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2000-11-30 第150回国会 参議院 総務委員会 第5号
公式Web版
会議録情報
0
平成十二年十一月三十日(木曜日) 午前十時六分開会 ─────────────
委員
の
異動
十一月十六日
辞任
補欠選任
木庭健太郎
君
高野
博師
君 十一月十七日
辞任
補欠選任
高野
博師
君
木庭健太郎
君 十一月二十四日
辞任
補欠選任
風間
昶君
白浜
一良
君
木庭健太郎
君 続
訓弘
君 十一月二十七日
辞任
補欠選任
仲道
俊哉
君
井上
吉夫
君
高嶋
良充君
和田
洋子
君
白浜
一良
君
風間
昶君 続
訓弘
君
木庭健太郎
君
吉川
春子
君
市田
忠義
君 十一月二十八日
辞任
補欠選任
井上
吉夫
君
仲道
俊哉
君
石田
美栄
君
菅川
健二
君
和田
洋子
君
高嶋
良充君
市田
忠義
君
吉川
春子
君 十一月二十九日
辞任
補欠選任
菅川
健二
君
石田
美栄
君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
岡崎トミ子
君 理 事
大野つや子
君
仲道
俊哉
君 長峯 基君 森田 次夫君 千葉 景子君 委 員 石井 道子君 上野
公成君
海老原義彦
君 中原 爽君 西田 吉宏君
石田
美栄
君 小山 峰男君 輿石 東君
高嶋
良充君
風間
昶君
木庭健太郎
君 阿部 幸代君
吉川
春子
君 高橋
令則
君
委員
以外の
議員
発議者
本岡
昭次
君
発議者
江田 五月君
発議者
竹村 泰子君
事務局側
常任委員会専門
員
石田
祐幸君 ───────────── 本日の
会議
に付した案件 ○
理事補欠選任
の件 ○
戦時性的強制被害者
問題の
解決
の
促進
に関する
法律案
(
本岡昭次
君外五名
発議
) ○
青少年社会環境対策基本法
(
仮称
)の
早期制定
に関する
請願
(第一
号外
一件) ○
国民本位
の
行政体制充実等
に関する
請願
(第一 一八号) ○
従軍慰安婦被害者
に対する
公式謝罪
及び
賠償
の ための
法律
の
早期制定
に関する
請願
(第一二一
号外
三〇件) ○
従軍慰安婦
に対する
公的謝罪
及び
被害者補償法
の
制定
に関する
請願
(第一二六号) ○
国立試験研究機関
の
独立行政法人化
に際しての
研究労働条件
の維持・向上に関する
請願
(第六 二七号) ○建設省における
男女共同参画社会形成
に関する
請願
(第一〇三五
号外
二三件) ○
慰安婦
問題についての戦後
責任
を果たすための
立法措置
に関する
請願
(第一二〇六
号外
一八件 ) ○防衛庁を省に昇格させることに関する
請願
(第 一二二七号) ○
従軍慰安婦
に対する
謝罪
及び
補償
の早急な
実施
に関する
請願
(第一二四五
号外
一件) ○
従軍慰安婦
に対する
謝罪
及び
補償
の早急な
実施
等に関する
請願
(第一三二二
号外
二四件) ○
継続調査要求
に関する件 ○
委員派遣
に関する件 ─────────────
岡崎トミ子
1
○
委員長
(
岡崎トミ子
君) ただいまから
総務委員会
を開会いたします。
理事
の
補欠選任
についてお諮りいたします。
委員
の
異動
に伴い現在
理事
が一名欠員となっておりますので、その
補欠選任
を行いたいと存じます。
理事
の
選任
につきましては、先例により、
委員長
の指名に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
岡崎トミ子
2
○
委員長
(
岡崎トミ子
君) 御
異議
ないと認めます。 それでは、
理事
に
仲道俊哉
さんを指名いたします。 ─────────────
岡崎トミ子
3
○
委員長
(
岡崎トミ子
君)
戦時性的強制被害者
問題の
解決
の
促進
に関する
法律案
を
議題
といたします。
発議者
から
趣旨説明
を聴取いたします。
発議者本岡昭次
さん。
本岡昭次
4
○
本岡昭次
君
戦時性的強制被害者
問題の
解決
の
促進
に関する
法律案趣旨説明
を今から朗読いたします。 ただいま
議題
となりました
戦時性的強制被害者
問題の
解決
の
促進
に関する
法律案
につきまして、その
提案理由
及び
内容
の
概要
を御説明申し上げます。 今次の
大戦
後既に半
世紀
を超え、二十一
世紀
