令暮改的な
法改正
であっては困るということを申し上げて、今回の
改正
の中で、三年前の
政府
の言い分とのかかわりで少し伺っていきたいのです。 三年前にこの
制度
を創設したときには、扱い
品目
を
観光
戻し税
品目
以外としたわけですね。そのときには、沖振法で
制度
化された
観光
戻し税店、ここで扱っている
品目
と競合しないようにすみ分けしたということが眼目だったと
思い
ます。その場合に、競合は避けられない、調整は難しいということで当時は
政府
自身も強調していたわけですが、今度は逆に、今回の
改正
では、
沖縄型特定免税店
が扱う
品目
に
観光
戻し税品店で扱っている八
品目
も含めるということになるわけですね。 三年前には競合の調整が難しいと言い、今度はその難しいと言った
方向
に法を
改正
するわけですが、それは競合の調整という問題がクリアされたということなのかどうか、この点についても御
答弁
を
お願い
します。
仲村正治
85
○仲村副
大臣
当時、
観光
戻し税売店との競合を避けるという点で、この八
品目
を除くということになっておりました。御
承知
のように、
復帰
当時、
沖縄
の
輸入
ウイスキー、これは非常に安いということで
本土
からの
観光
客に非常に人気がある商品でございました。そういうことで、
空港
内の戻し税売店がそれによって相当のメリットを受けたわけでありますけれ
ども
、税
法改正
等で
輸入
ウイスキーの安さの
魅力
が薄れてまいりまして、もう今回、デューティーフリーショップで戻し税売店で扱う八
品目
を除外する必要がなくなったということがまず一点であります。 同時にまた、デューティーフリーショップで扱おうとするいわゆるブランド品につきましても、世界のブランド品取り扱い代理店などからいろいろな反対の
意見
、行動が起こりまして、いわゆるデューティーフリーショップで取り扱えない
状況
でありましたが、今回の
法改正
によってそのブランド品が扱えるようになることによって、せっかく
制度
制定をした
沖縄
型
特定
免税売店の利点が生かされるということで
法改正
になった、こういうことでございます。
赤嶺政賢
86
○赤嶺
委員
仲村副
大臣
の
答弁
が続いておりますが、仲村副
大臣
と私は同じ
沖縄
の同郷というだけに限らず、
那覇
市という点でも同郷ですし、さらに小禄という
地域
でも、また実家同士が隣近所ということでも、日ごろから同郷の
政治
家としての一定の敬愛の念を持って接しているつもりではあります。その限りでは、
沖縄
問題は仲村副
大臣
とは
立場
は違ってもいつでも話し合えるという気持ちであります。また、そういう先輩の御
意見
についても拝聴するという姿勢は持っておりますが、
橋本大臣
とはなかなかめったに
議論
できないわけですから、そういう点ではぜひ
答弁
にも積極的に立っていただいて、そして
沖縄
問題について大いに
議論
もしていきたいというぐあいに
思い
ますから、よろしく
お願い
をいたします。 それで、その点で私、今度の
法改正
に当たって、やはり一番競合するのではないかと心配されている国際通りの戻し税店、そういうお店の
方々
と対話を重ねてまいりました。いろいろな
意見
が出ておりましたけれ
ども
、その
意見
の中で一番懸念されているのは、先ほ
ども
ありましたけれ
ども
、現在
沖縄
県が、
特定免税店
の将来の
方向
について、
空港
内にこの
制度
をとどめないで全県に広げていきたいという
考え
を持っていて、同時に、今進めている
検討
の中で、ショッピングモールを大型の免税店にしようではないかというような構想や論議が起きているわけですね。
観光
戻し税店というのは、一九七二年には四百七十店舗、一九九八年に九十二店舗、二〇〇〇年には六十八店舗ということで、どんどん減ってきているわけです。どんどん減ってきている原因はいろいろあるわけですが、
一つ
は、今回の
沖縄型特定免税店
がその減少をさらに加速させる、そういうことにならないような万全の
対策
をぜひとっていただきたいんです。 同時に、今
空港
内に限られているこの
制度
を、ショッピングモールなどの進出によってそれをさらに免税店にしていくという場合に、既存の戻し税店はやはり大変な打撃を受ける、このことを一番
皆さん
心配しておられました。来年は新
沖縄
振興
法ということも出てまいります。そういう点で、そういう商店街の人たちの心配や危惧とかみ合わせた形で、今回の
沖縄型特定免税店
あるいは
観光
戻し税店、こういうものをポスト三次振計としてどのような
方向
を
考え
ておられるのか、御
答弁
をいただきたいと
思い
ます。
仲村正治
87
○仲村副
大臣
先ほどの御質問で、
復帰
のときに四百七十店舗あった
観光
戻し税店が
平成
十二年度には六十八店舗に減った、今回の
制度
改正
でさらにその戻し税売店に影響が出てくるのではないかという御指摘がございました。今回の
改正
による
観光
戻し税店の経営への影響については、
改正
後の
沖縄型特定免税店
の品ぞろえや価格設定の
状況
などにより、一概に申し上げられませんが、いずれにしても、
沖縄型特定免税店
は
空港
内に一社のみであり、今回の
改正
によって
観光
戻し税店の経営に大きな影響を与えるものではない、こういうふうに
考え
ているところでございます。 さらに、昭和四十七年の
本土
復帰
の際には、酒類販売免許の取得者の多くが
観光
戻し税店の承認を受けておりましたが、その後、戻し税
制度
の利用実績のない業者に対しては承認を更新しない、そういう
指導
がなされたことや、当
制度
において最も利用の多い
輸入
ウイスキーは、先ほど申し上げましたように、近年の酒税
法改正
による税率引き下げなどにより、
沖縄
の土産品としての
魅力
が低下し、売り上げが大きく落ち込んでおりまして、こうしたことが
観光
戻し税店の減少の背景にある、こういうふうに
考え
ているところでございます。 さらに、市中に
特定
免税売店をつくることについての御
意見
がございましたが、そうなりますと、やはり市内の一般のお土産品店に相当の影響が出てくる、こういうことを
考え
まするときに、やはり
特定
の
地域
でなければならないのではないか、こういうふうに思料いたしているところでございます。
赤嶺政賢
88
○赤嶺
委員
今の
特定
の
地域
ということについて、ぜひ既存の商店街とのかかわりもにらみながら、ポスト三次振計の中でも
検討
していただきたいと
思い
ます。 それで、次期振計について、その大きな、基本的な
考え
方について、
政府
の見解を伺いたいと
思い
ます。 まず、
政府
が新
沖縄
振興
法を作成する基本的な
立場
についてであります。 あの九五年の
少女暴行事件
以来、残念ながら、
政府
が
検討
してきたさまざまな
沖縄
振興
策というのは、主に基地が存在する
市町村
あるいはSACOの実施によって基地が移設をされる
地域
を対象にした
振興
策として
沖縄
