○今川
委員 時間がありませんので、もう少し申し上げたいことがあるのですが、一つは、今から幾つかの点をぜひ求めておきたいと思うのです。
今回の
事故、事件で、例の
ゴルフをしていたという森
総理の
対応は、もうあいた口がふさがりませんので、それは申し上げませんが、例えば、桜田
外務政務官だって、当初、今月の十二日、救助作業は適切に行われていた旨の発言をされてみたり、いずれを問わず、本当に
日米安保、
日米同盟が大切なのだと思われるのであれば、言うべきときには相手方を怒らせるぐらいに厳しい
姿勢で臨まないと、最初から、こういう
事態というのは
アメリカだって見ているわけですから、これだけ大変な事件、
事故が起こっても
ゴルフをやっていたのかと。あるいは、きちっと確かめもせずに救助活動は適切に行われていたような発言をすれば、今回の事件に関する限りは一〇〇%米側に非があったわけですから、そういった
意味では、もっと厳しくやっていただきたい。
幾つかのことを申し上げますが、一つは、他の
委員も言われていますけれども、今回の真相究明、
原因究明と、それを
日本の
国民にわかった時点で全面的に公開すること。
特に、来月の五日に開かれるという査問
会議、この中ではいわゆるワドル艦長ら三人が今対象として予定されていますが、ここは
日本政府としてぜひ心しておいていただきたいのは、今回は、例えば艦長が独自にそういう体験ツアーを組んだとかいうこととは違うと思うんですね。いわゆる冷戦が終わってから、私は三十年余り佐世保で米海軍の原潜の出入りをずっと監視して変化を見てきていますので、よくわかります。任務が相当変わっています。隊規も緩んでいます。例えば、原潜が入ってきて接岸するときには必ず艦首を港の入り口に向けるんだけれども、たまたま艦尾を港に向けたままとか、それは一つの例なんですけれども、そういうふうに、極端に言うと原潜の使命は終わったんではないかということが片一方で言われるから、なおさらそういう
地域の有力者に対するサービスも出てくる。
そうしますと、当然今回の場合には、少なくとも
アメリカの太平洋艦隊司令部あるいは統括する米軍のもっと上層部にまで、きちっとした責任の所在をはっきりさせなければならない。ワドル艦長以下三人で、俗に言われるトカゲのしっぽ切りみたいなことで終わらせちゃならないということが一点であります。
二点目には、問題なのは、このハワイ沖海域はいわゆる
民間船も非常に多くて、少なくともホノルルを母港にしている潜水艦だけでも二十二隻というぐあいですから、起こってほしくないけれども、今後も非常に危ない。そういった
意味では、
事故の再発防止をどういう形で徹底していくのか、ここも
アメリカ任せではなくて、
日本政府としてきちんとした
対応策をぜひ
国民の前にはっきりと示していただきたいと思うんです。
それから、もちろん三番目には、行方不明者の徹底捜索並びに
えひめ丸の引き揚げ、さらに
被害者の
皆さん方への完全な補償を米側にきちんと求めていただきたい。
それから四点目には、遅きに失した感がありますけれども、少なくともこの原因をはっきりさせる。今後の
事故再発防止をこのようにするんだということが明らかになるまでは、
日本政府としては、沖縄のホワイトビーチ、佐世保、横須賀に昨年だけでも年間五十一回の原潜の寄港があっているわけですから、それがはっきりするまでは入港を自粛してほしいというぐらいのことがなぜ
日本政府として言えないのかというふうに思うんです。
特に、今回のハワイ沖でのような、
民間人を十六人も乗せていきなり緊急に浮上してくるというふうな訓練はないと思うけれども、さまざまな
日本近海での訓練があっているはずであって、そういう米海軍としての訓練の実態及び
行動の形態、運航のマニュアル。例えば佐世保で言いますと、港に入ってくるときにはもちろんもう浮上しています。どの時点から浮上してくるのか、
民間船がやはり非常に頻繁に行き交うわけですから、
事故につながりかねない。そういった
意味では、そういうデータもきちっと
日本政府として求めていただきたいというふうに思っています。
それからもう一つは、こういう原子力潜水艦あるいは原子力艦艇が
日本の港に入るときには、御存じのとおり、少なくとも二十四時間前に
事前通告しなければならないとなっています。皮肉なことに、冷戦が終わってからこの方、この二十四時間の
事前通告がことごとく破られるケースが出てきています。普通は原潜の入る目的というのは、補給と休養、艦の
維持というふうに常套句として使われていましたが、最近はそうではなくて、いわゆる運用上の都合ということだけで出入りをします。
そこのところも含めて、きっちりとやはり
日本政府として
アメリカに対して求めていただきたいというふうに思いますが、いかがですか。