○平野貞夫君 大島文部大臣も自民党内では改革派で、昨年はクエスチョンタイム、国会活性化の諸
制度を私
どもと一緒につくった方でございますので、どうか保岡・大島コンビで、この
少年の問題、
教育の問題というものをひとつ掘り下げていっていただきたいと思います。
それから、
与党の
先生方の前でまことに申しにくいんですが、私は、文部省や
教育の問題だけじゃなくて、
非行大人、これがやっぱり根本
原因だと思います。経済界ではそごうなんかの問題があるんですが、何といっても
非行政治家の問題ですよ。例えば、医師の記者会見や医者の診断書を出さずに総理大臣をやめさせるとか、それから約束を守らずに選挙
制度の抜本的なものを突然出して議長を辞職に追い込むとか、こういう今やっている、ここのところやっている
与党の政治、政権運営、これは
青少年に僕は物すごく悪い影響を与えていると思うんです。
そういう
意味で、こういった
原因というのは私は明確だと思うんですよ、凶悪化の
少年の。そういうものをよく踏まえて御
理解いただきたいと思います。答弁は結構です。
さて次に、
厳罰化と言われるものの
効果ですが、けさからいろんな
議論を聞いてみますと、片一方では
犯罪減少させるんだという論ですし、片一方ではいやそうじゃない、反対の場合もあるんだという論なんですが、私は両方あると思います。
といいますのは、ちょっと御紹介しますが、私は去年から福島県のいわき市の私立大学に現代
日本政治論というわけのわからぬ学問を教えに行っていますが、去年、いわゆる単位にレポートを出して採点したんです。それで、レポートは自由なことを書けと言いましたら、八十人のうち十人がこの
少年法と
少年犯罪の問題を出してきたんです。私は別にこれを出せと言ってテーマにしていないんです。これは十八、九ですね、一年生、二年生ですから。ところが、これはおもしろいと言ったらあれですけれ
ども、真っ二つに分かれています。
一人はこういう
意見なんです。今の
少年は昔のように目上の人々を尊敬し純粋な心を持っていないのである、私も十八歳だけれ
どもそうだと。逆に大人をばかにし未成年とは思えないような
犯罪を犯していると。現在の
少年は
日本国憲法が制定されたころとは全く変わっているのである、僕もまだ未成年である、しかし周りの友達だけでなくほとんどの
少年が法を犯している、いろんなことをやっている、現在の
少年法がやっぱり緩いからだと。
家族との
関係も非常に悪い、
家族の温かさも知らないと。そこで、
少年法という
法律はやっぱり現在の
少年たちには合っていない、そして今の
少年の正しいあり方として新しい
法律をつくってくれという、そういう
意見です。これは立派な見識だと思います。
それから、一方では逆でございまして、
少年犯罪をなくしていくには大人が変わらなきゃだめだと。
子供は大人を手本にするから、今の
社会は大人がやっていることは何をやってもいいんだというようになっているんだと、
子供の世界で。国会も大の大人が見苦しいけんかをしている場面がある、クエスチョンタイムもくだらない質問が出ていたなんていうことを書いていますが、よく見ているんですよ。
そこで、この
法律は、私もやむを得ず賛成で、成立していくと思いますが、問題は成立した後の、これだけ大きな問題を抱えてこれをどう運営していくか、そこの問題が非常に重要なんです。
岡崎問題も、私はあそこで勉強しましたのは、やっぱり事実
認定手続の適正化と
被害者救済はやってもらわなきゃいかぬという
意見だったんですが、本質問題は
現行の
少年法でも対応できるんです。問題は、
現行の
警察、それから地方の検察、家裁、こういうところが
少年犯罪についてまともに取り組もうという姿勢でないということなんです。みんな斜めを向いて、仕組みもルーズだから適当にやっておけばそれで済むんだという、そういう運営する人間の姿勢に根本問題があると思います。ですから、今度、整備といいますかハード化した
少年法の中で、
関係者がそういう気持ちだったらこれはだめなんですよ。余計悪くなると思うんですよ。
そういう
意味で、ひとつ
法務大臣にお聞きしますが、施行に当たって誠意を持って
少年問題に法曹
関係者がかかわってくるということを厳重に
法務大臣から要請をしておかれたいということを私は要望したいと思います。いかがでございましょうか。