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田名部匡省君 最後ですのでもう大体
先生方からいろんな
質問がありましたから、私は基本的なことをちょっと伺いたいと思うんです。
先ほどから
我が国は先進国だとかいろんな話がありますけれども、何か戦後、繁栄を求めて一生懸命
努力してきた、なりふりを構わず頑張ったと、こう言ってもいいと思うんですが、その結果としてこれは達成できてきたが、大きなものを失ってきたと。
文化、
文化と、
文化というのは一体何だろう。私は余りよくわかっていないんです。何となく
文化というのはこんなものかなということで。
私は、アメリカ映画なんかを見ておって、すごいなと。お金もかけているんだろうけれども、すばらしい映画をつくりますよね。
日本は、さっきもあったように、もう楽屋の方が見えるようなスタジオでやっているから迫力も何も出てこない。そういうところに
文化が、もう何にも生まれてこない。
音楽でも演劇でも映画でも、何でも私はそうだろうと思うんです。さっき子供たちに
著作権の本つくってと、こういっても、
大臣がよく言う心ということ、その心がないんですから、子供たちが
著作権のことを私は
理解できないと思う。夜桜能といって靖国神社で毎年桜の時期にお能をやるんです。私は実行
委員長をやっているんです。ああいうのを見ても、例えば
音楽をやる人、映画をやる人、演劇をやる人、そういうさまざまな
分野があるけれども、これは全部違うんですね。
よく見ておると、私も
著作権のことはよくはわかりません。
説明に来たときは、
著作権及び著作隣接権と、隣接権とは何だろうなと思って後から聞いてみました。その
管理事業の重要性が増大していることを踏まえ、
管理事業の健全な発達並びに
著作権者及び
利用者の双方の
保護、こういうことが書いてあって、本当にそういう
仕組みになっているのかな、そう思うんですね。
国民に
理解と、こう言うんですけれども、
国民は私は
理解できないと思うんです、
著作権というのは一体何なのかということを。漠然とはわかっても、具体的にはわからぬ。
私は、身近なことで、我々は飲むとよくカラオケへ行きますよね。レコードを入れてやっている店があるんですね、昔の。そうすると、歌ったのか歌わないのか、お金をどうやって取るんだろうと思って、そうでない第一興商とかなんとかという機械でいくやつはわかるんだそうですけれども、こっちはわからない。どうやって金を払うんだといったら、いや、店の大きさで払っているんですと。店が大きいから歌うというわけでもないのに、そんな程度なんですね。
それから、
皆さん外国へ行ってみてそうでしょう。海賊版のビデオとかCDというのがはんらんしていますよね。ああいうのを見ながら、こういう
法律が出てきても本当に守られるのかなという気がしてならないんです。特に、これからインターネットだ、もう携帯電話でも
音楽が聞けるという
時代になった。昔はアナログだったものですから、テープにとってもいい音はしなかったけれども、今はデジタルだと全くいい音が録音できるんですね。そういう
時代になってきたから、いろいろやっていかなきゃならぬと、こういう気持ちはわかるんです。
私も、
著作権者、
管理事業者、
利用者、そして
一般の
国民と、こう四つに分かれておって、この間ちょっと聞いてみたんです。私もこれ不勉強、
大臣も恐らくわからないと思うんですが、
音楽の場合、作曲家と作詞家というのがおる。これで
音楽はできて、もうその辺でばっとやっているんだろうと思ったら、そうじゃないんです。アレンジャーというのがいて、そのできたものをちゃんとやっぱり
音楽の格好になるようにする人がおるというんです。それでできるのかといったら、それを今度は音符にして、どこで何の楽器が入るかというのをやる人がおると。それで終わりかというと、今度はバンドの
人たちもおるというんですね。この
人たちも隣接権者ですか、に全部なっている。商売をやるにはスタジオを借りて、そこで歌手がいて吹き込むわけですね。そこに、よくわからないけれども、ミキサーというそれがあって、それでそこに原版権というのがあって、オケ取りというのをやるというんですね、歌手が来て。このバンドの
人たちは直接そこでお金をもらっちゃうから、ここはもう外れていますと。いろいろもらう人ともらわない人と、何かごっちゃになっていまして、そこからマスタリングというのがあって、工場に行って流通に回ると。
ですから、舞台でやるのとレコードでやるのと、あっちでやるのと、これをだれがやるかというと、
JASRACが全部やってくれていると、こういう組織になっているんです。それで、その
JASRACも今度は
音楽の出版社、ここに金をやったり、そういう仕事をやっているというんですね。
アメリカでは、これはえらいものですよ、複数の
管理団体が存在する世界でも特異な国の
一つであって、
文化支援
事業をやるんですね。そして、若い
音楽家育成のために奨学金までこういうところが出しながら育てている、こういうシステムになっているんです。このことはわかっておったですか、まず。