県に提示をされてまいりました。 現在
政府
が
検討
していると言われている新
沖縄
振興
法についても、一九九九年末の閣議決定があるわけですが、その閣議決定は、「普天間飛行場の移設に係る
政府
方針」というものの中で、新たな時代に向けた
沖縄
振興
法の実現を目指すこととし、その具体的
検討
をポスト三次振計の
検討
の中で行うこととする、こういう根拠を持っているわけですね。それから「
沖縄
県北部
地域
の
振興
に関する方針」、ここでも
沖縄
の北部
地域
の
振興
を新
沖縄
振興
法という形で位置づけるということになっていて、いわばいずれもSACO絡み、
米軍
基地絡みで
振興
が論じられているというのが九五年以降はずっと続いているわけです。 そして、
沖縄県内
では、新
沖縄
振興
法というのはSACOの実施受け入れとリンクしているのではないか、こういう危惧の声も寄せられているわけですね。現に、
皆さん
ももうその声も聞かれていると
思い
ますが、自民党の地方
議員
の
方々
からも、基地のない
市町村
への
振興
策が不鮮明である、このような厳しい批判の声も
沖縄
では起きております。 そういう点では、基地絡みじゃないか、次期振計も基地とリンクしていくのではないか、これらの批判について
大臣
はどのように
考え
ておられるのか、御
意見
をお聞かせください。
橋本龍太郎
89
○
橋本国務大臣
沖縄
県が
本土
に
復帰
をいたしましてから、三次にわたる
沖縄振興開発計画
を
政府
がつくり、これに基づくそれぞれの施策が講じられてまいる中で、着実にその成果が上がってはきたものの、これから先を
考え
ましたときにも、
産業
の問題や
雇用
の問題など解決しなければならない問題があると私たちは
考え
ております。 その中で、現行の
沖縄振興開発特別措置法
が十三年度末で期限を迎えます。そうして、お地元の方からも、新たな
沖縄
振興
計画
の策定とともに、新たな
沖縄
振興
法を設定してほしいという声が強く寄せられております。そうしたことにかんがみて、
政府
は一昨年末の閣議決定におきまして、ポスト三次振計の
検討
の中において新法の実現を目指すことにいたしました。
米軍施設
・
区域
の整理、統合、縮小について、これからも一生懸命
努力
していかなきゃいけない、そのためにSACOの最終報告に盛り込まれた
措置
を着実に実施することが必要だと
考え
ていることは私
ども
は今までも申し上げてきているところでございます。 そして、お触れになりましたその中間報告、これは
産業
の
振興
を初めとしてこれまで実施されてきた諸施策の現状と課題についての取りまとめをされたものでありますが、現在専門
委員会
におきまして、これを踏まえて、今後の
振興開発
のあり方について、本年五月ごろの最終報告策定に向けての
作業
を鋭意進めていただいております。
委員
からはいろいろな御
意見
が述べられましたけれ
ども
、私
ども
は、新法の
検討
に当たりまして、この
審議
会の
意見
も十分に踏まえて、現行の
沖縄振興開発特別措置法
の規定の中で継承すべきものは継承しつつ、できる限り新しい理念や施策が反映されたものとなりますように、県とも十分御相談をしながら、鋭意
検討
を進めていきたいと
考え
ているところです。
赤嶺政賢
90
○赤嶺
委員
三次振計の実施
状況
及び評価というのは国も出されましたし、それから
沖縄
県の方からも出されております。
沖縄
の
産業
構造における
問題点
として指摘され続けてきた生産部門の脆弱さは今なお改善されていない、さらに財政依存度は全国ベースの約二倍に達するなど高い
状況
にあるとして、三次にわたる
振興
において目標に掲げられた
自立
的発展の基礎的条件の整備はまだ十分なものとは言えないとしてきております。三次にわたる
振興開発
をしてきたけれ
ども
、その目標も達成されなかったわけですが、しかし、どうも九五年のあの不幸な
事件
以来の
政府
の態度は、基地のある
市町村
に
振興
策が偏ってきているのではないかと、これは現に基地のない
市町村
の自民党あるいは与党の地方
議員
の
方々
も、あるいは
市町村
長も口々に同じことをおっしゃっているわけです。 それで、
沖縄
の
振興
ということを見る場合にもう一回
考え
ていただきたいのは、
沖縄復帰
の際に、
沖縄
振興
特別
措置法
に基づく大
事業
を実施するについて、
政府
は
提案理由
の中でこのように
説明
しております。多年にわたる忍耐と苦難の中で生き抜いてこられた
沖縄県民
の
方々
に深く
思い
をいたし、
県民
への償いの心をもって事に当たる、このように
説明
しているわけですね。そして、そういう
立場
で二十九年間、三次にわたって
沖縄振興開発計画
が実施をされ、来年はその三次振計の終了を迎えるわけです。
政府
が新しく
検討
している新
沖縄
振興
法は、
沖縄
振興
特別
措置法
のこの精神を引き継いで実施されていくべきものだと私は
考え
ます。償いの心をもって事に当たるという姿勢をポスト三次振計の中でも基本として貫くという姿勢があるのかどうか、伺いたいと
思い
ます。
橋本龍太郎
91
○
橋本国務大臣
先ほどの御
答弁
の中でも、私は、現行法の中で引き継ぐべきものは引き継ぎながら新たなものを加えていくと申し上げております。
赤嶺政賢
92
○赤嶺
委員
私の今の質問は、基地とリンクをした
振興
策というところに重きを置いた流れが強くなってきているときであるだけに、
沖縄
の
振興
の原点というのはそうではなかったんじゃないか。引き継ぐべきもの、新しいものという
議論
ではなくて、
沖縄
のポスト三次振計を
考え
ようというのであれば、
政府
としては、やはり償いの心をもって当たるというのは引き続きの変わらぬ不動の姿勢だ、そういうきちんとした
答弁
をいただきたいと
思い
ます。
橋本龍太郎
93
○
橋本国務大臣
私が
答弁
するものをこういう中身で言えというのは、ちょっとひどいと思うんです。その上で、私は引き継ぐべきものは引き継ぎという
言葉
を使いました。その引き継ぐべきものの中に今あなたが述べられたような気持ちがないと決めつけられることは、私は不本意です。 しかし、すべてが償いだけでとどまっていいでしょうか。それでは将来がありません。私は、将来を
考え
ますときに、引き継ぐべきものはあくまでも引き継ぐ、しかし、新たなものを加えていくその
検討
もさせていただく、それが
沖縄
県のためにも必要なことだと
思い
ます。
赤嶺政賢
94
○赤嶺
委員
橋本大臣
の
答弁
を私がとったという
お話
がありましたが、私は、
政府
の
振興開発
計画
をつくるときの
最初
の
提案理由
の
説明
書を読み上げただけなんですよ。それは、当時と今日も変わらぬ不動なものですねということを申し上げているだけですよ。何も、私の言うとおりに
政府
に
答弁
を求めたんじゃない。言うとおりに言いなさいということじゃなくて、そういう
政府
の
答弁
は、今日も不動の姿勢として
政府
