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塩田委員 私は、実は昨年の九月に、衆参の超党派の議員団で
中国に参りまして、朱鎔基
総理と約一時間半にわたりまして
意見交換をいたしました。その際、私は、日中の本当の
友好をやらなければならない、そのためには
お互い率直に思っていることを言い合うべきだということを言いまして、私は朱鎔基
総理に直接、日中間の感情がかつてのような
友好関係でなくなってきておる、冷え込んできた、そして悪化しつつあると危惧するんだ、なぜか、それは五つの理由があるということを申し上げました。
第一が、
中国が毎年一七、八%も軍事費を増強している、増額している、これに
中国周辺の各国が非常に恐れをなしているということ、
日本もそれに対して危惧をしている。
それから第二は、
ミサイルの開発、配置、これをかなりの地域に配置をし、増強を図っておる、それは
日本に対しても向かっている、非常に脅威であるということを申し上げました。
第三点は、最新式の武器を輸入している、そしてまた、開発途上国を
中心にして武器をどんどん輸出している、
中国はそういう国になってしまっておる。
第四点は、いわゆる戦争博物館、平和博物館と言われるようなところでいろいろな展示をしている、そして民衆にもそれを見せ、排日、反日といいますか、そういう感情が出てくるような宣伝をし、また学校でも教育をしている、こんなことをやっておって本当に子々孫々まで
友好友好でいけるのか、本当に
中国に対して危惧をしておるんだということを申し上げたわけでございます。
第五点は、その当時問題になっておりました
日本近海における
中国艦艇の測量と称する遊よくがあったわけです。最近におきましては、これは
お互いに通知をし合ってということで、言うならばお墨つきになったわけですが、海洋の
調査のみならず、海底まで探査をしている。こんなことが起こっておる。これについても指摘したんです。
これに対しまして朱鎔基
総理の回答は、確かに軍事費は増強しているけれども、これは
日本向けにやっているんじゃないんだという答弁でした。それから、海洋
調査の艦船の
日本近海への出没については、これは知らなかった、また、
関係省庁にも聞いてみたけれどもそこでも知らなかった、出先、第一線でやっていることだ、よく調べます、それから、できたらこれは
お互いに通知し合った方がいいですね、こんな話で終わったわけでございます。
私は、非常に危惧をいたしておりますのは、先ほど
大臣が言われましたように、
中国は、
外交の力を持つためにはやはり軍事力だ、これは毛沢東が
政権をとって以来一貫してやってきておることなんですね。そして、最近におきましては、
戦略的境界論というようなものも言い出しておる。これは言うならば、
言葉をかえれば
中国の覇権主義だ、地域覇権主義だというような議論をする方もあるわけでございます。また、台湾に対しても武力行使はするということを言っているわけですね。
それから、先ほど言われましたように、人民戦争方式というものを当初はやっておって、私もかつて二十年ほど前に、
中国の陸軍の演習を見てまいりました。確かに人海作戦、そして精神主義、百発百中主義の、
日本でいえば戦前の陸軍のとったような方式でやっておりましたが、これはその間に、まず毛沢東
戦略としては、
ミサイルと核兵器の開発に集中したわけですね。もう経済力を顧みずにそこへ集中して、しかもそれが、六〇年には核兵器の実験に成功し、七〇年には人工衛星の打ち上げにも成功し、八〇年代にはもう既に大陸間
弾道ミサイルの開発に成功する。それから、原子力潜水艦はもちろん持っておりますし、八八年からはそこからも
弾道ミサイルの水中発射実験にも成功した。今や海空軍の増強に力を入れておる。そして、ハイテク
関係に特に重点的に
研究投資をしておるし、これがかなり進んできておるという
状況にあるというふうに私は把握をしておるわけでございます。
この毎年一七、八%の軍事費を増強していること、
我が国のみならず周辺諸国が非常に心配をしておる、これが毎年積み上がっていった場合どんなことになるのか。そして、
日本の場合は、本当に五兆円のところでずっと足踏みをしておりますね。こんな
状況で本当に
日本の安全防衛、特に
中国を
考えた場合に大丈夫なのかと思いますが、いかがでございますか。