も目前となりました。しかしながら、
我が国
が過去、
侵略行為
や
植民地支配
により多大の苦しみを与えた
アジア近隣諸国
において、これらの地域の人々が
我が国
に抱いている
不信感
や
不安感
は依然として根強いものがあります。その原因の一つに
慰安婦
問題があります。いわゆる
慰安婦
は、今次の
大戦
において、
日本
の軍や官憲などの甘言、
強圧等
により本人の意思に反して集められ、
日本軍
の
慰安所等
で将兵に
性奴隷的苦役
を強要され、
女性
の名誉と
尊厳
が深く傷つけられた未成年を含む
アジア等
の
女性たち
のことであります。 戦後、
慰安婦
が社会的な問題として意識されるようになったのは、一九九〇年六月の
参議院予算委員会
において、その
実態
の
調査
を
政府
に迫ったことに始まります。当初、
政府
は、
民間
の業者によるものであり、国は
関与
していないので
実態
を
調査
することは不可能との
立場
でしたが、これは
韓国
などの
被害者
の強い反発を招きました。その後、
政府
は
調査
を行い、一九九三年八月、初めて
慰安婦
問題への軍の
関与
を認め、おわびと反省の気持ちをあらわしました。しかし、
被害者
に対する
国家補償
については、
サンフランシスコ条約
や二
国間条約
で
解決済み
であるとして拒否しました。 また、
国際連合
においても
慰安婦
問題は、一九九二年二月の
人権委員会
で初めて取り上げられて以来、
世界人権会議
、
世界女性会議等
で大きな問題として議論されてきました。特に、
人権委員会
が
女性
に対する
暴力
に関する
特別報告者
として任命した
クマラスワミ女史
は、
関係諸国
を
調査
し、一九九六年一月、
人権委員会
に
報告書
を提出しましたが、その中で
慰安婦
は
軍事的性奴隷
であったとし、
被害者
に対する
国家補償
や
関係資料
の公開などを
日本政府
に勧告しています。 一九九八年八月、
差別防止少数者保護小委員会
の
戦時奴隷制
に関する
特別報告者
の
ゲイ・マクドゥーガル女史
は、
戦時性奴隷等
に関する
報告書
で
慰安婦
問題をさらに厳しく批判し、その根拠とする法的問題の
研究
を深め、
日本政府
に対して
国家補償
を求めました。昨年八月、
国連人権小委員会
は、
武力紛争下
の
性暴力
に関し、
個人請求権
と
国家
の
責任
は
平和条約
や二
国間協定
で消滅しないとの
決議
を採択しています。また、本年八月の小
委員会
で、
マクドゥーガル特別報告者
が
最終報告
し、再び
慰安婦
問題への
日本政府
の取り組みを批判し、
被害者
の
早期救済
を促しました。同
委員会
は、この
最終報告
の
歓迎決議
を採択しました。 さらに、
国際労働機関
の
条約勧告適用専門家委員会
も、
慰安婦
は
強制労働
を禁止した
国際労働機関
二十九
号条約
に違反しており、
日本政府
が
国家補償
を行うよう希望する旨を繰り返し表明しています。 ところが、
政府
は、この問題についての国の
法的責任
を認めず、かわりに
国民参加
の道を探求するとし、一九九五年七月、
民間団体
である
女性
のための
アジア平和国民基金
を設立し、
国民
の募金による
見舞金
の
支給
で事態を収拾しようとしてきました。しかし、
日本政府
の
責任
が明確でないと
被害者
から受け取りを拒否され、
被害国政府
からも批判を受けるなど、混乱を重ねてきました。 現在、国内で元
慰安婦
を原告とする裁判が八件行われております。
韓国
二件、
在日韓国人
、
フィリピン
、オランダ、
中国
二件、
台湾
。内四件が
地裁
で
判決
。最初の
判決
が一九九八年四月に
山口地裁下関支部
で出され、
慰安婦制度
は当時の
国際条約
に違反する疑いが濃く、二十
世紀
半ばの
文明水準
に照らしても極めて反人道的かつ醜悪な
行為
であり、
日本国憲法
の
根本原理
を侵す根源的
人権
問題であると認定しています。
判決
は、特別の
賠償立法
を
早期
にすべきであった国と
国会
の
立法不作為
を指摘し、早急な
立法
を求める厳しい
内容
でした。その後の
判決
も、
個人請求権
は認めていませんが、
被害
事実を認定する傾向にあります。
被害
事実を国も裁判所も認めておきながら、
加害国政府
が何もしないというわけにはいきません。本年九月には、
米国
の
ワシントン地裁
に
韓国
、
中国
、
台湾
、
フィリピン
の
被害者
十五人が