が持っておられることですね、そういうことですが、そういう問いに対してはどうでしょうか。
橋本龍太郎
95
○
橋本国務大臣
先ほどあなたはこう答えなさいとおっしゃるから、私は反論したんです。(赤嶺
委員
「新人
議員
の……」と呼ぶ)いや、新人としては
考え
られないほどタフな、長年の
政治
活動に敬意を表してむしろ御
答弁
を申し上げたい。 私は、少なくとも、
沖縄
県の問題にかかわり始めて以来、第二次世界大戦における不幸な歴史というものを忘れて取り組んできたつもりはありません。そして、その気持ちを忘れていいと思ってもおりません。ただ、それならば、
復帰
の時点のときのせりふ、決められた
提案理由
説明
、それのみにこだわらなければいけないんでしょうか。 基本的に気持ちは、私
ども
は、
沖縄
戦、第二次世界大戦の中において日本国内で唯一の戦場になった場所であり、しかもそれ以前からさまざまな問題を抱えていた歴史の中の位置づけがあり、そして、必ずしも、日本を守るべき日本の陸海軍の意思が、島民の
方々
との間により不幸を増幅したことはなかったかと思えば、時代を振り返ったときに胸の痛むものがあることは間違いないんです。そして、そうした
思い
を持ちながら
沖縄
の問題を少しでも前進させようという気持ちは、私はこの
委員会
にいる人間はだれも変わらないと
思い
ます。 その上で、ここまで三次の
振興
計画
が進んでまいります中に、ある程度、
復帰
直後の
状況
から変化は生じておるはずです。とすれば、心の中に痛みを持ち続けることは私は当然だと
思い
ます。その上で、新たな発展に向けての
努力
ということを私はあえて申し上げたい。 残すべきものは残すということも申し上げました。三次の
振興
計画
の上でなお残る課題に取り組んでいく、私はそれが必要なことだと
思い
ます。
赤嶺政賢
96
○赤嶺
委員
私がその前に申し上げたことは、
政府
の九五年以降の
振興
策は、基地とリンクしたものが目立って、そして本当の
意味
での
沖縄
の歴史や社会に対する償いの心というのが薄れているのではないかという危惧を感じたものですから、再三再四そういう質問を行ったわけであります。 それで、そういう
沖縄
の
地域
社会ということを
考え
てみた場合に、
沖縄
の
振興
ということを
考え
てみた場合に、先ほど
橋本大臣
は輸送コストの問題を言われました。私も、ずばりそのとおりだと
思い
ます。
沖縄
の
振興
、発展にとって、
産業
が起きない、それはやはり農業が
産業振興
の中心に据わっていくような諸施策が必要だし、そのためには、農産物の輸送コストというのも大きなネックになっていますし、ポスト三次振計の大事なテーマだと
思い
ます。 それに加わって離島の問題ですね。それも、さっき
橋本大臣
がおっしゃっていましたが、
沖縄
の場合には、人が住んでいる離島が三十九島あります。離島の人口で十二万七千六百九十六人です。ちょうど北部並みであります。県人口の一〇%です。ここにおける
振興
の立ちおくれは目を覆うものがありますが、同時に、そういう中にあって、さらに来月、四月から実施されようとしております家電リサイクル法、この実施に当たって、離島ではさまざまな深刻な問題を投げております。
沖縄
の場合に、家電リサイクル法の指定取引場所というのは
沖縄
本島にしかありませんので、離島の人たちは、海上輸送費を、
沖縄
本島やあるいは
本土
の人たちよりも余計に
負担
しなければいけなくなるわけですね。冷蔵庫で、宮古で五千九百円余計に
負担
する、それから石垣島で六千円余計に
負担
する。離島でどんなにリサイクルが難しいかというのは、
政府
も中古自動車の問題で
検討
されたことでもよくおわかりだと
思い
ますが、家電リサイクル法が実施をされた場合に、離島住民にははかり知れない
負担
を負わせることになります。 私は、実施に当たって、とりわけ主要な離島に対しては
政府
として特別に仮の指定取引場所を設けて、そこからの海上輸送費は
政府
や
製造業
者が
負担
をする、こういう緊急の
対策
をとるべきだと
考え
ております。この点で
政府
のお
考え
をお聞かせいただきたいと
思い
ます。
橋本龍太郎
97
○
橋本国務大臣
とにかく輸送コストの問題だけでも
意見
が合ったのは大変結構なことなんですけれ
ども
、だから全部
政府
が持てとおっしゃるのも、ちょっとこれは乱暴な話だろうと
思い
ます。 そして、確かに、リサイクルの前にお触れになりました農水
産業
に関連した場合、いろいろな流通基盤の整備に加えて、集出荷の施設とか、あるいは
加工
、貯蔵施設などの整備を行って、効率的な、同時に安定的な流通システムというものを離島圏で、
本土
の市場から遠隔地の産地に適合したものをつくろうとして、今いろいろ
努力
をしている最中です。 これから先も、
沖縄
県の農水
産業
というものを
振興
しようとする場合に、効率的な流通システムを整備していく、これがコストを下げることにつながっていくわけで、こうした
努力
は必要だと
考え
ておりまして、関係省庁とも連絡を図りながら引き続き必要な施策を進めていくことに取り組んでいきたいと
思い
ます。 また、廃棄物の減量と有用な部品、素材の再商品化などを図る、そして循環型の
経済社会
を実現していくということを
考え
ましたとき、家電リサイクル法の施行というのは大変重要な課題だと私は思っております。この
法律
をいかに円滑に施行していくか、これは直接の担当省庁である経済
産業
省において適切に対応されるもの、私はそう
考え
ております。
赤嶺政賢
98
○赤嶺
委員
農産物、水産物の輸送コストについては、今
沖縄県内
でも民間の方で一生懸命
努力
をしているわけですが、ぜひポスト三次振計の目玉にしていただきたいというのが強い要望でありますので、それこそ幸いにとおっしゃられて、私も大変納得をしておりますが、その点では私も力を合わせてあらゆる機会に取り上げていきたいと
思い
ます。 同時に、家電リサイクル法を全部
政府
が持てというのは乱暴な話じゃないのですよ。離島のことをよく御存じだと
思い
ますけれ
ども
、離島の住民は、
沖縄
本島に生活しておれば
負担
しなくてもよい海上輸送費が、消費者
負担
あるいは小売業者の
負担
になるわけです。
沖縄
の問題というのは、離島苦ですよ。隔ての海があるから問題が拡大していくのです。そういう問題、矛盾を一番象徴的に押しつけるのが家電リサイクル法なんです。離島住民にとっては公平じゃない、法のもとの公平さがないのだ、だから、全部
政府
が持てという言い方が乱暴であれば改めますが、離島の住民も法のもとで公平な家電リサイクル法の円滑な運用ということをぜひ
政府
が保障していただきたい。法のもとの公平を保障するのは
政府
の責任ですから、ぜひ
政府
としてそういう責任を果たしていただきたいと
思い
ます。
橋本龍太郎
99
○
橋本国務大臣
ですから、私、先ほ
ども
、直接の担当省庁であります経済
産業
省が……(赤嶺
委員
「
沖縄
