○椎名素夫君 無所属の会の椎名素夫でございます。
けさから
質疑を伺っていて非常にいろいろ勉強になりましたが、このところしばらくの
予算のつくり方を見ておりますと、当初
予算があって、これもそう小さなものじゃないけれども、その間、間に、時には年に二回、
補正予算という山をどかんどかんとつくって運営をしているという形が続いておりますけれども、本来、
余り健康な形ではないような気がいたしますね。
予算に飛躍なしとかいうことを申しますが、確かに、当初
予算ずっと比べてみると、何となしにつじつまが合っているようだけれども、その間に大きな
補正予算の山があって何とかかんとか埋めていくというのは、何か出たとこ勝負のような運営で
余り感心しないと思うんです。その上に、どうもほかの法案なんかでもちょっとそういう傾向が見られますが、
政府がお決めになった、あるいはもう決めようと言っているときに、いわゆる与党から大変な大声が上がって、それを変更してしまうというような感じがどうも目立つんじゃないかという気がするわけです。
この
補正予算でも、十一兆円という規模の経済対策、それに従ってこれが出てきたわけですが、
先ほどの質問に対する
大臣の
お答えで、少し前までは
補正予算要らないんじゃないかというような感じがあったのが、やはりこのぐらいはということにお変わりになった。その
理由については御
説明が確かにありました。ありましたけれども、どうも見ておりますと、
最初に大声を上げて十兆だ、十一兆だとこう言ってしまったところにみんな引きずられて、その大きな総枠をどうやって埋めるかというような、話の順序が逆になっているんじゃないかという気がしてならない。
先ほども、
櫻井さんですか、御質問がありましたけれども、本当に使う当てがあるのかどうかわからないようなものが大分まじっているように思います。いろいろ御
説明では、いや、ITというのがあるし、これに力を入れているんだし、これが将来につながるものなのでというような御
説明がありますが、これ、仮にITでもなかったら一体どうしたんだろうと思うんですね。あちこちで耳にすることですけれども、
政府周りのいろいろなところで先月、先々月ぐらいからIT関係で何かアイデアを出せと。そして計画を立てて十二月までに幾ら幾ら使い切るようなプランを立てろというようなことでそこらじゅうに下知がかかって、一体どうすればいいんだろうということでみんながきりきりと働かされているというような話も聞く。どうもこういうところをもう少しまともな形に戻せないのか。これをやらないと景気が失速してしまうと言うけれども、本当にこれだけ全部要るんですかという気はどうしても残ってくる。それが、一般国民という言葉は
余り好きじゃありませんが、空気として何かむだ遣いのばらまきをやっているんじゃないかという話につながっているというのは、これはまことに健康でない話だと思うわけです。
それで、実は、この通常
国会で前にいろいろ伺いましたときに、例のパラダイム論というのがありました。あのときは、例えば
財政の中期試算というような数が出て、あれによれば、三%ぐらい成長してもまだまだ大変なことだという数が出る。これ一体どう
考えるんだということへの
お答えとして、今やパラダイムが変わってくるんだと。これは、旧パラダイムの延長線上でやるとこうなっちまうけれども、それは様相が変わってくるんだということだろうということをおっしゃったと思うんです。しかし、今の実際に
政府がやっていらっしゃることを見ていると、旧パラダイムの中でのその手法というのしか見えない、ほとんど。
よくわからないので伺いたいんですが、旧パラダイムの中の手法を徹底的にやると、急にある時点で新しいパラダイムに飛び移るというようなことになるとお
考えになっているのかどうか、それをちょっと伺いたいのですが。