日本政府
を相手取って訴訟を起こしています。 また、この問題を早急に
解決
せよという声は各国でも高まってきております。
韓国政府
は、一九九八年四月に
女性
のための
アジア平和国民基金
の償い金を拒否する元
慰安婦被害者
に対して一人
当たり
約三百万円の
支援金
を
支給
すると同時に、
外交通商省
を通して
日本
は第二次
大戦
中に
日本軍
によって行われた反人道的な
行為
に対し心から反省し、その上で
謝罪
すべきであるとの声明を発表しています。
台湾
の当局も、一九九七年十二月に
台湾
の元
慰安婦被害者
に立てかえ
支給
の形で一人
当たり
約二百万円を先行
支給
し、
日本政府
に
謝罪
と
国家補償
を求める
立場
を繰り返し表明しています。 昨年三月、
フィリピン議会下院
の市民的・
政治的権利
及び
人権
に関する
委員会
で、第二次
大戦
中の
性的奴隷
または
慰安婦
の
女性被害者
の正義の
要求
を満たすための戦後
補償法案
の
制定
を求める国際的な声を支持する
決議
が採択されています。八月には
米国カリフォルニア
州
議会上下院
で、
慰安婦
を含む
日本軍
による
戦争犯罪
の
被害者
に対し、明確な
謝罪
と
賠償
を行うことを求めた
決議
が採択されています。本年一月十二日には、
香港
の
議会
に当たる
香港立法会
において
全会一致
で
日本政府
に
慰安婦
を含む
被害者
への
公式謝罪
と
賠償
を求める
決議
が採択されています。五月には、
台湾
の
立法委員
百五十八名による
立法
による
慰安婦
問題の
早期解決
を求める署名も
参議院議長
に提出されています。
慰安婦
問題では、一九九〇年以来多くの
議員
が本
会議
や
委員会
で質問し、一九九六年六月には
参議院
に
戦時性的強制被害者問題調査会設置法案
が超党派の
議員立法
として提出されましたが、
審議未了
で廃案になっています。
日本
が引き起こした
戦争
の
被害者
が多数生きて苦しんでおられ、
被害者個人
との
補償
問題が完全かつ最終的に決着していないことは明らかであります。
日本国憲法前文
は、「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている
国際社会
において、名誉ある
地位
を占めたいと思う。」と、
我が国
の進路を示しています。この
憲法
の理念を踏まえ、
アジア
に生きる
日本国民
のために、
慰安婦
問題を早急に
解決
する必要があるとの考えにより、このたび本
法律案
を提出した次第であります。 本
法律案
は、今日、
女性
のための
アジア平和国民基金
の事業をもって
責任
を果たしているとするのではなく、
問題解決
のためには国の
責任
において
措置
を講ずることが不可欠であるとの認識のもとに、
慰安婦
問題の
解決
に対する
我が国
の姿勢を明らかにするとともに、その
解決
のための基本的な枠組み及び道筋について規定するものであります。なお、具体的な
措置
につきましては、
関係国
との
協議
を経て決定し、
実施
することとなっております。 次に、本
法律案
の
内容
の
概要
につきまして御説明申し上げます。 第一に、この
法律
は、今次の
大戦
及びそれに至る一連の
事変等
に係る時期において、旧
陸海軍
の
関与
のもとに、
女性
に対して組織的かつ継続的な性的な
行為
の
強制
が行われ、これによりそれらの
女性
の
尊厳
と名誉が著しく害された事実を踏まえ、そのような事実について
謝罪
の意を表し及びそれらの
女性
の
名誉等
の
回復
に資するための
措置
を
我が国
の
責任
において講ずることが緊要な課題となっていることにかんがみ、これに対処するために必要な
基本的事項
を定めることにより、
戦時性的強制被害者
に係る問題の
解決
の
促進
を図り、もって
関係諸国
民と
我が国
民との
信頼関係
の醸成及び
我が国
の
国際社会
における名誉ある
地位
の保持に資することを目的としております。 なお、
慰安婦
という
言葉
は、
被害者
が受けた
被害
の
実態
を反映していないので、本
法律案
におきましては、これにかわるものとして
戦時性的強制被害者
という
言葉
を用いることとしております。 第二に、
政府
は、できるだけ速やかに、かつ確実に、
戦時
における
性的強制
により
戦時性的強制被害者
の
尊厳
と名誉が害された事実について