の離島苦のことを言っているのです」と呼ぶ)いや、家電リサイクル法は経済
産業
省の主管の
法律
でありますから、その直接担当省庁である経済
産業
省が適切に対応されるものと認識しておりますとお答えをいたしました。
赤嶺政賢
100
○赤嶺
委員
沖縄
の離島苦を
沖縄担当大臣
が声を大きくして言わないと、担当省がここまで気づかないで四月実施を前に離島が放置されている
状態
がありますので、
沖縄担当大臣
は
沖縄
の離島の問題についてもしっかり認識して、大きな声で法のもとの平等を確保せよと閣議でも主張することを最後に
お願い
申し上げまして、私の質問を終わります。
大木浩
101
○
大木委員長
次に、
東門美津子
君。 〔
委員長
退席、嘉数
委員長
代理着席〕
東門美津子
102
○東門
委員
三月十六日、私、
沖縄
へ帰る飛行機の中でしたが、
本土
紙の朝刊を読みまして、強い衝撃と激しい憤りを覚えました。航空
自衛隊
恩納分屯基地所属の二等空尉が女子中学生に対する婦女暴行容疑で逮捕されたという記事です。真っ先に気になったのは、その子は今どうしているのだろうかということです。そして、お母さんは、お父さんは、きっと何も手につかない
状態
なのではということでした。悪質で、本当に卑劣きわまりない犯行によってもたらされた少女とその家族の悲しみ、悔しさは、一体何をもっていやされるのでしょうか。
沖縄
県の県の面積に占める広大な基地は、町づくりの最大の阻害要因でもあり、さらに
県民
はその軍事基地から派生するさまざまな
事件
、事故、環境被害、耐えがたい航空機騒音等から逃れられずに生活をしています。その上に起こる女性への暴力、一人の女性の、女の子の人権を踏みにじる行為、生涯を通しトラウマとなって苦しめられることになるそのような行為は、これまで米兵によっても数多く引き起こされてきました。それが今度は
我が国
の自衛官による暴行です。一体どういうことでしょうか。
沖縄県民
は、軍隊が住民を守らないということをさきの大戦で身をもって体験しています。
沖縄
戦では、住民に銃を向けてきた旧日本軍の兵隊さんの方が怖かったという証言もあるほど、
沖縄
の人々は旧日本軍におびえていました。ですから、
自衛隊
の
沖縄駐屯
への反発も他県に比べるとはるかに強いのだと
思い
ます。それは戦争を連想させるからです。 戦後この方、もう二度と戦争は嫌だと叫び続け、戦争に結びつき、女性、子供にとっては自身の居住地でさえ安心して暮らせない、そういう要因にもなる軍隊の駐留に反対してきた
県民
は、世紀が変わってもなお、国策により軍隊との共存を余儀なくされています。その中での今回の
事件
、
県民
の怒りがどれほどか想像にかたくないと
思い
ますが、
防衛庁
副
長官
、どのように受けとめておられますか。
石破茂
103
○石破副
長官
ただいま東門
議員
がおっしゃったとおりだと思っております。私
ども
も全く同じ認識を持たせていただいております。 つまり、今
議員
が御指摘のように、
沖縄
が日本国の中で唯一戦場になった
地域
であるということ、そしてまた、そのときに軍と一緒に南方へ逃げられた
方々
が多くの悲惨な目に遭われたということ、そして返還後、
自衛隊
が参りますにつきまして大きな反対運動があった。しかし、不発弾の処理等々、一生懸命
自衛隊
も
努力
をしてまいりました。ようやっと御理解をいただけるようになったやさきの出来事であります。そういうような問題を、御指摘のように、中学生という本当に小さな女性の方がこういう被害に遭われた、その二重の
意味
で本当に弁解のいたしようもございません。 そういうようなことで、私、
長官
の命を受けましてすぐおわびに上がりましたが、知事、また県議
会議
長、恩納村長、そしてまた議長、そこから非常に強い抗議を受けました。極めて遺憾で、遺憾という
言葉
で済むような問題だとは思っておりません。このようなことが二度と起こることがございませんように、それは
言葉
だけで済む話ではございませんから、それを形にして見ていただくことが
信頼
を回復する唯一の手段であろうというふうに思っております。 ただ、それはけしからぬじゃないか何であるかというようなことを、私
ども
の方が綱紀粛正という名のもとに申し上げることも当然でありますけれ
ども
、なぜこのようなことが起こったのかということを、個人の犯罪としてではなくて、
防衛庁
、
自衛隊
全体の問題としてとらえまして、今後全庁挙げて取り組んでまいる所存であります。大変申しわけございません。 〔嘉数
委員長
代理退席、
委員長
着席〕
東門美津子
104
○東門
委員
関連で、過去にも
自衛隊
員によるこのような
事件
がございましたか。もしありましたら、その件数、その対応についてお伺いしたいと
思い
ます。
石破茂
105
○石破副
長官
件数について正確に把握はいたしておりません。 しかしながら、
沖縄
におきまして、九九年度であったかと
思い
ますが、これと全く同じ事例ではございませんけれ
ども
、似たような事例がございました。また、全国におきましては、大変遺憾なことでございますけれ
ども
、被害者の方が中学生というわけではございませんが、今回のような事例があったことを私
ども
は
承知
をいたし、その時点時点におきまして処分をいたし、そして綱紀粛正を図ってきたところでございます。それが十分でなかったのでこのようなことが起こったのだというふうに御指摘を受ければ、返す
言葉
はございません。
東門美津子
106
○東門
委員
件数は御存じない、何件ぐらいあったのかということ。必ずしも
沖縄
県でなくても結構です。
石破茂
107
○石破副
長官
失礼をいたしました。
沖縄
県におきましては、
平成
十一年度でございますけれ
ども
、全体件数としては、犯罪件数ということで申し上げれば十九件、その中で交通犯を除きますと六件というふうに
承知
をいたしております。
東門美津子
108
○東門
委員
その都度綱紀粛正策あるいはちゃんとした処分はしてこられたという
お話
でございましたが、私本当に思うんですね、そういう
お話
を伺っていると
米軍
と同じなのかなと。起こるたびに、綱紀粛正に全力で頑張ります、あるいは教育の
強化
に努めますというお答えが返ってくるんですが、やはり起こる。そういうことは
自衛隊
も同じなのかな、すごく残念だなと思うんです。 再発、二回目ではない、何回か目になるんですが、本当にこれからもう絶対起こしちゃいけないことだと
思い
ます。特に今回のような
事件
はあってはならないことだと
思い
ますが、現時点で、再発防止策と申し上げますかあるいは綱紀粛正、どのように
考え
ておられるか、伺いたいと
思い
ます。
石破茂
109
○石破副
長官
今回、この事案に関して申し上げれば、南混団というふうに私
ども
申しておりますが、南西航空混成団と申します。その司令が、隷下にあります部隊を訪問いたしまして個別に
指導
を行う。そしてまた、各部隊においてグループ討議を行い、再発防止に関する自己啓発を行っておる。そしてまた、
沖縄
