○竹村泰子君 おはようございます。
民主党の竹村泰子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
今日の経済不況、そして閉塞感の中で、人の命や尊厳を軽視するさまざまな事象が発生しております。
学校や会社、地域
社会でのさまざまないじめや
差別、児童虐待や
家庭内暴力の顕在化、あるいはカルト宗教の流行とか、
人権を守るべき立場の警察や公的機関による
人権侵害あるいは被害放置など、日本
社会はあらゆる分野において改めて命の尊厳と
人権に関する認識が問われていると言わなければならないと思います。
冷戦後に多発する民族や宗教による対立あるいは
人権抑圧に対して、
国連は、
国連識字の十年、
人権教育のための
国連十年、平和と国際文化年など、世界じゅうに多文化との共生、平和と
人権の文化、それらを定着させる
活動を提案してまいりました。また、一九四八年の世界
人権宣言を初め、国際
人権規約や人種
差別撤廃条約あるいは
女性差別撤廃条約、拷問禁止条約、
障害者の機会均等化に関する標準規則などの国際条約あるいは
国連総会での決議を通して、
人権に関する国際ルールといったようなものを問題解決のためのシステム
整備として進めております。
日本の国の中においては今なお部落
差別や
女性差別、子供、
高齢者、
障害者、そして色覚異常、アイヌ、在日外国人、HIV感染者、ハンセン病患者などさまざまな
差別や
人権侵害が本当に悲しいことに存在しておりまして、
国連人権委員会は日本
政府に対して勧告を出しております。
日本
社会の国際化が進む中で、さらに多くの文化や宗教、多様な生き方、人種や民族の違い、そういったことを
尊重してともに暮らすことが求められているわけでございまして、今までの単一民族国家の幻想から多文化共生、多様な生き方の日本
社会へ脱皮することが問われていると思うわけでございます。
民主党は、二十一
世紀にだれもが自由に安心して地域でともに暮らせる、そんな
社会を実現するために、
人権抑圧や
人権侵害を引き起こすさまざまな無
理解や偏見、
差別意識という土壌を改革して、多様な文化や価値観の共存を認め、互いの違いを
理解し、
人権を
尊重する豊かな
人権文化を創造し、花開かせることが大切だと考えております。私も及ばずながら党の
人権政策調査会の事務
局長を務めさせていただいておりまして、今さまざまな取り組みをしているところでございます。
このたび
人権尊重の一環としてこの
法案が提出されました。提出者の
皆様の御労苦に対して心から敬意を表したいと思いますけれども、
人権尊重を
目的にしたこの
法律案の
趣旨には
基本的にはもちろん賛成したいと思います。しかし、なお次の点について
法案を補強するべきだと考えて、
質問をさせていただきたいと思います。
まず、
発議者の
皆様にお
伺いいたしますが、
人権教育及び
啓発を
推進する上で重要なことは、国際
人権規約や
女性差別撤廃条約、子どもの権利条約、人種
差別撤廃条約など、
政府が締結した
人権に関するさまざまな諸条約を踏まえることだと思います。また、条約に関連して、例えば
人権教育を体系的に
学校カリキュラムに導入するための適切な措置をとるよう勧告するという子どもの権利条約
委員会の勧告とか、あるいは裁判官、検察官や行政官に対する研修を強く勧告する、これは九八年十一月の
国連の規約
人権委員会ですが、というような勧告が出されているわけでございます。
このように、
国連の
委員会から
指摘された
人権教育及び
啓発に関する勧告を踏まえるべきだと思いますが、
発議者のお考えをお聞かせいただきたいと思います。