謝罪
の意を表し及びその
名誉等
の
回復
に資するために、金銭の
支給
を含め必要な
措置
を講ずるものとすることとしております。 第三に、
政府
は、
戦時性的強制被害者
問題の
解決
の
促進
を図るための
施策
に関する
基本方針
を定めなければならないこととしております。また、
政府
は、
基本方針
を定め、または変更したときは、これを
国会
に報告するとともに、公表しなければならないこととしております。 第四に、
政府
は、第二の
措置
を講ずるに当たっては、
条約等
との
関係
に留意しつつ、
関係国
の
政府等
と
協議等
を行い、その
理解
と協力のもとにこれを行うよう配慮するものとするとともに、
国民
の
理解
を得るよう努めるものとすることとしております。また、
政府
は、第二の
措置
を
実施
するに当たっては、
戦時性的強制被害者
の意向に留意するとともに、その
人権
に十分に配慮しなければならないこととしております。 第五に、
政府
は、
戦時性的強制被害者
問題の
解決
の
促進
を図るため、必要な財政上または法制上の
措置
その他の
措置
を講ずるものとすることとしております。 第六に、
政府
は、毎年、
国会
に、
戦時性的強制被害者
問題の
解決
の
促進
に関して講じた
施策
及び第三の
基本方針
に定める
実態調査
により判明した事実について報告するとともに、その
概要
を公表しなければならないこととしております。 第七に、総理府に、
戦時性的強制被害者
問題の
解決
の
促進
を図るための
施策
に関し
審議
、調整、
実施
の
推進等
の
事務
をつかさどる特別の
機関
として、
戦時性的強制被害者問題解決促進会議
を置くこととしております。 なお、この
法律
は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとし、施行の日から起算して十年を経過した日にその効力を失うこととしております。 以上が本
法律案
の
提案理由
及び
内容
の
概要
でございます。 何とぞ、慎重御
審議
の上、速やかに御賛同くださいますようお願いいたします。 ありがとうございました。
岡崎トミ子
5
○
委員長
(
岡崎トミ子
君) 以上で
趣旨説明
の聴取は終わりました。 ─────────────
岡崎トミ子
6
○
委員長
(
岡崎トミ子
君) これより
請願
の審査を行います。 第一
号青少年社会環境対策基本法
(
仮称
)の
早期制定
に関する
請願外
百六件を
議題
といたします。 これらの
請願
につきましては、
理事会
において
協議
の結果、すべて保留とすることになりました。 以上のとおり決定することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
岡崎トミ子
7
○
委員長
(
岡崎トミ子
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
岡崎トミ子
8
○
委員長
(
岡崎トミ子
君) 次に、
継続調査要求
に関する件についてお諮りいたします。
国家行政組織
及び
国家公務員制度等
に関する
調査
につきましては、
閉会
中もなお
調査
を継続することとし、本件の
継続調査要求書
を
議長
に提出いたしたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
岡崎トミ子
9
○
委員長
(
岡崎トミ子
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 なお、
要求書
の作成につきましては、これを
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
岡崎トミ子
10
○
委員長
(
岡崎トミ子
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
岡崎トミ子
11
○
委員長
(
岡崎トミ子
君) 次に、
委員派遣
に関する件についてお諮りいたします。
閉会
中の
委員派遣
につきましては、その取り扱いを
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
岡崎トミ子
12
○
委員長
(
岡崎トミ子
君) 御
異議
ないと認め、さよう取り計らいます。 本日はこれにて散会いたします。 午前十時二十分散会