に所在をいたします陸上
自衛隊
の第一混成団長、海上
自衛隊
の第五航空群司令等からも、陸海、つまり空だけではなくて陸海部隊の隊員全員に服務
指導
の厳守を指示いたしたところでございます。また、航空幕僚監部におきましても、航空幕僚副長を長といたします不祥事再発防止
委員会
を設置いたしまして、今回の
事件
が生起した要因の分析や再発防止策の
検討
を行っておるということでございます。 ただ、それでは今までと同じではないかという御指摘をいただくんだろうと
思い
ます。
委員
の御指摘は、それは、
自衛隊
は軍ではございませんからあえて実力組織というふうな
言葉
を使わせていただきますが、いわゆる実力組織の属性、つまり軍とか実力組織というのはそういうものではないのかというふうには私
ども
は
考え
たくございません。そうあっていいとは思っておりません。
米軍
はともかくといたしまして、つまり、
委員
御指摘のように、
米軍
と
自衛隊
も一緒なのか、こう言われましたときに、
米軍
のことについてとやかく言う
立場
に私
ども
いないと思っている。 ただ、私
ども
が
米軍
に対して再発防止、再発防止ということを申し上げるときに、何だ
自衛隊
だって一緒じゃないかと言われたら全く説得力のない
お話
であることは事実でございます。それは、軍とか実力組織がそういうものだというふうに言ってしまいますともう話は全く成り立たないわけで、そうではないんだということをきちんと示さねばならぬ。 だとすれば、どうすれば自衛官の皆様方にそういうことが起こらないように、先ほど申し上げましたように、けしからぬとか、よく
考え
ろとかいうことはもちろん申します。しかし、それだけでは足りないのだろうというふうに思っています。自衛官が本当に国の平和と独立を守り安全を保つという崇高な使命を負っているんだというプライド、誇り、そういうものもまたそういうことを起こさない大きな支えであろうというふうに思っております。そういうようなことで、メンタルケアも含めまして、ありとあらゆる
観点
からこれを分析してみる必要があるであろうというふうに
考え
ております。 二度と起こさないようにという
言葉
がいかにむなしく聞こえるかということは、言っておる私自身がよく感じております。決してそういうようなことがないように、ありとあらゆる見地から
検討
をし、実行してまいりたいと存じます。
東門美津子
110
○東門
委員
御
答弁
ありがとうございます。ぜひ今のお
言葉
どおり一生懸命頑張っていただきたいと
思い
ます。 もう一点なんですが、今回の
事件
、本当に人権を侵害された、そして深く傷ついた少女とその家族に対してどのような対応を
考え
ておられるのか。特に精神的ケアの面をどのように
考え
ておられるか、お聞かせいただきたい。よろしく
お願い
します。
石破茂
111
○石破副
長官
これは、御本人並びに御家族のプライバシーという問題がございまして、
委員
御案内のとおり、私
ども
が今直接お目にかかっておわびを申し上げるという段階にございません。しかし、もしお目にかかれるようなことがありとすれば、またそういうような私
ども
の意思が伝わることありとせば、それは最大限のことをやっていかねばならぬ。それは、ただ
言葉
で済むとかお金で済むとか、そのようなものだとは思っておりません。 私ごとで恐縮でありますけれ
ども
、私も同じような年の娘を持っております。それがそういう目に遭ったらどうすればいいんだということを
考え
ましたときに、正直言って、私の想像を超えたところがございます。どうすればその子の精神的な傷、今
委員
がトラウマとおっしゃいました、それを取り除くことができるのかということは、本当にそういうような道の専門家の方の御
意見
も承りながら、また
沖縄
にはそういうような組織があるというふうにも承っております。関係各
方面
とよく協議をしながら、その子の一生の問題でございますから、トラウマをどうやって取り除くかということに全力を尽くしてまいりたい。私も自分のこととして
考え
てまいりたい、このように思っておりますので、御
指導
賜りますように
お願い
を申し上げます。
東門美津子
112
○東門
委員
質問を変えます。 今回の
法改正
による、戻税を免税にということ、あるいは新たに対象
品目
として八
品目
が加えられる、そういうことに関しましては私は特にございません。ただ、一点だけちょっと気になりますのが、先ほどの質問の中にもありましたけれ
ども
、なぜそれが
旅客
の
空港
ターミナル施設だけに限られたのか、既存の戻し税店、そういうところには適用されないのかということだけはちょっと気になっております。ぜひお答えください。
橋本龍太郎
113
○
橋本国務大臣
これはむしろ
委員
がそうした
関係者
の声もよく御
承知
ではないかと私は
思い
ますが、この
制度
をつくります時点でも、一般に波及することを非常に心配される
方々
の声がございました。そして、今回
制度
を変えまして、今まで取り扱えなかった
品目
まで加えてということになりますと、ターミナルビルを出た外の関係される業者の
方々
は一層心配をされます。そういう中で、私
ども
は、やはり
沖縄
県の
観光
というものの将来を
考え
ていったときに、少なくとも
空港
ターミナルの中における免税店
制度
を拡充する必要があるし、より繁栄させる必要がある、そう
考え
ておりましたので、このような
措置
をとりました。 しかし、先ほど来何人かの方がお触れになりましたけれ
ども
、これをターミナルの外に広げることにつきましては、その影響というものは十分に
考え
た上で判断すべきことではないだろうかと私は
思い
ます。
東門美津子
114
○東門
委員
沖縄
県の経済の
自立
に向けては、本当は、
沖縄型特定免税店
というようなものではなくて、もっと
思い
切った規制緩和策を図ることが求められるのではないかと
思い
ます。法案とは少し離れますけれ
ども
、前県政が提案していました国際都市形成構想との関連で、先ほどありましたけれ
ども
、全県フリーゾーン
制度
、あるいは一国二
制度
的なそういう
政策
は
考え
られないかというのが私の
思い
なんですが、いかがでしょうか。その点について、よろしく
お願い
します。
仲村正治
115
○仲村副
大臣
全県フリーゾーン
制度
につきましては、当時
沖縄
県からぜひそういう
制度
をつくってほしいという要望が出されたわけでありますが、しかし、県内からも反対
意見
が相当出てまいりました。先ほど共産党の赤嶺政賢さんも共産党としても反対であったというふうにおっしゃいましたけれ
ども
、やはり一次
産業
の農業、漁業あるいは県内の
製造業
に及ぼす影響が非常に大きいということで、県内からの反対
意見
もございまして、やはり全県フリーゾーンは難しいと。しからば、
沖縄
県の要望にこたえるために、特別
自由貿易地域
制度
を制定しようということで、中城湾港がその
地域
に指定された、こういういきさつがございました。
東門美津子
116
○東門
委員
それでは、三次にわたる振計についてお伺いいたします。 三次にわたる振計も最終年の一年を残すところになりましたけれ
ども
、
沖縄
県の完全失業率というのは依然として全国平均の約二倍、そして高卒者の就職決定率は全国最下位であり、
県民
所得も最下位という現状です。財政依存度は、
復帰
時よりも一〇ポイント近くふえまして、全国平均の約二倍に近い
状態
です。基地経済への依存につきましても、
復帰
時から減ってはきていますが、基地周辺整備
事業
や
市町村
への交付金などを含むとその依存度は決して低いとは言えず、むしろ、構造的に財政の中に基地関連
予算
が組み込まれていくことで、じわりじわりと
自立
を阻む体質がつくられているようにも感じられます。 このように、ある部分では格差が拡大し依存型経済から抜け出せずにいるわけですが、振計の
計画
目標である
自立
的発展の基礎条件の整備という視点から、特に基地経済への依存をどう見ておられるか、お聞かせください。
大臣
、よろしく
お願い
します。
橋本龍太郎
117
○
橋本国務大臣
今、三次にわたる
沖縄振興開発計画
を
議員
の
立場
からごらんになって、いろいろな御
意見
をいただきました。 昨年の六月に、三次振計の総点検結果として「
沖縄振興開発
の現状と課題」を
政府
としてはまとめたところですが、これらの施策の推進を図った結果として施設面における整備が総体として進んだ。また
県民
生活の向上や、
産業
、経済の発展に大きく寄与したが、交通の円滑化、水の確保、町づくり、環境衛生などを初めとしてなお整備を要する
状況
にある。同時に、
産業振興
や
雇用
の問題などが解決しなければならない問題として残っている。今そういうふうに取りまとめられたと
承知
をしています。 そして、これは私自身、当時の大田知事とも、特に高校生の就職問題を随分
議論
いたしましたし、同時に、このところ県内の若い
方々
の海外留学が落ちているということから、将来の
沖縄
県を担う人材づくりとして新たな留学枠をもう一度つくる、そういう
措置
もとってきました。先ほ
ども
御披露したことですが、そのお子さんたちと私はまだ手紙のやりとりをしていますけれ
ども
、それこそ今博士課程に進学して二年目というお嬢さんもあります。非常にしっかりと頑張ってくれている。 私は、こういういわば頭脳集団として期待できる諸君がそれぞれの目的を達成して県に帰ってきてくれる日を楽しみにしておりますけれ
ども
、今やはり何といっても、先ほ
ども
挙げましたような交通の円滑化ですとか、水、町づくり、環境ですとか、整備を要する必要があるとされております問題、これらを解決していくことをまず
考え
なければならないと
思い
ます。 同時に、
産業振興
や
雇用
の
状況
、
議員
は基地経済が低下してきたことは
認め
ていただける、基地依存型の部分が減少してきたことは
認め
ていただけると私は思うんですが、そうした中においてこういった
事業
を着実に進めていくことの必要性はお互いに認識しなきゃならないんじゃないでしょうか。
東門美津子
118
○東門
委員
ただいまの
大臣
の御
答弁
の中で留学生の
お話
がありました。とてもいい提案をしていただいてありがとうございます。
総理大臣
のときでした。よく覚えております。 ただ、せっかく海外で勉強して帰ってくる
沖縄
に本当にこの人たちを受け入れる受け皿があるかというと、その方たちの反応、送っていただいただけじゃなくて、前から行っている方、
沖縄
に帰っても働く場所がない、自分がせっかく学んできたものを発揮する場所がないという
意見
が意外とあることも事実なんです。 そういう
意味
では、やはり
沖縄
の今のあり方、確かに直接的な基地収入というのは減りました。私もそれは申し上げました。それが減ってきているのは事実なんですが、基地周辺整備
事業
だとか交付金などが本当に
市町村
の財政にじわりじわりと入って、もうこれがないと困るというところまで来ているような気がするんです。それがむしろ、これで
沖縄
が
自立経済
に向けて頑張っていけるのかなということをずっと思っているわけです。そして、若い人たちが帰ってきて働く場が本当につくれるのかなという不安もあります。 そういう
意味
での私の質問でしたけれ
ども
、ぜひ受け皿の面に関しても
大臣
の御
意見
をお聞かせください。
橋本龍太郎
119
○
橋本国務大臣
これは当時私が大田さんと話したことをまた繰り返すことになるかもしれませんが、私が大田知事にお勧めした中には、例えば亜熱帯という特性を利用した研究機関の集大成というようなことも申し上げました。知事さんは当時一部つまみ食いをされました。私は総合的なものを申し上げましたけれ
ども
、県は既にこれもやっている、あれもやっていると言われた
お話
もあります。 しかし、私は、いわば日本の亜熱帯に対する窓口役、そういった役割を買っていただくことはできないんですかと。例えば、
沖縄
県で私
ども
が初めて県を訪問しましたころにはミバエがありました。そして、
沖縄
県の果実は検疫でなかなか問題を解決できませんでした。今そのミバエを
沖縄
県は見事に解決されました。そうした技術を
沖縄
県がいわば拠点となって、例えば太平洋島嶼国に伝播させることはできないんですかということも私は申し上げた記憶があります。そして、そういうためのいわば機関といいましょうか足場といいましょうか、そうしたものを
沖縄
県につくることはどうなんですかということを申し上げたこともあります。そして、そういうところに人材も必要だと私は
思い
ます。 そして同時に、一番最近に下すったお嬢さんは、学位論文二年目にかかって本当に一生懸命にやっていますけれ
ども
、そのお嬢さんは県に入って、県の将来
計画
を描く夢を持っておられます。そうした部分にも人材は要るでしょう。それだけではなく、高度
情報通信産業
という
言葉
を今までも我々は使ってきたわけですが、
沖縄
県にこうした
産業
を定着させようとしています。そういう中にもそうした人材は要るんじゃないでしょうか。そして私は、欲を言いますなら、例えば第一次産品である農水産品の将来を
考え
るとき、そうした
分野
にも今出ていって勉強している諸君を迎え入れる余地があるな、実はそんな
思い
で見ております。 その一人一人を例えばポスト三次振計の
計画
に位置づけてしまうことはできませんが、私は、そういった
意味
での夢はかけられると思っておりますし、かけたいと思ってもおります。
東門美津子
120
○東門
委員
ひょっとしたらそこにつながってくるかもしれませんが、ポスト三次振計というお
言葉
が出ましたが、やはりその中で、これは仮称なのでしょうか、
沖縄
振興
新法の策定が進められているようですが、新法の最も重要な理念、目標は何ですか。 そしてまた、ちょうど先ほどから
お話
が出ています、
橋本大臣
の強力なリーダーシップによって進められています二十一世紀プランは、
沖縄
振興
新法の下位
計画
として明確に位置づけられ、その実現に向けて確実に
予算
措置
されていくものと理解してよいのでしょうか。よろしく
お願い
します。
橋本龍太郎
121
○
橋本国務大臣
これは、二十一世紀プランについて既にある程度
議論
も進んでまいりましたし、そして私がその話を申し上げた場面も御存じでありますから、そこにさかのぼって
お話
しすることは避けたいと
思い
ます。 その上で、
政策
の基本的な理念という
意味
では、この二十一世紀プランにおきましても
自立
型経済の構築というものを掲げました。そして、それをベースに
政策
を具体的な、体系的な姿に整理して盛り込んできました。
沖縄
振興
新法、これは今、別に法制局の審査を通っているわけでもありませんから、仮の名前ということです。しかし、その新法を
考え
ていくときに、やはり抜けてはいけない理念というのは、
自立
型経済の構築というものが
一つ
必ず入るのではないかと
思い
ます。 そしてそういう中に、
産業
の問題でありますとか
雇用
の問題でありますとか、解決しなければならない問題に連動するような条文というものを組み立てていくこと、そして、それをまた
予算
措置
に結びつけていく
努力
、そうした
方向
に向けられるようなものを新法として工夫しなければならないのではないか、今そのように
考え
ております。
東門美津子
122
○東門
委員
今後
沖縄
では、返還軍用地の跡地利用をどうするかということが
振興開発
の大きなテーマになってくると思われます。キャンプ桑江に始まりキャンプ瑞慶覧、そして普天間基地などの跡地をどのように開発、発展させていくかは、
県民
にとって経済
自立
を握る大変重要な課題です。地主への補償はもとより、返還前の基地内への立ち入りや環境浄化あるいは文化財調査など、跡地開発を円滑に進めるためには軍転法ではカバーできないものも多く、基地所在の
市町村
からも具体的な要望が挙がっていると
思い
ます。これらの動きに対応するために、跡地利用
対策
課ですか、これは
沖縄
総合事務局の方に、それから本庁の方には跡地利用企画官な
ども
新設されたと聞いております。 その跡地利用に係る課題の把握と解決に向けての取り組みがどうなっているのか、お聞かせください。
お願い
します。
橋本龍太郎
123
○
橋本国務大臣
具体的と言われましたけれ
ども
、具体的と申し上げるほど細かく申し上げる自信がありませんが、確かに跡地
対策
というのが大事であることは間違いありません。そして、
平成
十一年末の閣議決定に基づきまして、跡地利用の促進と円滑化など、確実な実施を図るために、昨年五月三十一日に跡地
対策
準備協議会を発足させて取り組み
分野
を明確化してまいりました。また、昨年八月二十四日の第二回の準備協議会におきまして、普天間飛行場の跡地利用の促進及び円滑化などにつきまして、取り組み
分野
ごとの課題についての中間的な整理というものを取りまとめますとともに、今後さらに取り組み
分野
ごとの
検討
を進めることにいたしまして、この春以降、できるだけ早い時期に一定の取りまとめができるよう取り組むことを確認してまいりました。 私
ども
、今後、この協議会の方針に即して、また中間的な整理などを踏まえながら、返還跡地の利用の促進、円滑化などに向けて総合的な取り組みを進めていきたい、今そのように
考え
ております。
東門美津子
124
○東門
委員
何か時間がぱあっと過ぎていくようで、焦りも感じながらのあれなのですが、ちょっと急いで飛ばしていきます。 次に、泡瀬地区の公有水面埋立
事業
についてお伺いいたします。 まず第一番目ですが、その
事業
の主体はどこになりますか。お聞かせください。
安達俊雄
125
○
安達
政府参考人
お答え申し上げます。 多くは国、そして一部県でございます。
東門美津子
126
○東門
委員
その埋立
事業
の目的をぜひお聞かせください。
安達俊雄
127
○
安達
政府参考人
中城湾港泡瀬地区に係る埋め立てにつきましては、
沖縄
市が県とともに海に開かれた国際交流拠点を目指して開発
計画
を進めているものでございます。あわせて、この埋立
事業
につきましては、国及び
沖縄
県が、中城湾港新港地区における関連の港湾工事に伴い発生する土砂を活用して行うということでございます。
東門美津子
128
○東門
委員
泡瀬地区公有水面という名前ですが、干潟になっていることは御存じですよね。その干潟について、今地元の方でもかなり大きな反響がありまして、いろいろ反対運動も起こっているのですが、その実態を御存じでしょうか。
安達俊雄
129
○
安達
政府参考人
環境問題は非常に重要でございますので、これまでも環境アセスメントに係る手続を適正に実施してまいりました。そうした中で、住民等の御
意見
があり、環境影響評価準備書の縦覧をいたしまして、そこで住民等の
意見
がございました件につきましては、それを反映して評価書の縦覧を行いました。 また、公有水面埋立申請書の縦覧も行いましたが、そのときには住民等からの
意見
はなかったというふうに承っております。
東門美津子
130
○東門
委員
私の手元にあるのですけれ
ども
、海草生態学の専門家である米国商務省海洋気象局沿岸漁業・生息地研究センターのマーク・フォンセカ博士が公表した、日本のあるコンサルタントとのメールのやりとりがございます。
沖縄
総合事務局が昨年の十月に
沖縄
市で開かれた国際湿地シンポジウムの際の博士の発言を確認させたもののようです。その中のやりとりの一部を紹介します。 「私は海洋関係のコンサルタントです。
事業
委託者の
沖縄
総合事務局があなたの
沖縄
での発言に関心を持っているのですが、英語でのやり取りが難しいということですので、私に確認させてください。」との書き出しで始まっております。内容は、泡瀬地区埋立
事業
の環境アセスメントで移植が可能と判断されている海草の移植実験についてですが、例えば、「泡瀬の実験のような砂地に海草を移植することはほとんど
意味
がないと発言されたようです。これはシンポジウムで発言されたことですか。」というコンサルタントの質問に対しまして、博士ははっきりと、「はい、
意味
がありません。」と。ちょっと略しますが、「新しい海草生息地の長期的な貢献という
観点
にたてば、あなた方の移植実験は無
意味
だったということです。」などと答えられ、総合事務局が行った実験が無
意味
で、データの拡大解釈、希望的観測であると指摘しておられます。 このように、専門家に
意見
を照会し、移植実験が無
意味
と指摘されたことをどのように受けとめておられるのでしょうか。そしてまた、それがその後の移植技術の確立にはどういうふうに生かされているか、お聞かせいただきたいと
思い
ます。
安達俊雄
131
○
安達
政府参考人
環境保全技術の開発という
観点
から、御指摘の藻でございますけれ
ども
、リュウキュウアマモあるいはボウバアマモの移植実験を行っているところでございまして、今後さらにこういった経過を見ていく必要もあろうかと
思い
ます。 適正な環境影響評価の手続を行った後に進めているわけでございますが、今後引き続き環境問題が極めて重要であるという視点から、専門家及び市民代表によって構成されます環境・監視
検討
委員会
を、特にこのプロジェクトについては設置することにいたしました。 また、この
委員会
の議事につきましては対外的に公表する。また、これは何も地元だけに限られるものではございませんけれ
ども
、広く市民から
意見
を求める。インターネット上で
意見
を求め、その御
意見
については
委員会
に逐次御報告をして、そこでその
意見
に対してどういう対応をすべきかということも含めて、今後この環境・監視
検討
委員会
において
議論
いただき、すぐに対応を図っていくというようなことで、特に工事実施のプロセスの中でこういった特段の
委員会
を設けるとともに情報公開を徹底する、こういったことで今後環境を重視した対応を図っていきたいというふうに
考え
ているところでございます。
東門美津子
132
○東門
委員
済みません。今の御
答弁
からですと、いろいろ
意見
を聴取し、そして
検討
委員会
にも諮り、その上で、場合によっては
事業
の見直しというのか、その影響評価を再度行うということもあり得るというふうに理解してよろしいでしょうか。
安達俊雄
133
○
安達
政府参考人
今後の
事業
の実施に的確に反映させていきたいというふうに
考え
ております。
東門美津子
134
○東門
委員
難しいですね、どういうふうに受け取っていいのか。 この泡瀬の干潟は、世界で最もすばらしい海草の生息地の
一つ
であると言われているところなんです。八種類の海草があり、面積当たりの種類数ではフィリピンに次ぐ世界第二位の海草藻場の生態系であると絶賛されるほどの湿地なんですよ。 そこへの
事業
ですから、目的は何ですかと言ったら埋め立てということだったんですが、やはり埋め立てるからには、では埋め立てて後そこに何ができるかというところまで国はきっと御存じだし、そこまで責任をとらなきゃいけないんじゃないかと私は思うのですね。 やはりいろいろな
意味
で、環境アセスメントの妥当性についてはいろいろなところから疑問の声がある、環境団体からもあるいは外国からも。そういう中で、やはり今回の諫早の干拓
事業
もそうなんですが、恐らくあれは環境アセスメントを行われたと思うのです。しかし、その時点では予測できなかった大変な被害が起きているわけですよ。こういう実例を対岸の火事とせずにより慎重に環境影響を見きわめる必要があると
思い
ます。短期間で移植が成功したとか、短期間の調査によって可能だというふうに動いていくというのに対してすごく不安を覚えますが、いかがでしょうか。
安達俊雄
135
○
安達
政府参考人
お答え申し上げます。 短期間というよりはかなり長期にわたってこの問題は
検討
されてきたわけでございまして、当初、昭和六十二年にありました構想についても、その後環境への影響ということで相当、陸域から接続した形の埋め立て方式は修正され、人工島方式ということで一定の潮流を確保するような形、そして全体の規模につきましても縮小を図るといった形で、潮流を確保する中で藻場の保全を図るといった構想の見直しも行われる中で、環境アセスメントもしかるべく進められてきた。また今後の実施においても、さらに
委員会
において御
意見
を聞きながら進めていこうということで進めておるものでございます。
東門美津子
136
○東門
委員
失礼しました。先ほど短期間でと申し上げましたのは移植の実験のことでございます。
計画
そのもの
のことではなかったんですね。 でも、今の
お話
だと、
計画
当初と変わってきた、いろいろ変更があったということです。やはり今このときに、いろいろな、経済
状況
もこういう中で、あるいは干拓、諫早の問題も起きている中で、環境の面からもう一度アセスメントということ、再度評価していくということは大事ではないかと思うのですが、本当に、もう一度お聞かせいただきたいと
思い
ます。 いろいろな環境団体の声もしっかり聞いていただいて、それで、ここにできてくる上物というのですか、ハードのものが、やはりこれが
県民
のためにあるいは
沖縄
市のためにいいんだというところに至れば、それはまたそれでわかると
思い
ますが、今の時点でどんどん進めていくということに対してとても不安を覚えております。もう一度御
答弁
を
お願い
します。
安達俊雄
137
○
安達
政府参考人
環境アセスメントにつきましては、先ほど御
説明
させていただきましたとおり、しかるべき手続を経て御
意見
を対外的にも求めながら適正に進めたわけでございまして、公有水面の埋立縦覧におきましては、むしろ
意見
なしという形でこの縦覧が期間を終了したというようなこともございます。手続として万全の、最大限の
努力
を行って進めてきたわけでございますけれ
ども
、今後、なお引き続き環境問題重視の姿勢で、この
委員会
を中心として的確な対応を図ってまいりたいというふうに
考え
ております。
東門美津子
138
○東門
委員
最初
、干潟の埋め立てが出たときには、トカゲハゼ、トカゲハゼという
言葉
、トカゲハゼがいかに大事かということだけが強調されたようですが、それ以外にもいろいろな、大事な希少種あるいは絶滅危惧種も生息している場所です。移植実験をして三カ月で移植技術が確立したと結論づけたということも聞いております。そういう短期間で本当に絶滅危惧種の移植技術が確立するものなのか、素人の私でもとても不安に
思い
ます。気になります。 ですから、そういう面からもぜひ、今
お話
もございましたけれ
ども
、環境アセスということでは本当に多くの人の、特に地元の人たちの、住民のコンセンサスをしっかり得ていただきたいと注文をして、質問を終わります。 ありがとうございました。
大木浩
139
○
大木委員長
これにて本案に対する
質疑
は終局いたしました。
—————————————
大木浩
140
○
大木委員長
これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
内閣提出
、
沖縄振興開発特別措置法
の一部を
改正
する
法律案
について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
大木浩
141
○
大木委員長
起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました
法律案
に関する
委員会
報告書の作成につきましては、
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
大木浩
142
○
大木委員長
御
異議
なしと
認め
ます。よって、そのように決しました。
—————————————
〔報告書は附録に掲載〕
—————————————
大木浩
143
○
大木委員長
次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会します。 午後四時四十八分散会